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絵本の読み聞かせは、子どもと仲直りするチャンス【本棚百景#12】

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本棚の中身は、持ち主の脳内や心の中を映し出していることがあります。他人の本棚や読書スタイルというものは、意外に知らないものですが、読む本の変遷は時にその人の生き方さえも表しています。連載【本棚百景】最終回となる12回目は、東京在住キョウコさん(仮名)の本棚をご紹介します。

絵本の読み聞かせは、子どもと仲直りするチャンス【本棚百景#12】

思い思いのスタイルで過ごす読書の時間。本棚の中身は、そのときどきの持ち主の脳内や心の中を映し出していることさえあります。

だからこそ読書とは、もしかすると生きることそのものといえるのかもしれません。連載【本棚百景】12回目は、東京在住のキョウコさん(仮名)の本棚をご紹介します。

■本棚の持ち主 プロフィール

自宅にある仕事スペース。3階の屋根裏に設置した。

仕事スペースの横にある、家族の絵本棚。

キャラクターデザイナー
キョウコさん(仮名)
東京都在住・女性・37歳・既婚・祖母、両親、夫、子どもふたりと7人暮らし

子どもの頃、絵本が好きでよく読んでいた。今でも手元にあるくらい気に入ったものもある。

中学生になると、うってかわりひたすら漫画に夢中になった。読んで涙するくらい、『スラムダンク』にはまった。最近では11歳の息子が『スラムダンク』を気に入って、何度も読み返している。本当に血は争えないと、しみじみ思う。

高校生の頃は、本といえばまず雑誌。きれいな写真を眺めるのが好きな女子高生だった。その頃、憧れていた有名メイクブランドのメイク道具に目を奪われた。その色彩の美しさに心ひかれ、次は美容系の専門学校に進みたいと親に伝えた。

その申し出に対して、反対はされなかったものの、「まず美術に触れてみて、違うと思ったら美容にしてみてはどうか」と母からの提案。放課後、絵の塾に通うことになった。

そのアドバイスが、うまくはまった。描く楽しさや画材の美しさに魅力を感じ、グラフィックデザインの専門学校に進むことを決め、結果的に充実した学生生活を送ることができた。

専門学校卒業後は、イラストやキャラクターデザインの仕事が舞い込んできた。マグカップやふきんなどの商品にイラストを展開。新潟小千谷の織物デザインのお手伝いや、キャラクターに関する絵本の出版など、気づけば仕事の範囲は多岐に渡っていた。

やがて結婚。出産と子育て休暇を経て、現在もキャラクターデザインや商品企画に携わっている。人のアドバイスに耳を傾けることで、人生はどう好転するかわからないものだと思わずにはいられない。

■幼い頃から今まで大好きな本

子どもの頃から好きな絵本たち。

季節の本、図書館から借りている本と仕分けして入れている。

小さい頃から、絵本が好きだった。蔵書は何度も整理してきたけれど、今も手元に残っている数冊は常に人生と寄り添ってくれている。

結婚して子どもが産まれてからは、絵本を読む機会がさらに増えた。つい強く叱った日も、寝る前に絵本を読み聞かせることで、子どもとふたり、心穏やかに眠りにつくことができた。絵本には、不思議な力があると実感している。

夫も含めて、家族全員が絵本大好き。「絵本を買うお金に糸目をつけない」が家訓になったくらいだ。とはいえ、蔵書は増える一方で、本棚のスペースはどんどん足りなくなる。泣く泣く、お気に入りだけ残し、図書館を活用する方針に切り替えた。

図書館通いもいいものだ。2週間に一度の割合で、子どもと一緒に図書館に向かう。自転車に乗り、お気に入りのトートバッグを携えて、いざ図書館へ。どれもこれも借りたくなるけれど、3冊までと決めている。選んで絞り込んでいく過程も、また楽しいものだから。

少し賢くなったような充実感と本とを一緒にバッグに入れて、ウキウキしながら子どもと家路に着く。

■仕事で使う本、最近読んでいる本

デザインの本は新たなアイデア出しにつながる。

時短や断捨離、健康や料理など、興味が尽きない。

仕事柄、デザインやイラストの本には目がない。いろいろなテイストのデザイン本に触れて、アイデアのストックをするよう心がけている。

個人的に最近読む本といえば、もっぱら片付け、収納、健康、時短、断捨離……。意識はしていなかったが、手にとった本のほとんどはこのカテゴリに入る。

ふたりの子育てと、フリーランスとしての自宅仕事を両立するにあたって、ラクして、とか、ずぼら、というキーワードは欠かせない。完璧主義やガマンは心身によくない。仕事の上でも、よいアイデアが出にくくなる。

いい塩梅で手抜きしつつ、家族や自分にとって心地よい生活やおいしい料理、あたたかい空間作りは、長く仕事をしていく上で、大切だと考えている。

■読書とはアイデアと仲直りのチャンスをくれるもの

友人が営む、お気に入りのカフェ。

「こたつでアイス」は、最強の癒しだ。

近所に、古くからある“作り酒造り屋”を改装してオープンしたカフェがある。友人の建築家夫妻が営んでいて、仕事の打ち合わせに使わせてもらったり、オフで訪れたりとお気に入りの場所だ。インテリアもいつも素敵で参考になる。

自宅での癒しの時間は「こたつでアイス」と「金曜日の自宅映画館」。

こたつに入って温まりながら食べる冷たいアイスには、ささやかながら至福の喜びを感じる。

そして、金曜日の夜に家族と共に楽しむ自宅での映画鑑賞は、くつろぎであり学びの時間。特に、宮崎駿と久石譲には、大好きを通り越して尊敬の念さえ抱いている。こんな世界観を大切にしたイラストを、自分も描いていきたい。

読書とは、困ったとき、もっとこんな風になりたいと思ったときに、やる気とアイデアをくれるもの。

そして、子どもに絵本を読み聞かせることは、いわば「仲直りのサイン」。

子育ては、自分が思う通りにいかないことばかり。ときに、自分でも驚くほどの感情を持て余す。それでも、別々の人格を持つ子どもと自分が、理解し合い、折り合いつけて1日を終わるために、絵本という存在は欠かせない。

お知らせ

今回をもって連載【本棚百景】は終了となります。ご愛読ありがとうございました。
【本棚百景】バックナンバーはこちらからお読みいただけます。

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ナカセコ エミコ

(株)FILAGE(フィラージュ)代表。書評家/絵本作家/ブックコーディネーター。女性のキャリア・ライフスタイルを中心とした書評と絵本の執筆、選書を行っています。「働く女性のための選書サービス」“季節の本屋さん”を運営中。 ...

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