大人にこそ読んでほしい! チェコのおしゃれな絵本たち
世界中にファンを持つチェコ絵本。思わず手にとり、チェコのシュールな挿絵にドッキリすることも。今回は、私の大好きなチェコ絵本をご紹介します。
絵本って、子供だけのモノと思っていませんか?
―――いえいえ、大人だって十分楽しめるんです。
■チェコは絵本大国って知ってた?
意外と知られていないかもしれませんが、チェコは絵本大国。
どこか懐かしいような素朴さや温かさ。
色彩豊かなダイナミックなイラスト。
洗練されたデザイン。
さまざまなタイプがあり、そのどれもが人気です。
かつて共産主義時代に、比較的表現の自由が許されていたのが、子供向けの絵本やアニメーションだったそうです。きっと、子供たちに向けた愛情で溢れているのでしょうね。
日本でも、たくさんのコレクターがいるんですよ。
■「ロボット」の生みの親、チャペック兄弟がつくる絵本
チェコの国民的作家であるカレル・チャペック。
「ロボット」という言葉を世界へ生み出した人物として有名です。その兄ヨゼフ・チャペックは、カレルが書いた作品の装丁や挿絵を描きました。
カレルの『子犬のダーシェンカ』という写真絵本や、ヨゼフの『こいぬとこねこは愉快な仲間』などは日本でもよく知られています。
他にも、たくさんの日本語版作品が出ています。
ほのぼのとした素朴なお話は、大人の方にこそ手に取ってもらいたいものばかり。
■チェコを代表するイラストレーター、ヨゼフ・ラダのつくる絵本
続いて紹介するのは、チェコでは知らない人はいないほどの国民的イラストレータであるヨゼフ・ラダの作品。こちらも日本でたくさん目にすることができます。
田園風景や動物など、素朴な絵柄と優しい色合い、チェコらしいなと思わせる作品です。彼の故郷、Hrusice(フルシツェ)はチェコの観光名所でもあります。
■ズデニェック・ミレルがつくる絵本――日本でもお馴染みの「もぐらくん」
もぐらの「クルテク」は、日本でも大人気ですね。「クルテク」シリーズは日本語版も出ていますし、アニメ化もされています。
そんな「クルテク」の生みの親、ズデニェック・ミレルの作品は、世界中の子供に届けたい、という思いからあまりセリフが入っていません。その代わり、子供が大好きな色や音を作品に反映しています。
かくいう私も、チェコ語がわからない頃から、子供たちと一緒に楽しんでいました。
■幻想的な挿絵が美しいオタ・ヤネチェックの絵本
こちらは、グリム童話『眠れる森の美女』のチェコ語バージョン。オタ・ヤネチェックの幻想的なイラストが美しいの一言。
ふんわりとした独特の作風、日本にもファンが多いです。
■おしゃれなタッチのアドルフ・ボルン
画家としても有名なアドルフ・ボルンの作品は、ユーモラスでもあり、シュールさも感じさせます。
モダンでおしゃれな絵をよく見つめていると、やっぱり大人向けのような気もしてきます。コミックスといっても、日本の漫画とは少し異なりますが、漫画家としても有名です。
『ツォウルとツォウレック』という猫の漫画や『ビーテクとなかまたち』(日本語訳版あり)は、チェコでは知らない人はいないほど有名な作品です。
■やみつきになるチェコ絵本
こんなに愛らしいイラストを目にしてしまうと、大人でもつい手に取ってしまいませんか?
その反面、チェコ絵本は、挿絵を画家が描いているものも多く、日本の絵本と比べるとリアルすぎてギョッとしてしまうものもあります。
つい、目が離せなくなりませんか?
チェコの絵本は、子供の絵本というより、まさに芸術本。
お土産やプレゼントにもおすすめですよ。