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資産運用はこわくない! 劇団雌猫に聞く、一生楽しく浪費するためのお金の話

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一生楽しく浪費したい。でも貯金とか資産運用とか、全然わからない。そんな女性に向けて刊行された『一生楽しく浪費するためのお金の話』。著者のかんさん、もぐもぐさんにインタビューしました。

資産運用はこわくない! 劇団雌猫に聞く、一生楽しく浪費するためのお金の話

コンサート、握手会、CD、写真集、フィギュア、化粧品、服、靴、おいしいごはん……etc.。
「消費行動大好き!」「お金があればあるだけ使ってしまう……」
そんな女性は少なくないはず。

でも、将来を考えたときにつきまとう漠然としたお金の不安。
このままでいいの? 何かしなきゃいけないけど何をしたら?


貯金できない女性たちのために、お金のことをゼロから考えたい。
そんな思いで2019年3月に刊行された『一生楽しく浪費するためのお金の話』(イースト・プレス)の著者、劇団雌猫のかんさんともぐもぐさんにお話を聞きました

聞き手は、自身もK-POPアイドルにとめどなく散財するライター・maoです。

劇団雌猫

もぐもぐ、ひらりさ、かん、ユッケのアラサー女性4人組からなるサークル。もぐもぐは宝塚歌劇団・ひらりさはBL・かんはK-POP・ユッケはジャニーズなどに情熱を捧ぐ。2016年冬からインターネットで言えない話を集めた同人誌『悪友』シリーズを作り始める。『浪費図鑑』や『だから私はメイクする』などの書籍も発売。2019年3月、最新作『一生楽しく浪費するためのお金の話』を刊行。Twitter:@aku__you

■「持続可能な浪費生活」のためにお金のことを考える

時にクレジットカ ードの請求額に怯えながら、時にアドレナリン全開で推しにお金を突っ込みながら、日々そこそこ幸せに生きてきましたが、気づけばもう結構いい大人です。このへんでいったんお金とのつきあい方、人生計画について、もうちょっとリアルに考えた方がいいんじゃないか……なんて思い始めたところです。でも、何から始めたらいいんだ?
『一生楽しく浪費するためのお金の話』より引用
「貯金が趣味です」なんて口が裂けても言えない。思えば子どもの頃もおこづかい帳がまともにつけられなかった。趣味や娯楽に使うお金は絶対に死守したい。そんなあなたと一緒にゼロから考えたい、「一生楽しく浪費し続けるためのお金の話」、スタートです。
『一生楽しく浪費するためのお金の話』より引用

──今回、『一生楽しく浪費するためのお金の話』を出版することになったきっかけは何だったんですか?

かん この本は、わたしたちが2018年夏に開催した「よいこのファイナンス」というイベントが元になっているんです。お金のプロである篠田尚子先生を招いて、資産運用の基礎を学ぶトークイベントで。

(左)もぐもぐさん(右)かんさん

もぐもぐ わたしたちが本当に知りたいことをテーマにしました。「もうすぐ30歳になるから、いい加減人生計画どうにかしたほうがいいのかな」と思ってはいるけど、何から始めればいいかもわからない。「それならプロに聞いてみよう!」って。漠然とした不安を取り除きたかったのは大きいですね

かん 劇団雌猫が初めて出した同人誌のテーマが”浪費”だったんです。一見逆に見えますよね、「使う」と「貯める、増やす」って。でも『一生楽しく浪費するためのお金の話』は、タイトル通り浪費のためのお金の作り方の話なので、わたしたちの中では一貫性があるんです。とにかく貯金しようではなく「使う」ことがゴール!

──おふたりは何に対して浪費をしているんでしょう?

かん 今は宝塚宙組の芹香斗亜(せりか とあ)さんと、K-POPアイドルの「SEVENTEEN」です。

もぐもぐ わたしも宝塚が好きだったんですが、一番好きだった愛希れいかさんが2018年の秋に退団しまして。今年の夏から舞台女優として活動が始まるので追っかける予定です。

かん 忙しくなるね……。

もぐもぐ そうなんだよね……帝国劇場系、チケット代が高くてさ……S席1万5000円の世界……。

■最初だけ気合を入れれば、生きてるだけでお金が貯まる

──この本は、オタクに限らずお金を使うことが好きな人みんなのためになると思いました。

かん 俗に言うオタク趣味に限らず、コスメやファッションにめちゃめちゃお金をかけてる人もいるじゃないですか。そういう人にも読んでもらいたいですね。

もぐもぐ コスメ、服、靴、カバン……とかね。

──しかも複数が重なっている人も多いですよね。コスメも服もって。

もぐもぐ そうですね。あとは美食家とか。

かん たしかに! ごはんやお酒もそうだね。

もぐもぐ オタクっていうよりも、お金を使うのが好きで、あんまり考えずに使っちゃうな〜って人が読むと「ああ、こういうことを意識したらいいんだ」とわかって安心できると思います。

