ウチの夫は家事ができない
夫婦での家事分担はなかなか難しい。気がつけば「夫は何もしない」という場合も。そんな中で少しでも家事に取り組んでもらう方法を探っていきたい。これから長い人生を一緒に過ごしていくためにも。
「ウチの夫は仕事ができない」ならぬ「ウチの夫は家事ができない」。
どれぐらいできないかと言うと、結婚して数年経つが掃除・洗濯も苦手だし(一度、食事のテーブルに掃除機をかけようとして怒ったことがある)、食事を作ってくれたのは一度だけ。
そのときはたらこパスタを作ってくれたのだが、ゆでたパスタにたらこをのせて、なぜかそれをレンジでチンしていた。味付けはゼロ。
最近は、「パスタには市販のパスタソースをかけるのが一番」ということに気づいたらしく、調理はしなくなった(ただし、やたらとパスタの茹で具合にはこだわる)。
我が家は共働きなので、家事を妻である私がすべてやっているということになるのだけれど、これがまあ辛い。
外食を嫌う人なので、朝食からお弁当、夕飯を作り、そのほかに掃除・洗濯がかぶると気が狂いそうになることがある(手を抜けばいいと言われるが、できればちゃんとしたい、という個人的な性格についてはこの際、棚上げさせていただきたい)。
■「家事ができない夫」を「できる夫」に変えることは可能か?
たとえば、テレビを見ていて、「男性タレントが料理をしている、掃除をしている」というのを見かけると「ほら、○○さんだってやってるんだよ!」などと言ってみる。
しかし、夫はと言うと「やらないんじゃなくて、できないんだよ……」と弱り顔をする。
私が家事をする分、夫が負担する生活費を増やしてもらう、ということも考えたが、なんだかそれもなあ、ということで却下になった。
これまでの自分が自由に使える金額が急に少なくなると、想像しているよりも気持ちへのダメージが増える、と考えたからというのもある。
……ということで始めたのが「小さなことからコツコツと」だった。
夫が休みの日だけお風呂掃除をしてもらう。
出勤前にさりげなくゴミ出しを頼む。
細かいところだと、ゴミ箱にゴミ袋をかけてもらうだとか、使った食器は下げてもらうとか。
一度習慣になると「これは自分の仕事」という認識が根づくのか、進んでやってくれることが増えた。
ちなみに、どんなに小さなことでも、してもらったら褒めて伸ばせ、という話があるけれど、私の中に「なんでそんな当たり前のことを褒めなあかんねん……」という気持ちがあったのでうまくいかなかった。
■小さなことが心の余裕につながる
家事ができない夫に、いきなり、掃除・洗濯・買い物・料理などをやってもらうのは現実的に難しい。だから、こういった家事を細分化して、小さなことからコツコツと積み重ねていくように取り組んでもう。
このとき、互いがやってみて「こうすると妻は機嫌が良くなる」「この作業なら、夫は得意そう」と探りながらやっていくのがいいようだ。
夫がやってくれることは本当に些細なことだけれど、たとえば「今日は夫が休みだから風呂掃除をしなくていいんだー!」と思うと、ものすごく心の余裕ができる。
だから、すぐにカリカリしなくなるし、夫も「こんな小さなことで笑ってくれるようになるんだな」と気づいてくれる。
怒りを相手にぶつけるだけでは、私も夫も前に進むことができないことを知った。
子供がいるとまた状況は変わってくるのだろうけれど、夫婦だけで生活しているのなら、ふたりがニコニコしていられる環境をつくるのが一番だ。
その目的さえ共有していれば、たとえ歩みは遅かったとしても、少しずつ家庭内でのパワーバランスがとれていくのではないだろうか。