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『おくりものはナンニモナイ』が教えてくれた、いま持っている幸せに気づく大切さ

『おくりものはナンニモナイ』という絵本があります。あらすじは犬のムーチが猫のアールに「ナンニモナイ」を贈り、「ナンニモナイ」を楽しむというもの。心温まるお話には、大人の私たちにとっても大事な気づきがあります。今年のクリスマスに、クリスマスプレゼントとして贈ってみるのもいいかもしれません。

『おくりものはナンニモナイ』が教えてくれた、いま持っている幸せに気づく大切さ

■絵本『おくりものはナンニモナイ』が教えてくれたこと

連載「人生が好転する気づきの美習慣」。
第8回は、クリスマスの贈りものにまつわるお話をお届けします。



早いもので、クリスマスまであと2週間。大切な方へのプレゼントは、もう決まったでしょうか? 1年間がんばった自分へのごほうびを考えている方も多いかもしれませんね。
わたしもこのところ、「クリスマスにプレゼントをもらえるとしたら、何がうれしいかな」とつれづれに考えていました。そんな予定はまったくないというのに、おかしいですね(笑)。



先日のことです。書店で友人の子供さんに贈る本を探していて、ふと1冊の絵本が目に留まりました。
書名は『おくりものはナンニモナイ』。訳者の名前に「谷川俊太郎」と記されているのが気になり、手にとってページを繰ってみました。以前から谷川俊太郎さんの詩がとても好きなのです。

主人公は、犬のムーチ。ある雪の日、ムーチはお隣に住んでいる大好きな猫のアールに贈り物をしたいと考えます。けれども、何でも持っているアールに何をあげれば喜んでもらえるのかわかりません。
悩みに悩んだ末、ムーチは気づいたのでした。そうだ、「ナンニモナイ」をあげればいいんだ、と。



大きな箱に詰めた「ナンニモナイ」を受け取ったアールは、驚きます。だって、箱の中身は「ナンニモナイ」。そう、何も入っていなかったのですから。
意味がわからずきょとんとしているアールにむかって、ムーチは言います。
「ナンニモナイ。きみとぼくのほかにはね」。



ようやくムーチの真意に気づいたアールは、彼をかたく抱きしめ、ただ寄り添って時を過ごし、「ナンニモナイ」を楽しんだ──というお話です。

■本当の豊かさって? わたしたちはすでに、かけがえのないものを手にしている

この絵本を読んで、本当の豊かさとは何かと問いかけられている気がしてなりませんでした。
わたしたちはつい、足りないものを数えてしまいがちだと思いませんか? 流行のあれを持っていない。定番のこれもまだ持っていない。

けれどそんなふうに足りないものを数え上げ、懸命に手に入れようとしているとき、わたしたちは見失ってはいないでしょうか。すでに手にしている多くのものを。そのかけがえのなさを──。


うれしいことも悲しいことも分かち合える家族や友人がいてくれて、空腹になればそれを満たすことができ、あたたかなベッドで眠ることもできる。自分の意思で動き、好きな場所へ出かけることができる。自由がある。

それはつまり、思いのままに夢を描き、実現する力が備わっているということなのです。あなたにも、わたしにも。



クリスマスの訪れよりも先に、わたしたちはもう素晴らしいプレゼントを受け取っていたのかもしれない。

そんな気がしたのですが、あなたはどう思われるでしょうか?

女性は、幸せになるほど、美しく輝くいきもの。
そして、幸せになるための最高の方法は、いま手にしている幸せに気づくこと──。

どうぞあなたが、いま手にしている幸せに気づいてくれますように。そのことによって、一度きりの人生を悔いなく、美しく輝いて生きられますように。
心から祈って、このコラムを贈ります。


湯木 景子

各女性誌ライター、広告プランナーとしての豊富な経験をもとに、女性が人生をより楽しく生き、魅力を磨くためのコンテンツをお届けしています。

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