──この本を読みながら、耳が痛いと言うか、目が痛いというか……ずっと目をそらしていたことしか書いていなかったので。ハァ……となりました。

もぐもぐ お金の話って「貯金はしないよりした方がいいもの」くらいの認識しかなくて、具体的に何をすればとか、貯金した先に何があるとか、誰も教えてくれなかったんですよね。だから、モチベーションも湧かない。わたしたちみたいに、自分は“できない側”だと決めつけている人、絶対にいると思うんですよね

──おふたりはこの本をつくったのをきっかけに、実際にやってみたことはありますか?

もぐもぐ わたしはiDeCo(イデコ/※1)とNISA(ニーサ/※2)どちらも始めました。知ってはいたんですけど、共著の篠田尚子先生にメリットを説明されてようやく重い腰を上げました。

(※1)任意で加入する私的年金の制度。
(※2)少額投資非課税制度。投資で得た利益が非課税となる。


──やってみてどうでしたか? 面倒くさかったですか?

もぐもぐ iDeCoは面倒なんですよね……出さないといけない書類、保管しておかないといけない書類が多くて。でも最初に手続きだけやっておけば勝手に口座から天引きされていくので。「知らないうちに増えてる! イエーイ!」みたいな(笑)。

かん わたしは本に書いてある「いざというときのための3段階の備え(預金、保険、年金)」を見直しました。貯金のほうは、家族の口座に毎月ガバっと入金しているのが意外と貯まっていました。保険には入っていなかったので、先生に言われた通り都民共済に入った。あとはiDeCo(年金)なんですけど、会社にどや顔で申請書類を出したら「かんさんは入れません」と言われたんですよ!

もぐもぐ ええ!?

かん 実は、入社したとき、会社で企業型の確定拠出年金に入ってたんです。まったく自覚なかったんですけど。個人型と併用できるものもあるそうですが、わたしの会社はできないみたいで。当時は何もわからず、適当に運用する金融商品を選んでいたので、そこだけ変更しました。

──そこは自分の意思で変えられるんですね!

かん そうなんです。本にもあるおすすめ銘柄を参考に選び直しました。会社で入ってる人は一度見直したほうがいいかも。

──でもなんだか……やっぱり面倒くさそうです……。

かん あ、でも「つみたてNISA」はめっちゃ簡単です! 証券口座の開設もスマホでできちゃうし。本当に面倒くさがりの人なら、NISAからやってみるのもいいと思います。

もぐもぐ うんうん、「こんなもんか」って思うよね。

──成功体験をまずはひとつ積みたいですね。

かん そうそう。

──ネットでできるのいいですね。人に会いたくない……。

かん 文字も書きたくない(笑)。

──ちょっと、やってみようかなと思えてきました……。

かん ぜひ、やってください~!

もぐもぐ 積立だから、早く始めた方が毎月の負担が少なくて済むので。

かん 40歳から始めて目標額を超えようと計画すると、毎月もっと払わないといけなくなるもんね。

──iDeCoやNISAを初めてから、お金を使うときも意識するようになりましたか?

かん 全部、口座から勝手に引き落とされるんですよね。貯金も別の口座に移しているから、残ったお金は全部使っていいっていうテンションは変わらないです。

──そうですよね。「iDeCo用にいくら取っておかなきゃ」とか思わないでいいんですもんね。生きてるだけで貯まっていく。

かん やばい(笑)。

もぐもぐ いい言葉ですね!

──わたし、本当に計画的にお金を使えないんです。でも、おふたりのお話を伺って、使うことを調整するというよりも貯めるという作業をプラスしていけばいいのかなとも思いました。

かん そうそう。しかも最初に気合入れて仕組みさえ作っておきさえすれば、毎月何かをする必要はないんですよ。

もぐもぐ わたしも最初は「月何万も積み立てるなんてできるのかな?」って不安だったんですけど、いざやってみるとATMに表示される残高はすでに天引きされた金額だから、特段「節約しなきゃ!」とはならなかったです。

かん わたし、そもそも手取り額を把握してないレベルだったし、引かれた金額を見ても、「今月残業少なかったのかな~」って思うくらい。意識低いので(笑)。わたしみたいな人は、一回仕組みを作ったら、仕組みを作ったこと自体忘れるんです。気づいたら貯まってる。

もぐもぐ タイムカプセルじゃん(笑)。

■「資産運用」はオタクジャンルのひとつ!?

