無職の私が「フィリピン就職」を選んだ理由
フィリピンで就職しようと決めた、当時33歳・無職の私。将来を悲観して落ち込みもしましたが、「人生の夏休み」とばかりに自分の時間を謳歌した結果、選んだ道は「フィリピンで働く」でした。
■まさかのフィリピン就職
無職の期間に思いついた「やりたいこと」を次々とこなしていくうちに、「また働きたい」と思うようになりました。
次のキャリアについて漠然と考え始めたときに、
・自分と似たようなスペックの人はすでに日本にたくさんいるし、この先若い人が成長してきたら自分の居場所がなくなるかもしれない
・人件費の安い国から人が流れてきたら、ますます居場所がなくなるかもしれない
・だったら、そういう人をマネジメントする経験を積んでおくと、自分の市場価値が上がるかもしれない
・じゃあ、次に働くのはそういう人がいる国だよね
・時代も時代だし、英語はマストだよね
という発想と、労働ビザの取りやすさを考慮した結果、「フィリピンで仕事を探そう」という決断に至りました。
コネもツテもないので、フィリピン・セブ島に留学。英語を勉強しながら就職先を探し始めました。
■フィリピン就職で34歳の「年齢」はネックにならなかった
管理職全体の50%以上が女性、女性の社会進出が進んでいる、などの統計はインターネット上にあふれていますし、友人が働く銀行でも「支店長の7割は女性」とのことで、女性の社会進出は実際に進んでいると思われるフィリピン。
ただし、あえて私の肌感でお伝えすると、「女性が輝ける社会」という前向きな話だけでなく「夫婦どちらか片方の稼ぎだけではまだちょっと苦しい」という家庭が少なくないというのが現実です。
一部の裕福な家庭を除き、男女関係なく「家族・親族の中で働き手となれる大人たちが生活費や学費を稼ぐ」という風潮なんですね。キャリア志向でバリバリ働く人もいますし、普通に働いてそれなりのお給料で、という人もいます。住み込みのメイドやベビーシッターとして働きながら家族に仕送りをする人もいます。
(身内の誰かが海外に出稼ぎに行ったらそれをアテにして働かなくなるケースもありますが、それはまた別の話)
従って、フィリピンでの就職活動において私の年齢はネックにならず、純粋にこれまでのキャリアを評価していただけました。
誕生日が過ぎて34歳独身になっていた私は、「この先結婚したとしても働き続けるのが普通」と見られていて、仮に34歳既婚だったとしても「妊娠しても産休明けに復職するのが普通」と見られたことでしょう。
■フィリピン女性の社会進出が進んだ背景
日本だと、働いている女性が結婚したり妊娠すると
「結婚することにしたの」
「じゃぁ寿退職?」
あるいは
「今妊娠◯カ月でね」
「じゃぁ仕事どうするの?(辞めるの?)」
という会話になるかもしれません。
これがフィリピンだと
「結婚することにしたの」
「じゃぁ将来に備えてもっと稼がないとね」
あるいは
「今妊娠◯カ月でね」
「今のうちから子供の面倒見てくれる人を探さないとね」
なんです。結婚や妊娠、出産、育児を理由に退職する人はあまりいません。
仕事を辞めるとその分家計が苦しくなるか、将来の不安が圧倒的に大きくなるので、むしろ夫側も妻が退職することを望んでいません。
このような背景から、結果的に女性の社会進出が進んだのかもしれません。
余談ですが、私が結婚した後に「仕事辞めないの?」と聞いてきた人はみんな、日本人でした。
■まとめ
フィリピンで働くというのは突拍子もない決断でしたが、仕事面において日本で痛い目に遭ったような「年齢や性別で苦労」することもなく、結果的に大正解でした。
日本に息苦しさを感じていたり男社会で苦労したりしている方は、旅行や語学留学などでも構わないので「女性が働くのがあたりまえの国」を経験してみてください。
もちろんメリットだけでなくデメリットもたくさんあります。日本で再就職していたらまた違うキャリアが……と思うこともあります。
でも、選ばなかった人生に思いを馳せて後悔するよりも、選んだ決断を信じてそれを「大正解」と言えるように帳尻を合わせてながら生きていたい、そう私は思います。
後悔する時間も、余計な苦労をする時間ももったいないし、時間は巻き戻せません。失敗したと気づいたら軌道修正すれば済みますし。
また、英語を勉強していたおかげで「フィリピンで働く」という判断ができ、フットワーク軽く動けました。自分の武器・強みを増やすという観点で、英語はやっておいて損はありません。