セルフブランディングがうまくない、自分を出すのが苦手な方へ伝えたいこと
SNSの普及とともに、セルフブランディングに関わるコンテンツを目にすることが増えました。ただ、「私が、私が」と出ていけない人はいったいどうすればいいのか? 自分のキャラクターで勝負できない人間のひとりとして、ちょっと考えてみました。
セルフブランディング、という単語は、いつごろから出てきたのでしょうか。
SNSが日常に完全に溶け込むようになってからなのか、最近しばしば目にするようになりましたよね。
私は個人事業主という立場のため、「セルフブランディング」や「自分のファンを作る」などをテーマに取り扱う本を読むことも多く、また、ネットでもそういった記事が目に入ってきやすいです。
また、SNS上でのブランディングの話や、これから人工知能によって働き方が変わるなどという話を聞くと、私のように個人で仕事をしている人だけでなく、会社勤めの人にも少なからず絡む部分なので、余計に目にする機会が増えているような気がします。
しかし、正直、最近この手の話はちょっと食傷気味です。
自分のキャラクターで勝負できる人には参考になる話だけれど、そうでない人にとっては、「自分のファンを作るなんて、そんなことができたら苦労しないよ」という、なかなか厳しいことだから。
■自分を前面に出すセルフブランディングを試してみたものの……
かくいう私も、自分で仕事をしていることもあり、セルフブランディングを試してみたクチです。「自分が商品」というような見せ方も試してみましたが、まぁこれがとにかくダメでした。
そもそも華もなければ、愛されるようなキャラクターでもないし、本人も「私が私が」と出ていきたいタイプじゃないという、「できないし、求められてもいないし、やりたくもない」という、なにひとつフィットしない手法……。
(やる前に気づけ、という話ですが、やってみないと本当のところはどうなのかもわからないので、いろいろなことを体当たりで経験していることだけは、自分を褒めてあげたいと思います)
■自分自身ではなく、自分が提供している「もの」で勝負する
改めて、自分を前面に出すセルフブランディングが、ほとほと私には向いていない。そのことがわかったところで、よくよく考えてみました。
これまで私が評価されてきたのは、仕事における立ち回り方が抜かりないこと、美容鍼の施術で出した美容効果という結果など、自分の仕事のやり方や今までやってきたこと、私が提供するサービスについてでした。「私そのもの」ではなかったなぁと、今さらながら気づきます。
そう考えると、私のようなタイプは、自分自身を出すのではなく、自分の役務・商品・サービスなど、自分が提供している「もの・こと」で勝負するのが得策なのでしょう。
巷にあるセルフブランディング本も、「やみくもに前に出て自分を売れ、ということではなく、そういうことが言いたいんだよ」という意図で書かれているのかもしれません。
ただ、いかんせん、それを書いている人たちがセルフブランディングに成功してキャラクターで売っている人たちなので、どうしても、「自分のキャラで勝負しろ!」と言われているような気がするんですよね。
また、こういうブランディング系の本などは、「すぐに変われる、結果が出る。そうでないのは自分の本気度や覚悟が足りないからだ」などと盛大に煽る傾向があるので、すぐに結果が出ないことが悪いこと、ダメなことだとされがち。
しかし、自分のキャラクターではなく、自分の仕事ぶりや成したこと、商品、サービスなどで勝負する人は、それを認めてもらうまでにどうやっても時間がかかるもの。「時間がかかるのは当たり前」と、煽りに惑わされず、地道に実績を重ねていきましょう。
私がDRESSでこうしてコラムを書かせてもらっているのも、サロンを経営する以前の美容ブロガー時代も含めれば、6年以上文章を書いて発信を続けてきた結果だと思います。実績で評価されるタイプの人は、その実績を積むための時間が必要なのです。
■時間がかかるセルフブランディングも存在する
こんな風に偉そうに書いているからと言って、私がうまくいっているのかというと、まったくそんなこともなく、今回のコラムは、ほとんど自分で自分を励ますために書いているようなものです。
「自分自身のキャラで勝負できなくてもいいし、すぐに結果が出なくても焦る必要はないよ」と。
不特定多数に受ける読み物は、どうしても、「簡単」とか「すぐに」とか、派手で耳ざわりのいいことばかりで、こういうことは誰も書いてくれないので、自分で書いてしまいました。
自分自身のキャラクターで勝負できない・したくない人は、自分が提供する「もの」で勝負する。それが、自分を売るということになり、結果的にセルフブランディングになるのではないでしょうか。
ただし、その場合は、見た目などパッと見てわかる部分で勝負することは難しいので、良さをわかってもらうまでに時間がかかるのは仕方ない、時間がかかるセルフブランディングというのも存在する、と思って、周りのペースに惑わされず自分のペースで進みましょう。
私のように、自分のキャラクターでは勝負できない、と、密かにコンプレックスを抱えている人の参考になれば幸いです。