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税務調査が終わった方こそ、相続税還付の大チャンス!

しばしば話題になる相続税対策。中でもあまり知られていないのが、払い過ぎた相続税が戻ってくるというお話。今回は、税務調査が終わったタイミングで、相続税還付の成功率が上がることについてご説明します。

税務調査が終わった方こそ、相続税還付の大チャンス!

以前の記事「相続税還付の大事なポイント。あなたの相続税は取り戻せる」の中でも、税務調査が終わっていたら相続税還付のチャンスがあるという内容で説明しました。今回はその詳細をお伝えします。

■税務調査が入る確率

相続税の税務調査について、どのくらいの確率で入るのか統計データから分析します。

平成26年の相続税の申告件数56,239件に対して、平成27事務年度における実施調査は11,935件。約21%の確率で税務調査が入っていることになります。

5件に1件くらいの割合ということで、税務調査の入る確率はそれほど高くはないですが、税務調査が入った際の非違があった件数(追徴課税となる件数)は9761件で、割合は約81%と、調査が入った場合に追徴課税となる確率は非常に高くなっています。

■税務調査では追徴課税が狙われる

相続税の税務調査では、特に現金預貯金や有価証券といった金融資産で申告漏れを指摘されます。
特に問題となりやすい論点をまとめると下記の通りです。

〇亡くなる直前に通帳から多額の出金がないか(手許現金の妥当性 ※1)
〇妻や子、孫の名義となっている預貯金のうち、原資が被相続人のものがないか(名義預金の可能性 ※2)
〇亡くなる直前に通帳から多額の出金がないか(手許現金の妥当性)
〇妻や子、孫の名義となっている預貯金のうち、原資が被相続人のものがないか(名義預貯金の可能性)
〇生前に被相続人と親族間で預貯金の移動がないか(生前贈与、貸付金の可能性)
〇親族の資産の購入代金を被相続人が支払っていないか(生前贈与、貸付金の可能性)
〇親族の債務を被相続人が肩代わりしていないか(生前贈与、貸付金の可能性)
〇生前贈与が有効か(名義預貯金、貸付金の可能性)

※1:手許現金の妥当性
手許現金として財産計上した金額が、亡くなる直前に通帳から引き出した金額と比較して少ない場合には、手許現金の計上漏れを指摘されてしまいます。

※2:名義預金の可能性
相続財産は名義人ではなく、実質的な所有者で判断をするため、実質的な所有者が被相続人の場合には名義預金として相続財産になると指摘されてしまいます。

以上のような論点について事細かに質問され、嫌な思いをされる方が大勢いらっしゃいます。よく勘違いされますが、税務署は適正な税額を計算するために税務調査に入るわけではありません。建前は適正な納税かもしれませんが、実態として税務署は追徴課税を狙ってやってきます。

そのため、追徴課税を取れる可能性の高い預貯金はとことん調べて追及をしてきますが、逆に税金が下がってしまう可能性のある土地の評価などは、わざわざ現地調査や役所調査をしてきません。

もちろん、土地の評価で大きな減額をしている場合には、その減額が適正か(否認して追徴課税を狙えるか)を確認しますが、何も減額していない場合には特に税務署は調べません。おそらく、そこまで調査しきれないというのが本音だと思います。

その結果、税務調査が入ると増額要素を指摘され追徴課税となるケースが多いですが、逆に減額要素については税務署からは指摘してこないのです(むしろ税務署も減額要素は調べないため、気づいてないケースが大半です)。

■土地の評価で減額につながるポイントとは

土地の評価で減額につながるポイントをいくつかご紹介すると、下記のようなものがあります。

〇広い土地がある
〇狭すぎる土地がある
〇土地の形状が悪い
〇道路の幅員が狭い
〇無道路である
〇線路沿い等で騒音がうるさい
〇がけ地等斜面になっている
〇土地の上に高圧線が通っている
〇用途地域を確認すると容積率の境にある
〇都市計画道路予定地にかかっている
〇賃貸物件等がある
〇路線価が適正ではない


土地の減額要素は多々あるため、ここではごく一部しかご紹介できませんが、土地をたくさん所有しているケースでは、何かしらの評価減要素に該当することがあります。土地が1カ所しかないような場合でも、1カ所の評価で数千万円単位の還付につながるケースもあります。

見た目では整形地で環境のよい土地でも、役所調査をすると評価減要素につながるケースもあると知っておきたいところです。

■税務調査が終わるとリスクもほぼなくなる

税務調査が終わった方こそ、相続税還付の大チャンス

上記の通り、税務調査では厳しく追徴課税を狙って追及されるため、嫌な思いをされた方が多いのですが、逆にいうと追徴課税をされるような要素はすべて指摘されたということになります。

そのため、相続税の還付請求をする際には、税務調査を誘発してしまってやぶ蛇になるリスクも検討しながら慎重に判断します。既に税務調査が終わっている方については、増額要素をすべて指摘された後のため、その点を考える必要がなくなります。

通常は数百万円の還付の見込みがある場合でも、リスクとの兼ね合いで保留(税務調査が終わるまで還付請求しない)にすることもあります。一方、税務調査が終わっている方は、数十万円と還付の見込みが少ない場合でも、基本的にはリスクを考える必要がないため、気軽に還付請求をすることができます。

税務調査が終わったから税額が確定したというわけではありません。税務調査が終わったからこそ、大チャンスなのです。

税務調査で嫌な思いをされた方こそ、相続税が還付される可能性が高くなるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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佐藤 和基

2007年1月に相続最大手の税理士法人レガシィに入社して相続税の業務に携わり、2010年に相続税以外の一般的な税務を学ぶため銀座にある税理士法人ワイズコンサルティングに転職。 2014年1月に独立開業した。 独立...

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