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老後資金は3000万円も必要?いくらあれば困らないか、自分の状況に応じて計算を

老後資金はいくら必要か? 一般的には3000万円(1人あたり)といわれますが、老後資金の必要額は人によって違う、と考えるのが正しいです。カギになるのは働き方別にもらえる額が異なる年金。ねんきん定期便を見ながら、老後資金がいくら必要か確認する方法をご説明します。

老後資金は3000万円も必要?いくらあれば困らないか、自分の状況に応じて計算を

■老後資金、一般的にはいくら必要?

老後資金というと、一般的に3000万円あれば最低限の生活ができる。そう聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。その根拠を確認してみましょう。

総務省の家計調査では、高齢者(1世帯あたり)の1ヶ月の支出平均は約27万円です。それに対して収入は約21万円。結果、毎月6万円の赤字です。

女性が60歳から87歳まで生きるとすると、約3200万円を準備しておかなければならないのです。

ゆとりある生活を送るために用意しておきたい月々の生活費は35万円。リタイアするまでにこれだけのお金を準備する必要があると言われています。

■自分なら、老後資金はいくら必要?と考えて

上記はあくまで一般的な事例。では、自分の場合はどうだろう? と個々の状況に応じて考えるべき。

以下の計算式は、老後資金の計算方法です。ご自身の場合を当てはめて考えてみてください。

・毎月の収入×12ヶ月-(毎月の支出×12+年間特別支出)=1年間に不足するお金
・1年間に不足するお金×余命+その他支出=老後に必要なお金(老後資金)

実際に計算しようと思っても、DRESS世代の皆さんにとって、将来の収入も支出も余命も想像しづらいのが正直なところではないでしょうか。

ですが、「先のことだし、まだいっか!」とこのままにしてしまうと、準備する間もなく老後がやってきてしまいます。

現代の働き方は、同じ会社で定年まで勤め上げる人もいれば、転職を繰り返す人もいます。雇用形態も人それぞれです。

そのため、収入や退職金の有無、年金の給付額もバラバラ。早いうちから、自分の場合はどれくらい必要かを知って備えることが、安心して豊かに暮らせる老後につながります。

■知っておきたいのは、年金制度

遠い未来の老後については、どうしても「老後資金、足りない……」というふうに、負の面に目を向けがち。ですが、年金という「収入」を意識することで、将来に備えることもできます。

「ねんきん定期便」は老後を考えるための重要書類!

毎年、誕生日月に届く「ねんきん定期便」のハガキ(*)を見たことはありますか?

「毎年楽しみに(?)見ています」という方はOK。「そういえば、来ていたかも……」という方は、今度ねんきん定期便が届いたら、じっくり確認してみてください。

というのも、ねんきん定期便こそ、自分の将来を想像できる最強のツールだから。ねんきん定期便には、年金加入期間、加入実績に応じた年金額が書かれています(50歳を過ぎると、年金加入期間、年金の見込額の記載になります)。

実際の年金額を確認することで、「想像していたよりも、年金はもらえるのかな」「いや、全然老後の生活に足りない」など、老後資金のことを現実的に考えられるようになります。

国民年金基金の年金ネットに登録すると、将来の年金受取額の見込みを計算できます。年金の見込み額を知ることは、老後資金をいくら準備すべきか計算するヒントにもなるでしょう。

(*35歳、45歳、59歳は「節目の年齢」とされ、その年の方には封書で届きます)

働き方によって、年金の種類も違う

また、知っておきたいのが、「働き方によって受け取れる年金の種類が違うこと」です。

会社員の方は、国民年金と厚生年金の2段階建が基本。一部の会社では会社が準備してくれる企業年金がある場合もあります。

一方で、フリーランスの人は国民年金のみとなり、自分で準備する金額も手厚くする必要があります。

■老後資金がいくら必要かを知って、将来を楽しむ準備を始めよう

老後資金が気になった方は、ねんきん定期便を上手く利用しながら、自分の場合はいくらくらい必要になりそうか、計算してみてください。

「楽しい毎日を重ねていきたい」と願う気持ちは、いくつになっても同じです。困らない幸せな老後を迎えられるよう、今から真剣に考える時間を設けてほしいと思います。

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荒木 千秋

ファイナンシャルプランナー。神戸大学経済学研究科修士課程修了。 メガバンクに勤務時は、富裕層や会社オーナーを対象とした投資相談業務に従事。同年代の友達と話していると自分の知識や経験は、普通の働く女性に貢献すべきだと実感、独立...

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