彼氏のことが好きかわからないときに考えたいこと 2/2

■好きかわからない相手と、なんのために付き合っているのか

「じゃあ、もう別れちゃえば？　付き合っている意味がないって思うのでしょう？」

そう尋ねると、「いや、そこまでは……。ただ好きかどうかわからないってだけで……」と彼女はうろたえたように視線を泳がせます。

別れても平気「かも」、とは思うけれど、踏ん切りがつかない。「彼氏がどう思っているかわからない」から、別れ話はまだ早い。そんな迷いは、「何のために彼と付き合っているのか」をもう一度問い直してみると、答えが見えてきます。彼女は、「付き合い始めた頃と状況が変わってしまったストレス」から愛情を維持することが難しくなりました。では、「思い通りのお付き合いができるのなら、彼氏を好きでいられる」のでしょうか。

彼のことを好きになったときは、たしかに今のような状況になることは想像できませんでした。ですが、仕事に変化があったことは、彼のことが好きだという愛情そのものには関係ありません。

「彼のことが好き」という軸が中心にあれば、環境が変わってもそれに合わせてお付き合いの形も、また別の在り方を考えていけます。

彼女が立ち止まってしまったのは、交際の軸が彼への愛情ではなく「自分の望み通りの内容」を優先していたから。デートの時間が減ったのもお泊りが難しくなったのも、彼女の望み通りの内容から外れてしまったから、ストレスになり彼氏への愛情まで薄くなっていったのだと推察されます。

「何のために付き合っているのか」、彼のことが好きだからではなく理想の交際を実現するためが優先になるのであれば、彼女がふたたび彼への愛情を実感する機会は遠くなります。

■好きかわからない彼氏とは、一切の連絡を断ってみる

今回筆者に相談してくれた女性には、「しばらくの間、彼氏と距離を置いてみて。LINEとか電話は一切しないで、会わない時間を作ってみて」と話しています。物理的な距離を作るのは、ダラダラとつながってしまい、曖昧な気持ちになることを止めるためです。「連絡を取り合わなければ」「話さなければ」と義務感のあるやり取りは、決して前向きな愛情は育ちません。

その上で、彼女は自分の心と向き合う必要があります。彼女が心配している「もう好きじゃなくなっているのかも」という不安は、その下に

・会えなくて寂しい
・「もっと会いたい」と伝えたい
・彼氏が申し訳なさそうにしているのがつらい
・今の状況でもやっていける強い愛情を感じたい

のような願望が隠れているかもしれません。それこそが本音であり、「好きじゃなくなった」と感じるのは本当の気持ちから逃げているだけの可能性があるのですね。

彼氏との絆をもっと強くできれば、今のような環境でもふたりで話し合っていい付き合い方を模索していけるでしょう。彼女の最初の理想からは外れても、ストレスなく愛情を伝えられる心を用意することが大切なのであって、それが本来の交際の軸ではないでしょうか。

「本当に別れてもいい」のは、自分の望み通りの交際を超えられないときです。どうしても今の変化を受け入れられない、こんな付き合い方では愛情を維持できない、彼氏への気持ちより自分の理想が優先になるときは、それを伝えてきちんとけじめをつけることが相手を尊重するひとつの方法になります。

「会わなくても平気なのは好きじゃないから」と決めつけるのではなく、その下にはどんな本音が隠れているのか、お付き合いの軸はどこにあるのか、もう一度心と向き合ってみることで今後の関係を決める最初の一歩が踏み出せると思います。