「女」が「おばさん化」するとき

「女」が「おばさん化」するとき

おばさん化が進行するのは30代以降。同時期に「おばさん」という単語に対し、だんだん敏感になってくる。できればそんなふうに呼ばれたくない。おばさんって見た目の問題? それとも、ほかにきっかけはあるのか。ちょっとした視野の持ち方で、死ぬまで「おばさんにならない女」でいられるのかもしれない。


■おばさん化した人たちを見て、ああなりたくないと思った20年前

高校時代、西武新宿線を使って通学していた。東京の西武新宿駅と埼玉の本川越駅を結ぶ鉄道路線だ。

車窓から見える風景はとてものどかなもので、鷺ノ宮駅から下り方面は田園風景も見えていた気が、する。

通学通勤時間帯はそれなりに混んでいたけれど日中はガラガラで、テスト期間中は帰ってテスト勉強をしなくてはいけなかったとしても、少し嬉しくもあった。

一車両を独り占めして外を眺める。そのときばかりはMDウォークマンのイヤフォンも外していた。

そんなほのぼのとした気分をぶち壊すのが、けたたましい女性たちの話し声。わあわあ言いながら乗り込んできて、「あっちの席がいいわよ」「いやよ、こっちは日が当たるじゃない、焼けちゃうわ」などと言いながら、足を広げて長椅子を広々と使う。

太ももがだいぶ太くなってるから、ちゃんと足が閉じられないんだろうな、ああいうおばさんになりたくないものだな、とまだティーンだった私は失礼ながら思っていた。

■30代に入ると「おばさん」なのか?

アラサー、などと言われ始める頃から、周りからどう呼ばれるかは気になるようになった。私にはひと回り離れた弟がいるが、彼から見れば私はおばさんかもしれない。

彼にとっては姉であるから、おばさんとは呼ばれないだろうけれど、彼の友人からしてみれば、私はおばさんと呼ばれる年代に差しかかっているのかもしれない。

アラサー女子、アラフォー女子。20代の頃は素直に受け入れられていた言葉が、今となってはすごく抵抗を感じる。

だってもう私、女子じゃないもの。でも、おばさんと呼ばれるのもなんだかな。何とも複雑なお年頃なのである。

■「おばさん化」は言動と視野の狭さが引き起こす

何歳からがおばさんなのか、どうなったらおばさんなのか。

年齢でばっさりと区切るのはあまりにも辛い。昔に比べて、女性も男性も若々しい人が増えているように思う。そうなると、やはり言動によるものではないだろうか。

若い子に向かって
「ちょっとおばさんにはそういうことわかんないな」
「若いっていいね」
……などとつい言ってしまいがちだが、自己嫌悪に陥るし、言われた相手も困ってしまう。

野暮な言い回しの上に、誰もハッピーになれないのでやめたほうがよさそうだ。年下の人との会話のときにとても便利なセリフではあるのだけれど。

視野の狭さも大きな問題のような気がする。

30代半ばに差しかかると、あなたの人生の主役はあなたで結構だけれど、他人の人生の主役はあなたじゃないんですよ、と言いたくなるような行動を取る人を最近ちらほら見かける。

要は思考が自己中心的になってきているのだ。自分の思い通りにならなかったらヘソを曲げる、不機嫌になる、どうして自分の言うことを聞いてくれないのかと癇癪を起こす。

こんなのは小さい子どもだけかと思っていたけれど、おばさんにも当てはまるのではないか。自分しか見えていないから、大きな声でしゃべるし、自分が歩いている道を阻む人が現れれば「気が利かないわね」と舌打ちをする。

■「おばさん」と言われても、笑って応対する余裕がほしい

とはいっても「おばさん」もしくは「おじさん」と呼ばれる要因はたくさんあるだろう。私が挙げたのはほんの一部に過ぎない。

ただ、ひとつ言えるのは「ねえ、おばさん」と呼ばれたときに、「おばさんじゃないわよ、お姉さんでしょ!」と怒るとあまりにも器が小さく見える、ということだ。

「なあに?」と笑顔で受け止められるぐらいの心の広さは、どんな場面でも必要なはずだ。

ちなみに、昔は40歳ぐらいで初老と言われていたらしい。今は定義が変わって50歳代から60歳代を指すことが多いという。

今後、その定義はさらに変わっていくかもしれないし、いつか「おばさん」「おじさん」もいなくなるのかもしれない。

【編集部おすすめ】「おばさん」は蔑称か

https://p-dress.jp/articles/811

私は今42歳。最近、周囲のスタッフに年下が増えてきた。現場マネージャーも、その上のマネージャーも年下だ。まだ一緒に仕事を始めて日が浅いこともあり、相手がいろいろ気遣ってくれるのがわかる。

この記事のライター

シナリオライター。1982生まれ、大阪府出身。大学卒業後、2006年よりライターとして活動を始める。現在は胃が虚弱な痩せ型男性と暮らしながらラブストーリーについて考える日々。焼き鳥とハイボールと小説、好きなアイドルのライブに...

