女を磨く離婚道 #4 本当に望むなら「幸せな離婚」は実現できる
https://p-dress.jp/articles/1620近藤令子さんが「憎しみを残さない離婚」をしようと決めたのは、現代が「SNS時代」だからこそ。離婚前後で変わらず、元夫との共通の友達がWebとリアルで重なり続ける現実。離婚届はサッと出せたとしても、Web上に築いた出来事や人脈を完全に断ち切って、新たな人生を送ることはできません。近藤さん流・幸せな離婚術とはーー。
“バツ2”と聞いて、どんな印象を受けますか? 2度も結婚を失敗した人? それともひとりの男性を愛し続けられない人? 2度の離婚を経験した私が、さまざまな葛藤を経て辿り着いた離婚後の人生を綴ります。
「私、実はバツ2やねん」
「ええーっ! ほんまに?」
大阪で暮らしていた20代に結婚し、3年後に離婚。30代で2度目の結婚をして、13年の結婚生活を経て再び離婚しました。世間一般でいうところの“バツ2”です。
今は京都でシングルマザーとして小4の息子と暮らしていて、新たに知り合った友人や仕事仲間には、自己紹介をかねてシングルマザーであることを伝え、さらに離婚経験が1回ではなく2回であることも躊躇なく告白しています。
なぜ、あえてバツ2であることを隠さずに話しているのか。私なりの考えがあるからです。
最初の離婚を決めたとき、母は「周りの人に何と言ったらいいかわからない」と言って、涙まじりに私を見つめました。親戚を見渡しても離婚した人は誰もいません。娘の離婚は親にとって、“恥”そのものでした。
もちろん私も大手を振って親の反対を押し切ったわけではありません。
自分の「離婚したい」という気持ちに迷いを感じていたあるとき、人生の先輩である女性が、「大事なのはあなたが幸せになること。最終的にあなたが幸福になれば、親は絶対に納得してくれるはず」と言ってくれたことは、大きなきっかけになりました。
「そうだ。私を幸せにできるのは私しかいない」と、自分を奮い立たせ、次のステップを踏み出しました。
その後、新たな出逢いに恵まれて再婚。夫の起業をサポートし、ゼロから会社を育て、事業拡大を目指すなかでシリコンバレーでの暮らしも経験し、その間に息子を授かりました。
13年で結婚生活は幕を閉じましたが、今も息子を共同で育てるため、別れた夫とはこまめに連絡を取り合っています。多くの人との縁に恵まれ、知らなかった世界を見ることができた2度目の結婚生活でした。
シングルになって4年。今の自分は幸せであり、2度の離婚経験が人生を豊かにしてくれた、と確信しています。だからこそ「バツ2やねん」と胸を張って人に言えるのです。
ところで、私からバツ2であることを告白された友人や仕事仲間はどんな反応をするかというと、ほぼすべての人が冒頭のように驚き、その後はちょっと珍しい人生体験を面白がって聞いてくれます。
シングル生活を謳歌している様子を見て、自分自身の結婚を見つめ直そうとする友人もいます。実際、離婚に向けて動き出した人も複数います。一方で、私の考え方や生き方に対して、「自分とは違う」と言う人もいます。
「いろいろ思うところはあるけど、結婚は1度で十分。今のままでいい」と、かみしめるようにつぶやいた友人の表情に、結婚というものの深さと重さを感じたこともあります。
すべての人に離婚を推奨しているわけではありません。経済的な問題や子どもの生活など、乗り越えなくてはならない課題がたくさんあるし、ひとりで生きることは思った以上にタフさが必要だからです。
ただ、バツ2であることをさらけ出すことで、離婚に対するネガティブな印象を少しでも取り除きたい、シングルになるのもまんざらではないよ、というメッセージを多くの人に伝えたいと考えています。
もちろん過去の自分の人生をすべて肯定しているわけではありません。離婚に至るには、それなりの辛い出来事やハードな時期もありました。別れたパートナーに対して、反省や後悔の気持ちに襲われることもあります。
それを差し引いてもやはり決断して良かった、と思えるのは、親や世間の目よりも自分の感じる違和感から目をそらさずに行動したことで、人生の後半を晴れやかに過ごせているからです。
独身か、既婚か、バツの数がいくつか、子どもがいるかどうかは、世間のものさしで計るべきではありません。大事なのは、自分の人生を生きているかどうか。
結局は、自分や大切な人たちと向き合うことが何よりも大事。歩み出すのか、踏みとどまるのか、自分自身で決断すること。
苦い経験や辛い思い出を乗り越えたその先には、笑顔で人生を受けとめられる自分の存在に気づくはずです。
女を磨く離婚道 #4 本当に望むなら「幸せな離婚」は実現できる
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