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相続税還付の大事なポイント。あなたの相続税は取り戻せる

平成27年1月1日からの相続税改正による増税と少子高齢化に伴い、相続税対策を検討する方が増えてきています。一方、平成29年1月31日の最高裁では、「節税目的の養子縁組でも有効」と判断されました。そのため、今後は相続税の節税対策として孫を養子にするケースが増えていくと思われます。

相続税還付の大事なポイント。あなたの相続税は取り戻せる

まだ関係ないと思っている20代から40代の方にとっても、相続税が身近な問題になってくる可能性があります。

ところで、相続税対策はしばしば話題になりますが、払い過ぎた相続税が戻ってくるという話はあまり知られていません。今回は、相続税還付の大事なポイントについてご説明していきます。

■亡くなってから5年10カ月以内であること

相続税の還付請求には除斥期間という「時効」のようなものがあります。

具体的な期限は、被相続人が亡くなってから5年10カ月以内です。この期限を過ぎてしまうと、相続税を納めすぎていることが明らかな場合でも、還付請求をすることができなくなってしまいます。

5年10カ月以内の根拠は、まず相続税の申告期限が、被相続人が亡くなってから10カ月以内となっており、還付請求をする期限は申告期限から5年以内となっています。

そのため、10カ月と5年を合算した「5年10カ月以内」が還付請求できる期限となります。

また、期限の数え方は「申告期限」となり、実際に「申告をした日」がいつであるかは関係ありません。

■税理士が計算していても成功率は10件中7件

相続税還付の大事なポイント。あなたの相続税は取り戻せる

プロの税理士に相続税の申告を依頼しているのに、本当に還付されるのか? と疑問に思われると思いますが、例えば医者であれば内科、外科、眼科などの専門があるように税理士にも得意不得意があります。

一般的な税理士は会社の顧問や個人の確定申告を専門にすることが多く、相続税を専門にする税理士は限られています。

特に差が出てくるのが土地の評価です。相続税に慣れていない税理士は普段、土地の評価に接することがほとんどありません。

土地評価の際に現地調査、役所調査を実施していないため、最大限の評価減をしていない場合が多く、税理士によって数百万〜数千万円の差が出ることが多々あり、場合によっては億単位の差になることもあります。

相続税の見直しをする際には、まず机上で減額の可能性を検討し、必要に応じて現地調査、役所調査を実施し土地の利用制限、公法上の制限等の有無を確認し、実務上是認されている最大限の評価減要素を探して相続税を減額します。

以上のような見直しをすることで、税理士が申告をしているにもかかわらず、10件中7件も還付に成功するのです。

■用意するものは「相続税申告書・添付資料一式のみ」で簡単

当初の相続税の申告(亡くなってから10カ月以内にしたもの)では、戸籍謄本を入手したり、財産の調査、書類の入手、遺産分割協議など、かなりの手間暇がかかるため、「相続=面倒」と思う方も多いと思います。

しかし、相続税還付では、税理士から渡されている「相続税申告書・添付資料一式」をそのままお預りするだけで、相続税の見直しはできるため、まったく手間暇がかかりません。

※修正申告(又は更正の請求)をしている場合には、「修正申告書(又は更正の請求書)・添付資料一式」も追加で必要になります。

修正申告書とは、過少に申告をしていた場合に追徴課税を納める際に提出するもので、更正の請求書とは、過大に申告をしていた場合に還付を受ける際に提出するものです。

■相続税還付の依頼は申告をした税理士には知られない

相続税還付の依頼をされる方が最も気にされる点ですが、当初の申告をした税理士には特に知られることなく、水面下に相続税の還付を受けることができます。

詳細については、次回の「顧問税理士に迷惑がかからない相続税還付!」で説明します。

■他の相続人の反対がある場合にはひとりでも還付請求可能

相続では、残念ながら相続人同士が争ってしまって絶縁状態になってしまうこともあります。

相続税還付はお金を取り戻せることなので、できれば相続人全員で還付請求をするのが望ましいですが、ひとりでも還付請求をすることはできます。

■税務調査が終っていたら大チャンス

相続税の申告では、4〜5件に1件の割合で税務調査が入ります。

そのため、絶対に入るものではありませんが、税務調査が入ると80%以上は何かしらの指摘を受けて追徴課税を納めています。

ここで、よく勘違いされるのですが、税務調査は「適正な課税」ではなく、「追徴課税」を狙って入ります。

※建前は「適正な課税」かもしれませんが、「追徴課税」を取れない税務職員は「使えない」という評価をされてしまいます。

そのため、税務調査が入ったからといって、税額が確定したわけではないのです。

逆に、税務調査が入った後の方が、相続税還付の成功率が上がります。詳細については、次々回の「税務調査が終った方こそ、相続税還付の大チャンス!」で説明します。

以上、下記の相続税還付の大事なポイントについて説明させていただきました。

〇亡くなってから5年10カ月以内であること
〇税理士が計算していても成功率は10件中7件
〇用意するものは「相続税申告書・添付資料一式のみ」で簡単
〇相続税還付の依頼は申告をした税理士には知られない
〇他の相続人の反対がある場合には、ひとりでも還付請求可能
〇税務調査が終っていたら大チャンス


被相続人が亡くなってから5年10カ月以内に相続税を納めた方(または親戚で納めている人がいる方)は、特に相続税還付の依頼でデメリットが発生しないことはご理解いただけたと思います。

「うちはプロの税理士に依頼しているから大丈夫ですよ!」

よく聞くセリフですが、税理士に依頼しない方はほとんどいませんし、実は相続税に慣れている税理士はごくわずかなのです。

該当する方は「戻ったらラッキー」というくらいの考えでも良いので、相続税還付専門の税理士に相談してみてはいかがでしょうか。

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佐藤 和基

2007年1月に相続最大手の税理士法人レガシィに入社して相続税の業務に携わり、2010年に相続税以外の一般的な税務を学ぶため銀座にある税理士法人ワイズコンサルティングに転職。 2014年1月に独立開業した。 独立...

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