「独立したい」と思ったとき、知っておきたいお金の話【おんなのマネー道#4】
同棲、結婚、独立、出産……。仕事でもプライベートでも、女性の人生にはさまざまなライフイベントが待ち受けています。人生の節目にまず考えたいのは、お金のこと。「こんなとき、どんな制度が使えるの?」「老後に向けたお金の使い方もきちんと考えたい」という女性の皆さんに、フィナンシャルプランナーの荒木千秋さんがアドバイスします。
このまま会社勤めもいいけれど、もっと自由な働き方をしたい。
もっと自分にあった仕事があるんじゃないかと、考えている方もいるのではないでしょうか。
「働き方を変える」というと転職を真っ先に思い浮かべるかもしれませんが、フリーランスとして独立するという道もあります。
「独立したいな」と思ったとき、自分が活躍できる分野やワークライフバランスについて思いを巡らすのも大事ですが、お金のことを考えるのも同じくらい大切です。
■まずは6カ月分の生活費を貯金しよう
会社を辞める場合、先立つものはお金。
独立する前に、6カ月分の生活費を目安に貯金をしておくのが望ましいでしょう。
会社を辞めたら、自分で支払わなければいけないものがあるからです。
それは、お給料から天引きされていた住民税、社会保険料などです。
お財布事情に関係なく、必ず支払わなくてはいけません。
加えて、日々の生活費や新しい事業のための経費など、まとまったお金はなにかと必要になります。
目安は生活費の6カ月分ですが、自分が安心できる金額は人それぞれ。
日々の生活費と通帳の残高を見て、自分にとってどのくらいあれば安心かを把握しておきましょう。
■独立するには、社会保険の知識はマスト
社会保険……なんて言葉、人生の辞書にない! という方も、ちょっと聞いてください。
独立するには、社会保険の知識はマストなんです。
会社員時代、社会保険料はお給料からの天引き。独立すると、社会保険の手続きや支払いを自分でしなければなりません。これが結構、大きな金額。
「独立したばかりの頃、年金や保険料が思いのほか高額で焦った」という話をよく聞きます。
ギリギリで焦らないよう、会社を辞める前に、どれくらいの金額がかかるのかを調べてきちんと備えておきましょう。
ここからは、社会保険の制度である「年金」「健康保険」について解説します。
年金
毎年どれくらいの年金保険料を支払っているか、自信を持って答えられる人はほとんどいないのではないでしょうか。
会社員は毎月お給料から自動的に引かれますが、フリーランスは自分の責任で保険料を支払います。
保険料を支払わなければ、将来の年金額はもちろん、“今”あなたにもしものことがあったときに支払われる「障害年金」や「遺族年金」に影響が出ます。
また、会社員とフリーランスでは加入する年金の制度が異なるため、支払う金額も将来受け取れる年金額も異なります。
会社員の場合は一般的に「国民年金+厚生年金」の2階建てです。
支払う年金保険料はフリーランスと比較すると多いですが、会社が折半して年金保険料を支払ってくれています。
一方で、フリーランスの場合は、国民年金保険のみの加入が基本です。もし国民年金だけで不安なら、国民年金基金やiDeCo(個人型確定拠出年金)などに加入する必要があります。
国民年金保険料は毎月1万6340円(平成30年度)。
この全額を、毎月自分で負担することになります。
健康保険
年金と同様、「お給料からどれくらい引かれているのかわからない」という方もいますよね。
わからない方は、ぜひ給与明細を見てください。
「えっ! こんなに支払っているの⁉」とショックを受けるかもしれませんが、それと同じ金額を会社も支払ってくれています。
フリーランスになると、年金と同様、国民健康保険も自分で全額負担することになります。
健康保険料は前年度の年収に応じて決まります。
そのため、フリーランスになって収入が減ってしまった場合、保険料の負担は重くなります。
自分がどの程度の健康保険料を支払うべきか、 住んでいる自治体の役所に問い合わせて準備しておきましょう。
■はじめは扶養の範囲内で始めるのもあり
結婚していてパートナーが会社員なら、はじめは配偶者の扶養家族になれる範囲内での働き方も選択肢のひとつです。
その場合、 扶養の範囲内の収入であれば、年金や健康保険を自分で支払う必要はありません。
独立時に収入の目処が立っているのが一番ですが、「売上に苦労しそうだな」という場合は思い切って相談してみましょう。
扶養家族になる場合、配偶者の会社に届出が必要になるため、申請を忘れないようにしてくださいね。
「独立したらお金かかるよ~!!」と不安を煽りたいわけではありません。
お金が必要になる事実を知り、きちんと事前準備をすれば、お金に振り回されずに人生を選択していくことができます。
理想の働き方に近づくためにも、基本的なお金の知識を覚えておいてくださいね。