マルジェラの名品タビシューズで、私らしいおしゃれを楽しむ
月曜日のファッションコラムは、輪湖もなみさんが担当。「大人のベイシック」をテーマに、ベイシックアイテムのアップデートや輪湖さんのおすすめアイテムを紹介します。今回は、マルジェラの人気アイテム「Tabiシリーズ」。エッジの立ったデザインながら、どんなスタイルにも合う名品です。
先日、某有名デザイナーさんがこんなことを語っていらっしゃいました。
「その人を表すのは靴」
服はベイシック、小物で自分なりの味付けをするのがおしゃれさんだと私は思いますが、とりわけ「靴」にはその方の好みやライフスタイルがはっきりとあらわれます。
何にでも合わせやすいからと黒パンプスばかり選ばず、自分らしさがぎゅっと詰まった靴を選びたいものです。
足が大きくて国産のシューズではサイズがなく、いつも靴選びに苦労していた私がたどり着いた靴が「Maison Margiela」(メゾン マルジェラ)の「Tabiシリーズ」のヒールパンプス。足袋のようにつま先が分かれたデザインが特徴のシリーズです。
通称「タビシューズ」と呼ばれるこの靴は、柔らかいレザーがしっかりと足をホールドしてくれて、ヒールは高いのですが太くて安定しているので安定感抜群。一日歩き回る日に履いても疲れ知らずです。
マニッシュでモード系のスタイリングが好きな私にとって、この靴は欠かせません。ヒールパンプスだと上品すぎ、スニーカーだとカジュアルすぎ……と感じるとき、幅広く活躍してくれるのがタビシューズ。こんなにクセのあるデザインなのに、なぜかどんな服にもしっくり合うから不思議です。
このタビシューズは、1988年のマルジェラのデビューランウェイでモデルが履いて依頼、ずっと継続されているパーマネントコレクションです。ヒールの上に裸足で乗っているような感覚を求めたマルジェラが、日本のタビからインスパイアされて制作したそう。
将来美術館入りするに違いないコレクションを、日用品として身につけられてしかも快適に過ごせるというのは、とても贅沢なことだと思います。
日本の足袋がどんな人にも合うように、着る人や着こなしによってまったく違う表情を見せるタビシューズ。これからも大切にコレクションしていきたいと思っています。
靴/Maison Margiela
ジャケット/Stella McCartney
パンツ/Acne Studio
シャツ/madameHCLOSET