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カンボジアの胡椒は世界一の美味しさ。知って欲しいカンポット・ペッパーの魅力

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11月末に2週間ほどカンボジアへ旅行に行ってきました。滞在したカンポットの街は、世界で一番美味しいと言われる胡椒の産地。現地の有機農場で学んだカンポットペッパーの魅力についてお届けします。

カンボジアの胡椒は世界一の美味しさ。知って欲しいカンポット・ペッパーの魅力

■カンポットの名産品、カンポットペッパー

私が訪れたカンポットは、カンボジア南西部に位置する小さな町。首都プノンペンからは、車で約3時間の距離です。

フランス植民地時代は避暑地として賑わったようですが、現在はその面影もなく、ドリアンや胡椒の産地として知られる静かな農村です。

ドリアンについてお伝えした前回の記事に続き、今回は胡椒について書いてみます。

カンポットの胡椒は、TIME誌が「普通の胡椒はテーブル・ワイン。カンポット・ペッパーは良質のボルドー・ワイン」と評したように、そのフルーティーな風味で世界中に名を馳せています。

この風味は、胡椒作りに適した気候のカンポット州及び隣接するケップ特別市のミネラルを多く含む土壌で、完全有機栽培をすることで生み出されています。

フランスのシャンパーヌ地方で生産されたスパークリングワイン以外は「シャンパン」の名称を使えないのと同様、ブランドを守るため、「カンポットペッパー協会」の栽培基準を満たすこの地で栽培された胡椒以外は、「カンポットペッパー」を名乗ることができません。

■カンポットペッパーの歴史

フランス植民地下で栽培が開始されたカンポットペッパーは、欧米の一流フレンチレストランを中心に高く評価され、20世紀初頭には年間8000トンも生産されていたそうです。

ところが、1970年から30年近くも続いたカンボジア内戦で、カンポット及びケップの農園は荒れ果て、胡椒の生産も途絶えてしまっていました。

内戦終了後、ポツポツと胡椒栽培が再開され、2006年には、100ほどの農園からなる「カンポットペッパー協会」が設立。そして、近年ようやく、世界に再びカンポットペッパーが届けられるようになりました。

■オーガニック胡椒農場を訪問して

私が胡椒がカンポットの名産品であると知ったのは、カンボジアに行くことを決めてから。正直、胡椒がどのように作られているのかなんて、これまで考えたこともありませんでした。

現地に着いてから、カンポットの有機農場でファームツアーを開催していると知り、せっかくなので出かけることにしました。

私たちが選んだのは、口コミサイトなどで「最もフレンドリー」だと評価の高い「ソティーズ・ペッパー・ファーム(Sothy’s Pepper Farm)」。

ケップ特別市の内陸部にあり、カンポットの街から約25km、ケップのビーチから約17kmの距離です。舗装された国道から内陸に向かう細い道をしばらく走って到着です。

農場では、すぐにフレンドリーで英語の上手な女の子が出迎えてくれました。オーストリアからボランティアに来て3日目というエーダちゃんです。

■グリーンペッパーのなる胡椒の木

彼女の案内で胡椒農園を回ります。胡椒の木はつる性植物で、添え木に対して2本1組で整然と並んでいます。5年目から胡椒の実が収穫できるんだとか。案内してもらった畑でも緑の胡椒の実がついていました。

「ボスが見てないから、食べてみてもいいよー」と言う彼女に促され、直接木から緑の胡椒をもぎ取り、口に入れると爽やかでスパイシーな風味が広がります。美味しい!

カンボジアでは、これを房で料理に使うのですが、クセになる美味しさです。

ここのランチで食べたイカとグリーンペッパーの炒め物やケップのカニ市場でトライしたグリーンペッパー&カニ料理も絶品でした。新鮮なグリーンペッパーを使うのが、美味しさの決め手だと思います。

■黒胡椒、白胡椒、赤胡椒の作り方

さて、収穫した房状のグリーンペッパーは、手作業で一粒ずつ茎から取りはずし、乾燥室に移します。

グリーンペッパーを乾燥させたものがブラックペッパーです。乾燥が終了すると、また手作業で質の悪いものを取り除きます。

乾燥室には、レッドペッパー、ホワイトペッパー、胡椒の粒をはずした茎も並んでいました。

レッドペッパーは、完熟し、赤くなった胡椒の実を乾燥させたもの。

ホワイトペッパーは、完熟の胡椒の赤い実を水に浸けて外皮をはがした中身だけを集めて乾燥させたものです。

茎の部分は、お茶として利用されます。お茶もしっかりとスパイシーな胡椒の風味がします。デトックス効果が期待できるそうですよ。

■お土産にも人気

これらのカンポットペッパーは、こちらの農場ではもちろん、カンボジア全土で販売されています。かわいい容器に入ったものは、お土産として特に人気があるようです。

けれでも、マーケットなどでお土産用に安価で販売しているものは、実は隣国からの輸入品で、本物のカンポットペッパーではない可能性も高いのだとか。

カンポットペッパーには、カンポットペッパー協会のロゴマークや、有機認証の世界標準と言われる「エコサート」、EU法で定められた原産地を保護するための地理的表示保護(Protected Geographical Indication)といった認証マークが付いていて、値段も農場でさえ、黒胡椒250gで$14ほどします。

生産に時間のかかる赤胡椒、白胡椒の方が、黒胡椒よりも高価で、250gで$16となっています。

物価の安いカンボジアにいるとかなり高く感じますが、輸出先の欧州や日本で買うと、その5倍ほどの値段になるようです。せっかくなので、お土産にするなら新鮮なカンポット産をおすすめします。

グリーンペッパーの酢漬けやお茶も、カンボジアならではのお土産ではないでしょうか。

■それぞれの風味を生かして料理に利用

カンポットペッパー協会のサイトによると、スパイシーなブラックペッパーは焼き魚、甘みとスパイシーさを持つレッドペッパーは、肉からバニラのデザートまで、繊細で華やかなアロマを持つホワイトペッパーは特別なお料理に、とのこと。

今回の農場訪問により、私の胡椒に対する認識はすっかり変わってしまいました。

「塩コショウ」のように、塩とセットで使う特別感のない調味料という扱いじゃもったいない! フレッシュなグリーンペッパーはもちろん、ひきたての高品質な胡椒は、料理の味を左右するかなり重要なスパイスです。

カンボジアに行く機会があれば、カンポットペッパーを探してみてくださいね。

■関連情報

Sothy's Pepper Farm

電話:+855 – 88 9513505
E-Mail: sothy@mykampotpepper.asia
Web: http://mykampotpepper.asia
郵便用住所:P. O. Box 9829, Kep / CAMBODIA

行き方:National Road 33から “School”のサインのある場所で内陸に入る。
その道を3700m進むと大きな農場のサインが見える。

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東 リカ

フリーライター。アメリカで出会ったブラジル人の夫と、リオデジャネイロ、レシフェ、東京、サンパウロを経て、2014年末よりポートランドへ移住。現在は、フリーライターとして現地情報を日本メディアに提供。得意分野は、カルチャー、ラ...

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