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産む・産まないで揺れていた30代の私へ【アラフォーで産む#11】

30代のほぼすべての間、産む・産まないをずっと迷っていた。40歳での思いがけない妊娠を経て、先日、無事女の子を出産しました。妊娠・出産を経て気が付いたのは、長らく出産を迷っていた理由の「子どもを産むと思ったように働けないし、自分の時間もとれない」は、自分にかけた呪いだったということでした。

産む・産まないで揺れていた30代の私へ【アラフォーで産む#11】

■40歳で出産。産後2週間で感じたこと。

先日、無事に3438グラムの女の子を出産した。無痛分娩のおかげでまったく痛みがなく、産後数日こそ会陰切開の傷が痛んだりのマイナートラブルがあったものの、産後1週間で外出。産後2週間目の今は自転車にも乗れるし、家事もできる。

彼や家族、友人の協力、区の補助で利用しているベビーシッターサービスのおかげで、育児に追われてるとはいえ、マッサージや美容院といった自分のケアもできている。

そして何より、自分の子は本当にかわいい。たった2週間の間でも目がぱっちりと開いたり手足が少し使えるようになったり、日々成長するのを実感する。この子の人生に深く関与できることを、とても幸せに思う。

産んでよかった。そして無事に産まれてきてくれた子に、感謝の気持ちでいっぱいだ。

■「産む」「産まない」で悩み続けた私の30代

深夜に子どもの世話をしながらたびたび思い出すのは、自分の30代。24歳の時に結婚したものの、子どもを作ることにはずっと後ろ向きだった。出産後の働き方(当時の私は出産したら時短勤務以外できないと思っていた)が制約されるのが嫌だった。

また、夫婦ふたりの時間や旅行や飲み会、そんな時間を犠牲にして子どもを育てるなんて……。自分にできるだろうかと不安があった。

それにも関わらず、前夫と離婚後、生殖能力の衰えが顕著になる年が近づくにつれ、本当に産まなくていいのか? という気持ちがむくむくと芽生えた。そして9歳年下の彼と付き合うようになって、よりいっそう「出産」のことがちらついた。

ただ「今は子どもは欲しくない」という彼の心境は、かつて「今は産みたくない」と頑なに避妊をしていた自分そのもので、そこを無理強いすることはできなかった。

彼と付き合っていくということは「産まない」という決断をすること。しばらく自分の中の葛藤があった後、私は子どもを持たない人生を歩もうと決めた。

■「子どもを産む」ということに対する誤解

そんな中、思いがけず妊娠。

そして妊娠後。
「アラフォーで産む」の連載でも書き続けてきたが、いろいろ調べていくうちに、子どもを産んだとしても自分の時間は工夫次第でとれるものだし、仕事も「時短」以外の働き方ができることを知った。

よくよく考えると、身の回りの友人にも

・テレビ局関係の仕事でチーフをしながら子育てしている人
・1歳の子どもがいながらも海外出張をこなす人

他にも子どもを産んで、育てながら自分らしく働いている人はたくさんいる。「子どもを産むと思ったように働けないし、自分の時間もとれない」と思ってきたけれど、それはただの思いこみだった。

それに「小さいうちから子どもを預けて働くなんて、子どもが小さいのに母親が出歩くなんて」と考える人はだいぶ減ってきた。

私が出産のため入院していた病室で同室だった方は、産後3週間目には、「めっちゃ行きたいライブが当選したから、誰かに子ども預かってもらおう」という話を、夫婦でしていた。今の時代、やり方次第で自分の時間もとれるし、思ったように働ける。やるかやらないか、それだけだったのだ。

■私たちは「キャリア」も「子ども」も手に入れられる時代

肉親や友人が「かわいい」と子どもの誕生を自分のことのように喜んでくれるのをみていると、胸が熱くなる。街で小さな子どもを見かけると、いつか私の子どももこんな風に成長するのだなと思い顔がほころぶ。

30代だった時の私に今の私が伝えたいこと。あの時私が恐れていたのは「キャリア、プライベートと出産育児の両立」。それは今の時代なら環境も整っているし、周囲の理解も進んでいる。なにより子を産み育てるっていいものだった。

それが今までの生活とトレードオフではなく、アドオンで手に入るのだ。迷うくらいなら、ぜひチャレンジしてみてほしい。産む・産まないで揺れていた30代の私へ、今ならそう伝えたい。

※この記事は2018年5月30日に公開されたものです

makicoo

1977年生まれ、宮城県仙台市出身、早稲田大学卒。大学在学中から大手女性誌やムック本などで占い、美容、投資、セックスなど多岐にわたるジャンルの記事を執筆。結婚、離婚を経て、妊娠出産を契機に40歳で再婚。現在は外資系企業でカス...

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