購入か賃貸か問題 - 独身30代オンナの迷い
購入か賃貸か。賃貸マンションに住み続けて十数年、購入と賃貸どっちがいいのか――30代は悩み始める年頃。でも、なんとなく賃貸住まいを続ける、という選択はそろそろやめませんか? 住まいを選び、決めるのは自分。もっと自由に考えてもいいのでは。ユキ・クリヤマさんが自身の不動産選びを連載コラムを通してお届けします。
「家を買うか、賃貸に徹するべきか、それが問題だ」
かのシェークスピアは言って……ませんが、DRESS世代にとって、住まい選びはパートナー選びと同じくらい大事なファクター。一緒に考えてみませんか?
■12年間で家賃に1584万円超費やした……気づいて震えた
ワンルーム11万円に12年間、自分で家賃を払い、住んでいます。ざっくり累計1584万円。
郵便受けに入っていた分譲住宅(いわゆるマンション)のビラなどを見るとわかりますが、中古物件だと都内だとアクセスが良い場所でも1000万円×㎡程度で買えるのです。
住宅ローンを勉強してみると、もちろん物件のプライス等の状況にもよりますが、私の現時点家賃+αくらいの金額で住宅ローン返済は十分可能。
「え、私、住宅ローン払えるくらいの月々支払い額じゃない……それも、ワンルームのリビング代くらい支払ってきたんだ」
どうせいつか嫁に行く、どうせいつか東京以外に住む、毎年言って早12年。
いつかが来ない私よ、考え直せ! と、重い腰をあげたのでした。
■購入か賃貸か……オンナ、悩むココロ実況中継
「結婚するかもしれないし」
いの一番に思いましたが、それっていつのこと? そもそも私に結婚願望ってあったかしら? (結婚願望については、いつか!)
「女が住宅ローンなんて」
もうオンナがどうだとか言ってる可愛い年齢ではないぞ、私よ。
「払えるか不安」
いやいや、賃貸だって同じ、払えなくなったら即退去よね。
「12年前に購入して住宅ローン組んでいたら、あと10年このまま働いて生きたらほぼ1LDK買えたはずだったんだ」
都内ですらおよそ2500万円もあれば、ワンルームや1LDKに十分手が届く金額です。3000万円のラインを超えたら物件によってはもっといい物件を手に入れることができますね。
よほどの大病や事故に遭わない限り、あと20年は自分で働いて生きていくでしょう。その20年でおよそ3000万をただ垂れ流すのか……?
つまり、今(1500万のコスト発生時点)が決定どころ。
私、1LDKくらいの物件を買っても良いんじゃないの! 女性の平均寿命考えたら、これからまだかなりの確率で40〜50年くらいは生きるでしょ。
■築浅のピカピカマンションか、中古ビンテージマンションか
ただ、購入に踏み切ろうとしても、新築・築浅物件を買うか、中古物件を買うかという選択が発生します。
「20代のピチピチ男性か、アラフォー以上の(場合によってはバツ付き子供あり)の成熟した大人の男性か?」みたいな問いです。
考慮ポイントは、今は築浅でも年月が経過したらその面の価値は下がるということ。新築でも鍵を初めて差し込んだ瞬間に売却価額は下がるのです。処女信仰が不動産にもあるのかい……と、妙齢のワタクシ、震え上がりました。私なんてとんだ中古物件ねぇ。
不動産投資家の新築で利ざやを稼いでいる方は、鍵を入れる前に速攻売っぱらいますが、私は住居目的での購入なので、築年数は私の好みだけで決めて良いなと仮説を持ちました(ちなみに、私は年上男性が好きです。ファザコンだもの。うふ……こちらもまたいつかの機会に書かせてください、編集部さん!)。
こうして、築浅という売りプライシングされた物件より、アクセスや物件自体の価値でプライシングされた中古のビンテージマンションに狙いを定めたのでした。
今、知り合いの不動産投資家に頼んで、都内で中古物件を探している最中。こればかりは人との出会いと同じくご縁なので急いではいませんが、勉強しつつ内覧を繰り返す日々です。
■住居選びはパートナー選びと似ている
そもそも男性のことを私たち女性は、「いい物件じゃーん!」とか「いまいちな物件だねぇ、優先度下げよう」なんて話しますよね。
それは、「(ほぼ)一生モノ」を決めること、それが共通しているからなのでしょう。他にも、こんな点がよく似ております。
1.ご縁がすべてだけれど、自分から動かないと出会えないこと
2.常にメンテナンスしないといけないこと
3.誰(何)を選んでもメリットやデメリットがあること
【賃貸】
〈メリット〉
・ライフスタイルの変化や気持ちに合わせて変更しやすい
・初期費用が安価(敷金、礼金、仲介手数料で家賃の数ヶ月ぶん)
・修繕積立金などはオーナー持ち
〈デメリット〉
・オーナー都合で退去させられる場合あり
・支払い滞った場合は基本は即退去させられる場合あり
・「資産」にはならずひたすら「コスト」、失職したりひとり暮らしのおばあさんになったら契約更新できないリスクあり
【購入】
〈メリット〉
・支払い完了すれば、「資産」、おばあさんになっても住んでいられる
・リノベなど、お金さえあって建築基準法等を無視しなければ自由に行える
〈デメリット〉
・住宅ローン返済がマスト
・月々の修繕積立金や管理費の支払いが発生
・将来的にローン返済以外のコスト発生(固定資産税の支払いや、リフォーム費用)
■購入or賃貸 住居選びだって、私たちは自由
酸いも甘いも噛み分けて、目利きになって、キャリアがあるDRESS世代の淑女の皆さん。
パートナー選びと同じくらいプロアクティブに住居含むライススタイルを自分で設計してもいいのではないでしょうか。
あなたにフィットするのが賃貸でも購入物件でも、いいのです。
でも、「なんとなく賃貸」はそろそろ卒業、かも? オトナのオンナ、ですもの。