人望が厚い人の共通点は「ねぎらい上手」
人望が厚い人は、尊敬する上司や相談したくなる先輩など、「あの人のためなら」「あの人がそう言うなら」と自然と言われるタイプの人に多いですよね。そして、人望が厚い人の多くは、「ねぎらい」が上手です。今回はコミュニケーションにおける「ねぎらい」について考えてみましょう。
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人望が厚い人は「あの人の頼みなら動こうかな」と思われる
年末も近づき、仕事も一段と慌ただしさを増して、カレンダーに付けた締切のマークが気になる方も多いこの季節。通常業務でも忙しいところに、急な割り込み仕事が入ってくることも珍しくありません。
とはいえ、こちらも毎日の業務で手一杯、割り込み業務をやるにしても、簡単にハイハイと受けられるほどの余裕はないのが本音のところ。
そんなとき、人望が厚いあの人からの頼みだと、こちらもなんとかしようと自然に思えるもの。忙しい合間を縫って、あるいは関係各署と調整をつけて、その人の頼みに応えようとしたくなります。
「あの人のためなら」「あの人がそう言うなら」、こちらも嫌な気持ちになることなく、むしろあの人のためにがんばりたいと思えるような、人望の厚い人。できることなら、自分もそうなりたいですよね。
いそがしいけど、あの人の頼みならがんばるか。
人望が厚い人は「ねぎらい」が習慣
人望が厚い人は、日常の小さなコミュニケーションから細やかな気配りをしていますが、なかでも、「ねぎらい」については、とても繊細に気を遣っています。
自分がしてもらったことを、相手に感謝する。その感謝も、ただの「ありがとう」ではなく、その人がどれだけの思いや労力をかけてやってくれたか、それをきちんと汲み取って、そのうえで心を込めて感謝を伝えてくれるのです。
誰だって、「あの人のために」と思ってがんばったことを、きちんとそのがんばりを汲み取ってもらえて感謝されたら、嬉しくなりますよね。時には報酬以上の喜びを感じることだってあるはずです。
コミュニケーションのごちそうは、「ねぎらい」です。
相手が、自分に、心からのねぎらいの言葉をかけてくれたと感じられたとき、その相手には大きな信頼も好意的な感情も自然に生まれるのです。
ねぎらいから生まれる信頼と温もり
人望が厚い人、かつリーダー的な立場で、仕事の指示出しも上手い人は、その指示の裏側でも実に多くのことに配慮しています。
頼む相手の業務の状況に物理的な忙しさ、本人の健康状態やメンタル、家族のこと、趣味や交友関係、さらには自分が把握していることだけでなく、そこから推測した背景や指示したあとの展開までをも考えて、ひとつの指示を出しています。
もちろん、そこまで考えたことがすべて当たっているわけではありませんが、でも、大きく的を外すということもありません。
ひとりの人に何かを頼むとき、そこまで考えて「お願い」しているんですね。
しかも、人望が厚い人はこれを自然に当たり前のこととして、普段から人付き合いをしているのですから、こういう人から何かを頼まれたら、決して嫌な気持ちにはなりません。
そして、心からのねぎらいを持ったコミュニケーションをされたら、こちらも自然と相手をねぎらう気持ちも生まれ、信頼と温もりを感じられる人間関係が作られていきます。
オンライン時代の落とし穴
今は数多くのSNSやコミュニケーションツールが生まれ、仕事でもさまざまなオンラインツールを使ってコミュニケーションを取ることは当たり前です。絵文字やスタンプも、文字だけでの非同期通信に温もりを与えてくれる便利なツールです。
しかし、どんなに面白い絵文字やスタンプを使っても、そもそもの「ねぎらい」を感じてもらえていないコミュニケーションでは、その意味はありません。むしろ、一方的な空回りを強めるばかりとなります。
もうやだ。あの人からの仕事は二度とやりたくない。
実際に聞いた話ですが、知人がとある著名人の方と仕事をご一緒したときのことです。
その方は活躍の場が海外のため、仕事のやりとりはオンラインでのメッセージが中心となりましたが、最初は特に問題なく仕事も進んでいきました。
しかし、その間にお会いする機会も数回はあったそうですが、ひざを突き合わせてゆっくり話すこともなく、業務以外のメッセージももちろんないし、業務でのメッセージからも「ねぎらい」を感じることもできず、結果的に信頼関係を築けなかったということで、残念ながらその仕事は終了となったそうです。
オンラインだけでやりとりするのは当たり前の時代ですが、ひとたびミスコミュニケーションが生まれると、その穴埋めは非常に困難です。
人望が厚い人は、温かいコミュニケーションができる人
今回は仕事の話が例になりましたが、相手をねぎらうことは、仕事だけに限らず、人間関係のあらゆる場面で大切なことです。
家族の中でも、友達同士でも、先輩後輩でも、良い人間関係を築きたい、人望が厚い人になりたいなら、そこには相手を思いやる気持ちが必要です。
小さなことでも、それをしてくれるために相手がどれほどの気持ちと労力をかけたのか? 毎日当たり前のように過ごしているけど、その当たり前を過ごすために、どれだけの人が、どれだけのことをしてくれているのか?
感謝の気持ちで、心も温か。
まずは身近な相手を思いやり、うまく言えなくても、ねぎらうことから始めてみてはいかがでしょうか。
話し下手でも大丈夫。あなたにきちんとねぎらう気持ちがあれば、相手にはきっと伝わり、温かいコミュニケーション、人間関係が生まれるはずです。
2017年12月22日公開
2019年4月22日更新