後輩との関係がうまくいく伝え方。「きょうだい別」傾向と対策〜長子・末子編
会社でマネジメントを任されるようになる人もいるDRESS世代。部下や後輩との意思疎通に悩むことはありませんか? ここでは、部下や後輩とのコミュニケーションで使えるテクニックを作家・心理カウンセラーの五百田達成(いおた たつなり)さんに教えていただきます。
人付き合いやコミュニケーションに関する著書が多く、ベストセラー『察しない男 説明しない女』シリーズなどで知られる、作家・心理カウンセラーの五百田達成(いおた たつなり)さんに、「仕事がもっとうまくいくようになる」伝え方を伝授いただく3本の短期連載。
2回目は「“きょうだい型メソッド”を活かした、部下や後輩とのコミュニケーション」をテーマに教えていただきました。ここでは長子と末子のケースを詳しく見ていきます。
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部署の後輩と上手にコミュニケーションがとれていますか? 何度プロジェクトを一緒に進めても意思の疎通がはかれず、イライラしたりがっかりしたりしたことがあるかもしれません。良かれと思って提案したアドバイスがまったく刺さらず、虚しくなった経験がある人もいるでしょう。
私はよく“コミュニケーションは真心ではなくテクニック”という話をします。ビジネス上の人付き合いにおいて、傷ついたり疲弊したりしないためには、割り切りが大切だと思うからです。そのテクニックを最大限活用するために知っておくと便利なのが「きょうだい型メソッド」です。
きょうだい型メソッドでは、“人の性格はきょうだい構成に支配されている”という考え方をベースに、人の性格を以下の4パターンに分けて分析します。
・長子(きょうだいの一番上)
・末子(きょうだいの一番下)
・中間子(3人以上のきょうだいの長子と末子以外)
・一人っ子(きょうだいがいない)
幼少期の親・きょうだいとの関係は、小さい頃の家庭の話にとどまらず、大人になってからの職場環境においても発揮されます。この4タイプの性格を知っておくことで、職場でのコミュニケーションを円滑にすることができるのです。
今回は長子の部下・後輩、末子の部下・後輩2パターンの性格と、シチュエーションごとの上手なコミュニケーションのとり方をご紹介します。
長子の後輩
基本性格
幼い頃から弟妹の面倒を見てきたため、責任感が強く面倒見がいいのが特徴です。また、親に一番愛されているのは自分だという自己肯定感が強く、何でも自分で解決しようとするので、人に任せることが苦手です。
コミュニケーションのとり方
ベースとなる付き合い方は“責任感をくすぐる”こと。具体的にはいつも頼りにしているということを何度でも伝えましょう。指示を出すときは、打ち合わせ・メール・電話など、あらゆる手段を使って気にかけていることをアピールします。嫌いなのは、見返りをちらつかされること。「おごってあげるから」と言ったセリフはやる気を削いでしまうので気をつけましょう。
【シーン別】うまくいくフレーズ
褒めるとき 「ありがとう」
叱るとき 「しっかりしなさい」
頼むとき 「頼りにしてる」
慰めるとき 「がんばれ」
誘うとき 「みんな待ってるよ」
末子の後輩
基本性格
一番小さな子どもとしてとして可愛がられたため、大人になっても甘え上手で他力本願です。兄や姉という前例を見ながら育ったので、要領が良くてしたたか。享楽的でノリが良く、周囲を笑顔にしたりみんなで盛り上がったりすることが大好きです。面倒を避けたがる一面も。
コミュニケーションのとり方
とにかく“巻き込んで動かす”ことです。損得勘定で動くタイプなので「これをやると楽しいことがあるよ」とポジティブなことを前面に出すようにすると、気持ち良く仕事を引き受けてくれるでしょう。子分肌な一面もあるので、一度信頼を得ると慕ってくれるはずです。一方で「頼りにしている」と重圧をかけられると逃げたくなるので要注意。
【シーン別】うまくいくフレーズ
褒めるとき 「すごい!」
叱るとき 「次から気をつけて」
頼むとき 「これが終わればいいことがあるよ」
慰めるとき 「大丈夫」
誘うとき 「面白いことがあるよ」
どうだったでしょうか。きょうだい型がすべてだと思う必要はありませんが、わかりあえない後輩とうまく付き合うテクニックとして知っておくと「ここぞ」という場面で役に立つかもしれませんよ。
五百田達成さんプロフィール
構成/波多野友子
『DRESS』2月特集は「生きてくための伝え方」。伝え方が心地よい人にはまた会いたくなるし、仲良くなりたくなるもの。学校では教わらなかった、表情や声のトーン、出し方などの話し方、人との接し方など、相手に対し効果的にものを伝えるヒントをご紹介します。伝え上手になって、人とのコミュニケーションをより良いものにしていこう!
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