関連するキーワード


生き方

関連する投稿


東京で幸せに生きるコツは「人と比べる」のをやめること【佐藤あつこ】

東京で幸せに生きるコツは「人と比べる」のをやめること【佐藤あつこ】

忙しすぎる日常が流れる東京。あまりにも忙しすぎて、情報が多すぎて、本当に自分が幸せなのか、不幸なのか、その基準を人と比べることによってのみ、判断するとつらくなる現状です。自分は自分、人は人。自分の幸せは自分で決める。そのスタンスで生きる人が都心での暮らしで幸せになれる人だと思います。


同性に愛されるしなやかな人とは

同性に愛されるしなやかな人とは

できれば誰からも嫌われたくない。いろんな人から好かれたい、と思う。しかし、どうすればいいのか。同性に好かれるような人になるために必要なことは実はとても簡単なことなのだと思う。


「いい年して年甲斐もなく」という時代遅れな言葉が人を老化させる

「いい年して年甲斐もなく」という時代遅れな言葉が人を老化させる

「いい年して年甲斐もなく」この言葉を周りの人から言われるのではないかと、したいことをできずにいる人は多いのではないだろうか? 年相応に生きることを世間に強いられていると感じる人も多いだろう。しかしその言葉こそが人の可能性を封じ込めて、人を老けさせてしまっているように思う。


自分が信じるものを、自分で決める――『サラバ!』が教えてくれた大切なこと

自分が信じるものを、自分で決める――『サラバ!』が教えてくれた大切なこと

西加奈子さんの作家生活10周年記念作品『サラバ!』(西加奈子/小学館文庫)の文庫版が、今秋発売されました。上中下3巻に渡る長編ながら、読みやすい文章と鮮やかな人間描写で、ワクワクしながら読み進められる作品です。現代を生きる私たちに訴えかけてくる、作品からの力強いメッセージをご紹介します。


男性は、好みの女性を“消費“する行為に慣れている【漫画家・鳥飼茜さんインタビュー】

男性は、好みの女性を“消費“する行為に慣れている【漫画家・鳥飼茜さんインタビュー】

鳥飼茜先生が描く『ロマンス暴風域』は、さえない非常勤美術教師の「サトミン」が風俗嬢の「せりか」と恋に落ちるストーリー。特にラストの展開はハラハラが止まらない。今回は、男女の性の差について切り込む作品の多い鳥飼さんに、男性が風俗に行く理由や、男性はなぜあざとい女性に夢見がちなのかを聞いた。


最新の投稿


彼がもっと素敵に見える。女性が押さえておきたい男性用シャツとネクタイの常識

彼がもっと素敵に見える。女性が押さえておきたい男性用シャツとネクタイの常識

ビジネスシーンに最もふさわしくクラシカルなドレスシャツは、綿100%の白無地と言われているのをご存知ですか。男性用シャツの歴史を知ると、TPOに合ったシャツ選びができるようになります。シャツの正しい知識を押さえて、ビジネスシーンにふさわしいシャツ選びをパートナーとふたりでしてみてはいかがですか。


冬の老け顔をメイクで“なかったことにする”方法

冬の老け顔をメイクで“なかったことにする”方法

老け顔をメイクで“なかったことにする”方法をご紹介します。寒い冬は、顔や手足が冷えて全身の血流が悪くなり、顔色が冴えなかったり、疲れているように見えたりと、老け顔になりがち。目元や口周りなど、気になるポイントを押さえて、メイクでささっとカバーしてしまいましょう。


LINEの返信が遅い彼にイライラ……怒りを生み出しているのは自分かも【大人の上手な怒り術#2】

LINEの返信が遅い彼にイライラ……怒りを生み出しているのは自分かも【大人の上手な怒り術#2】

怒りと上手く付き合うための心理トレーニング「アンガーマネジメント」。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事・戸田久実さんがお届けする連載【大人の上手な怒り術】第2回ではパートナーとのLINEのやりとりでイラッとしたときの、怒りとの付き合い方をご紹介します。


【GINZA SIX限定】フランク ミュラー×極上森伊蔵の2018年正月限定セット

【GINZA SIX限定】フランク ミュラー×極上森伊蔵の2018年正月限定セット

GINZA SIXの「フランク ミュラー ジュネーブ」では、FRANCK MULLER×極上森伊蔵 霧島切子セット<2018年正月限定>を発売中。1日1本限定で、全30本のご用意になります。高い美的感覚と最高の品質を貫くフランク ミュラーに共鳴する極上森伊蔵 霧島切子セットとGINZA SIXで出会ってください。


大人上品なブラウンヘアに仕上がる、おしゃれな白髪染め

大人上品なブラウンヘアに仕上がる、おしゃれな白髪染め

植物ヘアカラーのイメージ「染まらない」「髪色が合わない」「使いにくい」を払拭した画期的な商品「エコーレア ブラウン」(頭髪用化粧品)が、自然派化粧品エコーレアから新登場。高品質のヘナ色素とインディゴをブレンドした初めての方にも使いやすいヘナカラーです。


おっぱい