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【展覧会】書道家 海老原露巌「臨書展 千字文で辿る書法の世界」

墨アーティストで書道家の海老原露巌(えびはらろげん)先生が主宰する書の会「書巌の會」において、1月18日(金)~20日(日)、先生・門下生が1000文字を書き上げる展覧会を開催します。

【展覧会】書道家 海老原露巌「臨書展 千字文で辿る書法の世界」

以前の連載でご紹介した「千字文」。1000字を重複なしに四言古詩250句にしたもので、さまざまな能書家が書いています。

このたび海老原露巌先生が主宰される書の会「書巌の會」において、先生・門下生が1000文字を書き上げる展覧会を開催します。

テーマ:「臨書展 千字文で辿(たど)る書法の世界」
日時:1月18日(金)~20日(日)11時~19時(最終日は16時終了)
会場:東京芸術劇場(池袋)5階ギャラリー2

篆書(テンショ)・隷書(レイショ)・楷書・草書・行書を書の五体といいます。今回の展覧会では、中国の古典を臨書(=古典を手本として書くこと)し、5つ全ての書体で1000文字を制覇しました。

■篆書(テンショ)体

五体のなかで最も古い書体で、中国の秦王朝(紀元前778年~)以前に整理されました。お札に押印されている印鑑。表面に「総裁之印」、裏面に「発券局長」、この文字が篆書体です。数千年の時間を超えて今も身近に使われています。

■隷書(レイショ)体

篆書体を元に簡略化された書体です。こちらもお札で見ることができます。「日本銀行券 〇円 日本銀行」と書かれている文字が隷書体です。

■行書体、楷書体

行書体は隷書体を早く書くために作られた文字です。行書体の最高傑作として、4世紀に活躍し書聖と位置づけられている王羲之の「蘭亭序」をご紹介しました。

そして現在、もっとも馴染み深いのが楷書体です。その最高傑作のひとつは、王羲之から約300年後、唐時代の政治家であり書家であった褚 遂良(ちょ すいりょう)が残した「雁塔聖教序(がんとうしょうぎょうじょ)」です。

彼が最晩年57歳のときに皇帝の命を受け、全身全霊で書き上げたものであり、今も中国西安の大慈恩寺内に現存し、1300年以上を経てなお実物を見ることができます。

■草書体

草書体も行書体と同じく早く書くために作られた文字ですが、字画の省略が大きく、また独特の省略をするため、書を学ぶ場合、文字ごとの形を覚える必要があります。

また、書家によって省略のしかたが異なる場合もあり、同じ文字でも複数の形が存在します。以前、ご紹介した空海の「能断金剛般若経」は草書体で書かれています。

展覧会では1000文字、250句、5書体を一挙に展示します。百聞は一見に如かず。会場にお越しになり書法の世界を体感してはいかがでしょうか。

海老原 露巌さん

海老原 露巌のプロフィール

https://p-dress.jp/users/3595

海老原 露巌(えびはら ろげん)書道家、墨アーティスト、文化庁文化交流使。1961年栃木県下野市生まれ。4歳より書を学ぶ。作品は在フランス日本大使館、在日本イタリア大使館、中国狭西省歴史博物館、カナダケベック州立文明美術館などに収蔵され、近年はパリ日動画廊、新宿伊勢丹にて展覧会を開催する。

画像/Shutterstock

DRESS編集部

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