黒い服しか着ない、と決めている女。黒い服は着ない、と決めている女。考え尽くした上で黒い服を選ぶのはいいけれど、安直に黒い服を選んでいるなら、一度立ち止まってほしい。黒い服と自分との関係に慎重になることは、おしゃれを上達させるチャンスだから。
色のあるファッションで、女の人生を楽しみ尽くそう!
黒やグレーなど、ベーシックな色さえ着ていれば、おしゃれに見えるはず――そう信じていた20〜30代。せっかく女に生まれてきたんですもの、綺麗な色を着てうんと楽しみたい! そんな考え方に方向転換した40代からは黒を着ることをやめ、さまざまな色を着るように。私のカラフルなファッションの楽しみ方について。
■黒を着なくなった理由
以前「黒い服しか着ない女、黒い服を着ない女」という記事を書かせていただいた。私は現在「黒い服を着ない女」である。
その理由は、40代後半頃から、黒を着ると自分でもぞっとするほど顔色が悪く見え、「疲れた女」になっていることに気づいたからだ。
それからというもの、最小限の黒い服を残し、ネイビーを黒代わりに使い、カラフルな色を楽しむファッションに方向転換を図ってきた。
■カラフルな色の服を着る理由
なぜ色モノを着るのか。
理由は単純。楽しいから。さらに着ていて、色の持つパワーをもらえるから。
色によってもたらされるイメージは、私たちの精神にまで及ぶ影響力を持っている。その色の持つ力を利用しない手はない。
自分自身がその色をまとうことで、
1.その色が持つパワーをもらえる。
2.他人に与える自分の印象をコントロールできる。
このふたつ、双方向からの色の力を身につければ、女の人生は思いのまま(多分)!
お金の話が絡むビジネスの場では、誠実さ、真面目さを演出できるネイビーを着る。
クレームなど謝罪時は当然黒か濃いグレー。
久しぶりの同窓会など幸せ感を演出したいときは薄いブルー。
自分自身が元気を出したいときは朱赤やオレンジ。
気持ちをニュートラルに保ちたいときは深いグリーン。
おしゃれに見られたいときはシックなカーキ。
初めてのデートに透明感を出せるのは王道の白。
などなど。
■無地から始めよう! 色のあるファッション
とはいえ、「カラフルな色をファッションに取り入れるのは難しいし、コーデが面倒」という印象を持っている方が多いと思う。
しかし、実際にやってみるとそんなに難しくないし、コツがわかれば毎朝のコーデもサクサク決まる。
私は柄物の服をほとんど持っていない。
複雑な柄物はもちろん、幾何学模様も花柄も水玉もペイズリー柄も着ない。
縦のストライプ柄は着るが横ボーダーも着ない。
その理由は、柄物はカラフルな服よりもよっぽど合わせにくいと思うからだ。
あるとき思い切って柄物の服をすべて処分した。毎朝のコーディネートは驚くほど楽になった。アイテム選びの切り口が「色」だけになり、迷いがなくなるため、スムーズにコーディネートできるのだ。
■色モノを日々のファッションに取り入れる方法
色ものを簡単に取り入れる方法は3つある。
1.上半身(トップス)で取り入れる。
特にニットで取り入れる方法が簡単。
2.靴やバッグなどの小物で取り入れる。
3.アクセサリーで取り入れる。
そして 私が必ず気を付けていることは、色物の服を着たときは、ひとつのアイテム単体で着るよりも同じ色をもう1カ所か2カ所、全身のどこかにリピート(繰り返し)させること。
不思議なのだが、色モノをぽつんと単体で着るよりも、その方がまとまりが出るのだ。
■綺麗色のニットのトップスから始めるカラフル生活
【朱赤のニット】鮮やかな赤いカーディガンニット。
難しいと思いきや、デニムにも白・グレーにもばっちり合う優れもの。
さらに、アクセサリーや小物にも赤いアイテムを揃えてリピートすると、まとまりが出る。
【深いグリーン】最近はまっている深緑色。
同じくカーディガンニットを中心に、革のバングルやネックレスなど緑のアイテムが少しずつ増殖中。
写真のように「緑チーム、全員集合!」させて着ることはめったになく、
コーデの半分以下の割合にとどめ、ベーシックカラーに合わせて着る。
【薄いブルー】何にでも合わせやすく、ベーシックカラーと言ってもいいくらいなのに、着ると
「綺麗な色を着ている」という印象を残せる優れ色。特にグレー系、ネイビー系と相性がいいので
無限にバリエーションが生まれる。同じく綺麗なブルー色の小物やアクセサリーと揃えればばっちり。
この色は 女性を間違いなく「幸せそうに」見せる色だと思う。
ティファニーが、ブランドのイメージを淡いブルー色にしている理由はそこにあるのでは? と勝手に思っている。
だって宝石は「女性を幸せにする」のが使命なのだから。
■小物で色を取り入れるのは取り入れやすい
【紫色】紫は一番難しい色だと思う。英語ではバイオレットとパープルは違う色。
でも日本語にすると紫のカテゴリーにくくられてしまう。その違いを認識すると上手く扱えるようになるかもしれないと修行中。
紫の服を着る勇気はさすがに私もないので、小物で楽しむ。
赤紫寄りのスエードの靴、鮮やかなフェイクファーのバッグなど、色の面積を絞れば気軽に楽しめる。
■服、小物の全体の色の調和を取る
【カーキ】ここ数年、すっかり定番色の仲間入りをした感があるカーキ色。
カーキと一口に言っても色幅がかなりあり、ハンドリングが難しい色だ。
また、素材感が違うと印象がまるっきり変わるのも特徴。
麻、ウール、ハラコ、革などいろいろミックスすると単調にならない。
■小物の色と服の色を同期を取って揃えていく
カラフルなファッションを楽しむコツは
服以外の小物とアクセサリーもカラフルなものを揃えることだと思っている。
少しずつ、靴やバッグ、アクセサリー(ピアス、指輪、バングルなど)といった小物も服の色と同期させて、カラフルなものを揃えていくようにしている。
こうすると、ぐんとコーデしやすくなる。
■色を着ることで、毎日違う自分を生きられる
色の持つイメージとパワーを利用すると、毎日、毎日、驚くほど違った自分でいられる。
毎日、同じ自分でいることに精神の安定を見出すタイプの人もいると思うが、私は逆。
毎日、違う自分を生きられる。
ファッションで色を変えるだけでそれが簡単に叶う。
こんなお手軽な幸せはないと思っている。
数年前、プロのカラーコーディネーターにパーソナルカラーの診断を受けたこともあるが、現在はあまりそれに固執していない。
何色が自分に合うか? なんて自分自身が一番わかっているし、そもそも、文字通りいろいろ着てみないとわからないからだ。
似合わないけれど好き! という色があるなら、バッグや靴など顔から遠いところでどんどん取り入れればいい。
一番私が大切にしているのは、その色を着て、自分がどんな気持ちになるか? ということ。
人からどう思われるか? よりも大事にしている。
というのも、自分が気持ちよく幸せな気持ちでいられたら、きっとそのとき会う人にも良い印象を与えると思うから。
いろいろな色を身にまとって、女の人生を楽しみ尽くそう!