1. DRESS [ドレス]トップ
  2. 恋愛/結婚/離婚
  3. 彼に愛されるためにがんばる、はやめた。手放したら楽になれる3つのこと

彼に愛されるためにがんばる、はやめた。手放したら楽になれる3つのこと

「◯◯の前ではこんな自分でいたい」。そんな風に、自分自身の理想とするあり方を未来から逆算して創造すると、人生がよりカラフルで愛おしいものになるはずです――。人生を舞台に自分という人間を演じる方法を提案する短期連載【日々、女優】。

彼に愛されるためにがんばる、はやめた。手放したら楽になれる3つのこと

他人は変えられない。コントロールもできない。他人に「◯◯になってほしい」と願ったり、期待したりしても、思いは叶わずストレスが溜まるだけ。

それなら、自分が能動的に動けばいいのです。「他人と対するときの自分はどうありたいか」を逆算し、脚本から演出、演者まで自分でやればいい。

例えば、パートナー、友達、仕事の人間関係、子ども、親など、それぞれの関係性において「ありたい自分像」を決めて、一つひとつ演じるうちに、人生がより鮮やかで、愛おしいものになっていくはずです。

■パートナーとは恋がしたい? それとも愛へ進みたい?

今回はパートナーに対してありたい自分を考えます。このとき最初に頭に入れて置きたいのは、恋と愛の違いです。

恋とは、相手を求めること、相手を自分のものにしたいという欲望。
愛とは、相手を肯定すること。尊敬、信頼、思いやり。


恋より愛が優っているとかどっちが上とか下という話ではありません。個人的な意見としては、激しく燃え上がる恋の激情に浸るのも、人生の中で貴重な経験だと思います。

しかし、性質の異なるふたつのものを、「恋愛」というひとつの言葉で似たもの同士のように捉えていると、パートナーとの関係性を主体的にクリエイトしていくことはできないということです。

大事なのは、今の恋人/パートナーとは、恋をしたいのか、愛の実践に踏み出したいのかを決めることです。そこから脚本や演出、自分の出方が決まります。

■恋と愛の違いを知って

恋は一瞬の快楽と執着の苦しみの狭間で生きること。快楽とは、ジグソーパズルの最後の1ピースが「はまった」ときのような、自分の内側にある言葉になっていないけど欠けているものがぴったり埋まるような、彼と付き合うことで完璧な自分になれるような気がする、そんな安心感と高揚感。

苦しみとは、その1ピースを失って不完全な自分に戻りたくないから、相手が離れていかないことを保証してくれる何かを探し求めるけど、絶対の保証がないつらさといつか失うのではないかという恐れと不安に心が支配されていき、ひとりだったときよりもっと「さみしさ」が募っていく感覚。

これを「生きている実感」があって楽しいと思うか、ここから卒業したいと思うかは人それぞれだと思いますが、私にとって恋と愛の区別がついてないときの恋は苦しく、恋をすればするほど自分がダメになっていく気がしました。

恋が苦しいのは当たり前ですよね。相手は絶対に自分のものにはならないのに、それを求め続けるのが恋ですから。そして、結婚すれば自動的に「恋」が「愛」に変わるわけではありません。

■「愛することができる女」を目指している

私がパートナーとの関係において常に意識して目指しているのは、身だしなみを整え、美しい言葉を話し、女らしさ、優しさ、笑顔を絶やさない影の努力をして愛される女になるだけではなく、「愛することができる女になる」ということです。

「演じる」というと、多くは愛されるためにすることと考えがちです。でも、男性から「愛されよう」と期待して演じている限り、結果的に大切にされなかったり、軽く扱われたりします(理由は後ほど述べます)。

私は、愛されるために演技するのではなく、自分のことも相手のことも愛せる女になるような自分を演じる姿勢が大事だと思っています。

愛せるとは、自分も相手もそのままの姿で認めることができるということ。自分ができているからその方法をおすそ分けするわけではなく、私自身がまだできてないからできるようになるために「日々意識して実践していること」を3つご紹介します。

1.「がんばっただけ愛されるはず」と信じる気持ちを手放す

女性は恋をしたときや失恋したとき、復縁をしたいときなどに、もっといい女になりたいという願望が内側から沸々と湧いてきて、外見や身だしなみや内面の「自分磨き」に熱が入ります。

好きな男性に可愛いと思われたい、魅力的な女性に見られたいという健気なものから、今より綺麗になって自分を愛さない相手を後悔させてやりたいという復讐の意味がこもっているものまで、自分磨きの目的はさまざまです。

私も自分磨きをしてがんばることが大好きな女でした。がんばる理由は、もっと愛されたいから。もっといい女になれば、その見返りとしてその分もっと愛されると信じていたから。

でも、愛されたいとがんばるほど、ややこしい女になって、彼からすると「めんどくさい女」になっていきました。めんどくさい女というのは、自分のことがすごく好きと同時に自分がすごく嫌いという状態。