──『一生楽しく浪費するためのお金の話』は、メインはiDeCoやNISAなど、資産運用の話ですが、わたしとしてはオタクたちの編み出した貯金術が紹介されている「突撃!隣の貯金術」のコーナーが大好きです。

なるべく昼食は自炊をしてます。もともと料理が好きなこともあり、私が包丁でビートを刻む程 、推し事がはかどるんだと思うと全然苦ではないです。
『一生楽しく浪費するためのお金の話』より引用
新しく服やオタクグッズを買う際に「墓まで持っていきたいか」を自問自答する。買う段階ですらそう強く思えないものは 、のちに手放すことがほとんどであると学んだ。
『一生楽しく浪費するためのお金の話』より引用
推しのためにつくっているというていで、毎日お弁当をつくることによってランチ代を節約しています。
『一生楽しく浪費するためのお金の話』より引用

かん 面白いですよね!

もぐもぐ 仲間がいた~! みたいな気持ちになりますよね。

──おふたりのお気に入りの貯金術や、ご自身でやられていることがあれば教えてください。

もぐもぐ わたしは座談会「インターネットで聞けない『お金』の話」に出てくる、「ご祝儀貯金」が好きです。歌舞伎役者さんが結婚したら3万円、お子さんが生まれたら1万円をご祝儀として貯金するというもの。

かん オタクならではで面白いよね。わたしは、自分が家にまとまったお金を振り込むとき、「好きなだけ使いなさい」みたいなセリフを心の中で言います(笑)。推しのパトロンという設定で。これをやるともっと額をあげたくなる。貢ぎ癖を活用。

──オタクたちはこういうことをエネルギーに変えられますよね。最後に、最低限の貯蓄はもちろん必要だと思うんですけど、浪費が人生にもたらす豊かさとは?

もぐもぐ 「幸せは金で買える」じゃないですけど、やっぱり楽しいものがあると自分の精神を安定させやすい。仕事やプライベートでつらいことがあっても、「まあ週末観劇するし」と思えると、気力が出ますよね

かん 嫌なことがあっても推しを見てると「あ~、どうでもいい~」ってなります。

もぐもぐ オタクやっていくためには健康じゃないといけないし、半年後のスケジュールのために生きていこうという気持ちになります。

かん あと! 篠田先生がわたしたち浪費女のことを褒めてくれたんです。わたしたちのような浪費女は、普段からお金を使い慣れてるから相場観があるって。だから貯める、増やすっていうときにも感覚を掴みやすい。

もぐもぐ 使うべきところが明確だから、お金が増えたときに変な使い方をしないともおっしゃっていました。

──なるほど……!

もぐもぐ そして、資産運用ってオタクジャンルっぽいんですよ。

──というのは?

もぐもぐ 資産運用とかをすでにやっている人たちにわからないことを聞くと、いろいろ教えてくれるんです。

かん 聞けば教えてくれるよね。

もぐもぐ 「こういうのもあるよ!」とか「これはこういうメリットがあって」とか。自分で学んで好きになったものだから、いいものは薦めたいし教えたいって思っている。それが、オタクの布教欲に近いというか。

──ひとつのジャンル、新たな沼ですね。

もぐもぐ 浪費本新規で資産運用沼(※)へ!

(※)「浪費本きっかけで資産運用の世界にハマる」の意。

■おわりに

インタビュー前に『一生楽しく浪費するためのお金の話』を読んだとき、とにかく耳が(目が)痛くて、iDeCoもNISAもやろうとは思っていませんでした。

けれど、おふたりの話を聞いて、ついにインタビュー後、NISAの口座を開設しました。快挙! インタビューにも出てきた通り、本当にスマホひとつで開設が完了してスーパー簡単!

筆者も例に漏れず、自分を「できない側の人間」と認識していました。でも、だからといって一歩踏み出さないのは損だなとつくづく感じました。

つまずきそうになったら本に戻り、仕組みを確認するもよし、同志(?)たちのエピソードを見て安心するのもよし。篠田先生含め浪費が大好きな方たちが作ったマネー本だからこそ、かゆいところに手が届くのです。

わたしもついに一歩を踏み出したので、コツコツためてこれからもいっぱい浪費しよっと! と思いながら韓国行きの航空券を検索するのでした。

Text/mao

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DRESS編集部

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