商談・プレゼンに欠かせない「演技力」を磨く9つの方法
商談やプレゼンの場は、たとえ苦手意識があったとしても社会人なら避けては通れません。でも、技術さえ身につければ、誰でも人を動かせるようになります。ここぞというときの大事な場で使えるテクニックを作家・心理カウンセラーの五百田達成(いおた たつなり)さんに教えていただきます。
目次
人付き合いやコミュニケーションに関する著書が多く、ベストセラー『察しない男 説明しない女』シリーズなどで知られる、作家・心理カウンセラーの五百田達成(いおた たつなり)さんに、「仕事がもっとうまくいくようになる」伝え方を伝授いただく3本の短期連載。
初回は「商談やプレゼンの場で、いい結果を残せる伝え方」をテーマに教えていただきました。
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商談やプレゼンが苦手だという声をよく耳にします。「人とのコミュニケーションが苦手な性格」「真心をもって伝えようと努力しているのに相手が動いてくれない」「そもそも才能がない」など、苦手な理由は人それぞれにあるようです。
ただどうやら多くの人が、エモーショナルな部分で相手と向き合うことが大切だと考えているように感じます。冷たいようですが、私はビジネスの場面に真心はいらないと考えています。コミュニケーションの才能もいりません。人を動かすのに必要なのは真心ではなく“演技力”。コミュニケーションに必要なのは才能ではなく“技術”です。
つまりいくつかのテクニックを身につければ、誰にでも良いパフォーマンスを出すことができるのです。今回は商談やプレゼンが苦手な人のために、すぐに実践できる話し方、伝え方のテクニックをご紹介したいと思います。
準備編
会話を録音して自分の話し方を意識する
私は人前に出るとき、できるだけリアクションを大きくするように心がけています。それでも録音した会話を聞いてみると、案外相手の言葉をスルーしていたり、妙なところであいづちを打ったりしていることがわかります。コミュニケーションの準備運動として自分の会話を録音し、話し方の癖を知っておくといいでしょう。
初対面の友達をできるだけたくさんつくる
そもそもコミュニケーション下手な人が、プレゼンや商談で勝ちにいこうとするのはちょっと一足飛び過ぎすぎる感じがします。まずは初対面の相手と打ち解けるところから始めてみてください。場数は多いに越したことはありません。どんどん新しい友達をつくっていきましょう。
一言一句丸暗記する
極端な方法ですが、経験が浅い場合はこれもひとつの手段です。台本に書いたプレゼンの内容を一言一句間違えないレベルまでリハーサルする。これで本番頭が真っ白になることなく、淡々と演じきることができます。ただこれはアドリブやツッコミには弱いので、あくまで訓練のひとつだと考えてください。
実践編
表情やジェスチャーは大きめに
商談のときはできるだけオーバーリアクションを心がけると、相手とのコミュニケーションが円滑になります。大きく目を見張ったり、「うん」というあいづちをより深く「うーん」と誇張したり。たとえ70パーセントしか興味のない話でも、100パーセントまで引き上げるつもりで過剰に反応することが大切です。
ショートコントのつもりで話す
商談の始まる直前に、心の中で「ショートコント、商談」とつぶやいてみてください。不思議と演技モードに切り替わる自分を感じられるはず。そこから先は、参加者全員で演じるコントの始まりです。そう思い込むことができれば、お芝居のようにセリフも自然と出てくるでしょうし、力むことなく商談にのぞむことができると思います。
100パーセントを目指さない
本番に強いからと自分に言い聞かせ、100パーセントのプレゼンを目指そうとすると、私の経験上撃沈する場合が多いです。結果、プレゼンに対する苦手意識がますます募っていく。反面、最初から60パーセントを目指せば、通常通りできて60パーセント、予想外に80パーセントくらいの力が出たりするものです。
本番に強いからと自分に言い聞かせ、100パーセントのプレゼンを目指そうとすると、私の経験上撃沈する場合が多いです。結果、プレゼンに対する苦手意識がますます募っていく。反面、最初から60パーセントを目指せば、通常通りできて60パーセント、予想外に80パーセントくらいの力が出たりするものです。
ひとりの相手に向けて話す
プレゼンの場で、大人数を相手に話すのは誰だって緊張します。そこでおすすめなのが、ターゲットをひとり見つけることです。できれば自分の話に大きくリアクションしてくれる人がいいでしょう。その人が興味深く話を聞いているのがわかれば、自然と緊張がほぐれます。そうすると、次第に自分の話し方にまで意識が向き、より良いパフォーマンスが発揮できるでしょう。
プライベートな小ネタで共感を得る
私は講演の際、説得を終えたら共感に切り替えるというテクをよく使います。例えば商談で、ひと通り商品の魅力やマーケティングプランを説明した後、「ところで昨日、息子が幼稚園から帰ってきて……」など、まったく違うプライベートな話を始めるといいでしょう。すると会話に緩急がついて注意を引くことができるし、何より相手の共感を得ることができ、コミュニケーションがぐっと円滑になります。
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