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大人の友達付き合いで大切なのは”感情”よりも”タイミング”

友人はかけがえのないものだ。しかし、絶対にいなければならない、ということではない。友人との良好な関係を続けようとして、無理をしたり、愛想笑いを浮かべ続けることは本末転倒と言えないだろうか。

大人の友達付き合いで大切なのは”感情”よりも”タイミング”

「友達がいない」と夫はよく言う。たしかに、休日は家にいるし、誰かと飲みに行くという話も聞かない。友達だと思しき人物の名前もここ3年ほど聞いた覚えがない。

「友達がいないって言うけど、寂しくないの?」
「気楽だよ」
「負け惜しみではなく?」
「友達がいなければ誰にも気を遣わなくていい。それに自分の時間を好きなように使えていいじゃない」

とりあえず、妻である私に少しでいいから気を遣ってくれないものだろうか……という気持ちは置いておいて、気楽だという彼の意見もわからなくはない。

■べつに友達はいなくていい、という潔さ

友達がいれば、遊びに行くことができる。
憂さ晴らしに飲みに行くなら、ひとりよりふたりのほうが楽しい、だろう。恐らく。
でも、友達がいなかったとしても、行きたいところがあればひとりで行けばいい。我慢する必要はない。どちらを選択してもいい。自由なのだ。

ただ、昔からの刷り込みなのか、友達はいなければいけないもの、と思っているフシがある。

個人的な肌感なのだが、その傾向は女性のほうが強い気がする。男性(特に既婚者)は、休日は家で過ごす、特に遊ぶ友達はいなくても気にならない、というのをよく聞く。

友達はいたほうがいい。でも、いなくても構わない、という心持ちになると、少し楽になる。

■「あなたしかいない」と思ってしまう怖さ

恋愛と一緒で、大人になると友達になれないような人との出会いは減っていく。

そのため、以前からの友達は大切にしよう、となるのは当然のことだ。

しかし、これも恋愛と一緒で「この人しかいない!」となると、互いにとって重荷になる。この意識は危険だと思っている。周りが見えなくなってくるのだ。

この人に気に入られたいと必死になり、想いを返してもらえなかったら、これだけ私はあなたのことを大切に思っているのに、と腹立たしく思う。その人が自分以外の人と仲良くしていると独占欲が湧いてくる。好きな友達だったはずなのに、気がつけば憎しみに変わっていることもある。

子どものころ、「〇〇ちゃんとは仲良くしないで!」と言う女の子がいた。
そういう女の子たちも交えて花いちもんめをすると最悪だ。ひとりの子をひたすら取り合うことになる。大人になればそんな独占欲はなくなると思っていたのに、「友人の取り合い」という話は意外と後を絶たない。

■タイミングと気分が合う人と仲良くする軽やかさが必要

友達関係も両想いにならないとうまくいかない。

恋愛のように互いの気持ちを確認し合うわけではないので、片方は「大好き! 仲良し!」と思っていたとしても、もう片方は「仲良しだけど、ものすごく好きというわけではない」ということもあり得る。

しかし、大抵の場合は、「こんなに好き好き言ってくれるんだから、仲良くしておいたほうがいいのかな」となる。

これが意外とトラップで、そんなつもりはなかったのに相手にとってはいわゆる”ニコイチ”、”一蓮托生”のような状態になる。

恋人とは別れがやってくる場合はあるけれど、友達との別れとなると絶交など、最悪なケースになる可能性が高い。そうなるのはストレスにもなるし、あまり幸せでないように思える。

だから、本当に自分が好きな人とだけ仲良くすればいい。

相手にフラレてしまったら、仕方がない、また気の合う人を探せばいい。長年の友達だって、年を重ねれば好みや考え方が変わることは大いにあり得る。またタイミングと気が合えば、会おうね、というぐらいの軽やかさが友情にも必要なのではないだろうか。

ふくだ りょうこ

シナリオライター。1982生まれ、大阪府出身。大学卒業後、2006年よりライターとして活動を始める。現在は胃が虚弱な痩せ型男性と暮らしながらラブストーリーについて考える日々。焼き鳥とハイボールと小説、好きなアイドルのライブに...

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