愛されたいということは、「今のままでいいんだよ」と肯定して受け入れてもらうこと。本当の自分は今のままで受け入れられることを望んでいるのに、今の自分で満足できてないと、今の君が好きと態度で示してくれている相手に「そうじゃなくて、もっとこうしてほしいとかないの?」とか言ったりして。これでは愛されたいのか愛されたくないのかどっちなのかわからない「ややこしい女」のできあがりです。

がんばった先にある「未来の自分」に自分が憧れている限り、彼は今のあなたを愛してくれるようにはなりません。なぜなら、あなたが今の自分を受け入れられていないから、今の自分を認めてくれる男性のことは好きになれず、自分を愛してくれない男性ばかりを追い求めるからです。そして、愛されるために自分磨きをがんばればがんばるほど相手を見る余裕がなくなっていきます。

人間はもともと、自分自身をもっと成長させたいという自分への欲望があります。向上心という自分への欲望は生きがいにつながります。でも、相手からの愛を期待してがんばるのは、「愛することができる女」からどんどん遠ざかる態度です。「がんばっただけ愛される」は幻想なのです。

2.彼のことを「私がなんとかしてあげたい」と尽くしたり、我慢したりする気持ちを手放す

ちょっと影のある人に惹かれたり、ダメ男ほど自分がなんとかしてあげなくてはと母性がうずいたり。自分の愛の力で相手を変えることができると、私もつい最近まで信じていました。

でも、相手を変えられると思うということは、今相手にダメな部分があると言っているのと同じ。「私がなんとかしてあげたい」と必要以上に手を差し伸べ、尽くせば尽くすほど、相手は苦しくなっていきます。なぜなら、今の自分を受け入れてもらえてない感を強めることになるからです。

また、本当は言いたいことがあっても本心を言えなかったり、肉体的・精神的に傷つけられても許してしまったり、苦しいのに我慢し続けることが「彼を愛することだ」と思うのも勘違いです。

言いたいことを言えないのは、彼を失って自分が傷つきたくないからだし、愛だと思って彼のためにやっていることも、彼が自分を見捨てないための保険をかけ続けるようなもので、これも自分のためにしていること。

尽くしたり我慢したり、彼のためと思っていることは、すべて自分のためだったということに。これも「愛することができる女」からどんどん遠ざかる態度です。「私の愛で彼が変わる」のは幻想なのです。

3.「彼を強く愛している!」と思う気持ちを手放す

愛とか恋とか真剣に考え過ぎると、自分の存在意義が相手を愛することになってしまって、「私にはあの人が必要」「あの人を強く愛している」と思う気持ちがどんどん強まっていきます。

そして、思いが溢れて「愛してる」と伝えるのですが、それは同時に相手からも同じように「愛してる」と返してもらうことを期待しているのです。愛していると強く思えば思うほど、執着にすり替わっていき、相手も同じように自分を求めてくれるのを相手に強制するようになります。

でも、愛とは相手を肯定すること。そのままの存在で尊敬し信頼し、その気持ちを思いやりのある態度で誠心誠意表現すること。だから、愛していると強く思ったり、相手から「愛してる」という言葉を聞き出そうとしたりする必要もないのです。

愛しているという言葉に一喜一憂することも、「愛することができる女」からどんどん遠ざかる態度です。欧米映画の「I love you」と言われたら正真正銘の恋人同士というのは幻想です。

■手放したら、自然体になれた

もっと愛されるためにがんばったり、彼を素敵に変えたいと思って尽くしたり我慢したり、彼を愛していると強く思うことで、相手にも同じことを強制しようとする気持ちを意識して手放そう。

手放せている心の状態の「ありたい自分像」を演じようとしていった結果、もちろん今でも悩んだり、悲しくなったりすることはありますが、そんな沈んだ気分が続くのも長くて一晩になり、翌朝には自分で自分を救済する道を見つけられるようになりました。

なぜなら、この3つを手放すようになると、自分には最低限何が必要なのかがわかるようになったから。闇雲にがんばったり、相手に変わることを求めたりすることがなくなり、いつもご機嫌でいられるから、相手もリラックスできて、お互い自然体でいられるようになりました。

愛とは相手をありのままで認めて肯定することだから、自然体でいられる今の関係性は自分も相手も「愛することができる女になる」という状態に近づいているのかもしれません。

『日々、女優』のバックナンバー

#1彼に愛されるためにがんばる、はやめた。手放したら楽になれる3つのこと

#2“いつも同じ印象を与える人”が『一緒に仕事したい』と思われる理由

#3女友達は難しい? “キャラ立ち”すれば、長い目で付き合える

#4自分ファーストな母でいる。“私”を犠牲にしない『逆算的子育て』の話

#5親の期待に沿わなくてもいい。元気に幸せに生きる姿を見せられるなら

植村 絵里

1980年東京生まれ、聖心女子大学卒。クイックエステBeautiQ(ビュティック)創業者。 自己実現と出産育児を自由に選択でき、内面も外見も美しい女性があふれる社会作りをモットーに、28歳で起業し、日本初の女子大生ベビーシ...

関連するキーワード

関連記事

Latest Article