小手先の貯金テクニックよりも大切な「貯金の心がまえ」
ファイナンシャルプランナーとして活動する筆者が、日頃の仕事からみなさんに知っておいて欲しいお金の話をお伝えします。
みなさんは、ファイナンシャルプランナー(以下「FP」と表記)という職業を聞いたことはありますか? 住宅展示場で住宅ローンの相談に乗ってもらったり、銀行や保険会社で働く人たちなら知っているという人も多いかもしれませんね。
FPには金融機関には所属せずに“独立系FP”として、中立的な立場で家計のアドバイスをする人がいます。筆者も”独立系FP”として活動しています。今日はそんな筆者が、日頃の仕事から気づいた皆さんに知ってほしい“貯金の心がまえ”をふたつお伝えします。
1.お金は頭よりも心に影響される
独立系FPの仕事に、「家計の見直し」として家計の収支アドバイスをすることがあります。雑誌などで貯蓄額や通帳、生活費の公開が記事になっていることもあるので、ご存知の方もいるかもしれませんね。
ある日、筆者がセミナーで家計簿の見直し方法を紹介していると、ひとりの受講生から「これは家計を見直しするよりも、メンタル的なことの見直しを優先した方がいいのではありませんか?」という印象的な意見をいただきました。
たしかに、家計の見直し方法や、資産運用の始め方などの情報はいろいろなところで目にするようになった……しかし、それを実行している人は少ないかと思います。
なぜなのか?
お金の管理方法や使い方がわからないという問題ではなく、“ココロ”の問題に気づいていないからではないかと、私は考えます。
例えば「つい無駄遣いしてしまう」といったケース。
「どうして“つい”という行動を起こしてしまうのか」
「なぜ自分の欲望に甘くなってしまうのか」
そう考えたことはありますか? 多くの人は、無駄遣いをしてしまったとしても、こうした原因に対して見て見ぬふりをします。
一方で、こうした基本的な問題解決をせずに、一発逆転的な方法を探そうとする。だから、実行に移せない。知識やテクニックを知ることは貯金の成功の近道ですが、それだけではお金は貯まりません。
「どうして、いらない物を買ってしまうのか」
「どうして、お金がないことが不安なのか」
そんな自分の“どうして?”を内省することがお金を貯めるために、避けては通れない道だと思うのです。頭で考えるより、心の声を大切にしてみてください。
2.情報に惑わされない自分になる
お金に関する情報が溢れているせいで、どれが自分にとって必要な情報かがわからなくて不安になる。お客さまの声を聞いていると、多くの人が心の内でそう感じていることがわかります。
「もし、子どもができたら学費2000万円くらいかかるんでしょ」
「老後は、年金もらえないんでしょ」
と勝手に諦めたり、不安になる。
しかし、お金の価値観は人それぞれ違います。そのことを知るだけで「お金に縛られずに生きられるのでは?」と感じます。
家族も、友達も、育った環境も、価値観も、仕事も、収入も、なにひとつ同じ人はいません。
タワーマンションに住みたい人もいれば、バスに乗っても緑がある地域の一戸建てに住みたい人もいます。人によって生活コストが違ってくるのは当たり前です。
それでも、自分より周りの人の方が幸せそうに見えたり、貯金額を聞いたわけでもないのに「あの人はたくさんお金を貯めていそうだ」と想像して、引け目を感じてしまう人がいます。
お金の不安を取り除くために必要なのは、たくさんある「情報」でも周りとの「比較」でもなく、自分自身や家族との「会話」です。理想の生活には一体いくらのお金が必要か、そのための収入は十分か……などを確認してみましょう。
そうした会話の中で、お金が足りないと感じたのであれば、ライフプランを変更する必要性に気づくことができます。転職を考えたり、スキルを磨いたりと、具体的な方法を考えることができるのです。
■貯金をするには心がまえから
お金は、ココロを知り、計画することで貯まり始めます。
がむしゃらにお金を貯める人と、心がまえをしてお金を貯める人なら貯まり方にも差がでてくるでしょう。もしもあなたのココロが「これは必要だ」と言っているなら、ネイルも、飲み会も、マッサージに行っても、不安にならないで。生活のためだけではなく、楽しみのためにも働いているんだから。
心がまえをしっかりして、お金が減る不安だけを感じるのではなく、自分を甘やかすことも楽しんでくださいね。
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