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子供がいないと離婚しやすい? 子なし夫婦の「かすがい」を考える

離婚を選択する子なし夫婦を数多く見てきた。一方で「子はかすがい」という言葉があるように、子どもがいれば、夫婦の仲をつなぎとめてくれる――そんな風潮は根強い。では、子なし夫婦は何をかすがいにすればいいんだろう? 結婚6年目、子なし夫婦の筆者が考えます。

子供がいないと離婚しやすい? 子なし夫婦の「かすがい」を考える

■結婚ラッシュに出産ラッシュ、並行して密かに増える離婚

女性の20代後半から30代はめまぐるしい。

26歳から30歳くらいまでは、結婚ラッシュ。週末になるとFacebookには誰かの結婚式シーンが並び、実際に列席することもしょっちゅう。

結婚ラッシュが落ち着いたかな、と思ったら出産ラッシュ。やっぱり「30歳」という年齢は出産を強く意識させるのか、既婚女性が次々とママになっていく。Facebookはまた「【ご報告】」であふれる。

その一方で、Facebookにドーンと書かれることは少ないけれど、静かに確実に増えるのが、離婚する夫婦だ。

久しぶりに会った友人から、「実はさ、離婚したんだよね」と言われることが珍しくなくなる。3組に1組が離婚するご時世、と知ってはいるけれど、実際に自分の周りで離婚するカップルが出ると、その数字が急にリアルに感じられるようになる。

私は、離婚自体にネガティブなイメージはあまりない。もちろん、手放しにめでたいことではないし、離婚に際しての心労や消耗度合いはかなりのものだろうなと思う。でも、より良い人生に進むための選択をしたんだな、というポジティブ寄りな「再出発」のイメージだ。

■子なし夫婦は離婚しやすい?

ところで、私が知っている離婚した男女は皆、子なし夫婦だった。まだ若いうちの離婚で、妻も夫もバリバリ働いているカップルばかりだから、そうなるのも必然かなと個人的には感じる。

でも、世間では「子はかすがい」「子供がいないと離婚しやすい」とまことしやかに言われている。私なんて、実の父から言われた。

「離婚したいと思っても、子供の顔を見たら、あぁこの子のためには別れられない、と思う。だから子供の存在は大切なんだ」と。子供の問題は夫婦の問題なので、親とはいえ口を出さないでほしいと反発を覚えた記憶がある。

たしかに、子供がいれば離婚のひとつのストッパーになるだろう。夫婦ふたりだけよりも、離婚への心理的障壁は確実に高くなると思う。

親権はどうするのか、大人の都合で子供をどちらかの親と引き離してしまって良いのか……などと考えるうちに、自然と「現状維持」を選択するのは、ある程度納得のいくことだ。

夫婦ふたりだけだと、そのストッパーは機能しない。

私自身も、長い結婚生活、何があるかわからないから、子供がいたほうが夫婦関係の安定につながるかも……と考えたことがないと言えば嘘になる。

■「子供のために離婚しない」のは健全だろうか?

ただ、些細な夫婦げんかの仲直りならまだしも、完全に崩壊しきった夫婦関係を「子供のため」と維持し続けるのは、はたして本当に子供のためになるんだろうか。

母親が父親に殴られるのを見続けて育つ子供、毎日のように罵り合う両親を見て育つ子供にとって、両親の「現状維持」は必ずしもいいものとはいえない。

「かすがい」の役割を全部子供に背負わせることは、残酷にも思えるのだ。夫婦のかすがいは子供だけじゃなくて、ふたりで成立するものもあるほうが健全ではないだろうか。

■結婚6年目。子なし夫婦の「かすがい」は居場所

我が家は子なし夫婦6年目。私たちには子供というかすがいはない。

じゃあ、何をかすがいにすればいいんだろう? 愛情? 共通の趣味? ペットでも飼おうか?

どれも悪くはないけど、いまひとつ弱い気がする。「離婚」という文字が頭の中をよぎったときに、「いや、でも」とストップをかけるかすがいーー何だろう?

その答えは、これまでの生活でなんとなく感じてはいたものの、言語化しようとしたことがなかった。そうしたら先日、ドラマの中であっさり出てきた。「居場所」だ。

人気ドラマ『カルテット』(TBS系)は、4人の弦楽奏者が“たまたま”出会ってカルテットを結成し、軽井沢の別荘で共同生活を送りながら演奏活動をするという設定。

本作のなかで、松たか子さん演じる女性が、満島ひかりさん演じる、血のつながった家族との縁が薄く、帰るべき場所がない女性に、こんな言葉をかける。

「私たちって、同じシャンプー使って、同じお皿使って、洗濯物もみんな一緒に洗濯機に放り込むじゃない。それって、家族じゃないけど家族みたいなものですよ。あそこが、あなたの居場所です」。

それを聞いて、「あぁ、夫婦もそれだ」と思った。夫婦は、法律婚をしていれば戸籍上も家族だ。

でも、血縁関係がもともとあるわけでもなくて、もとは赤の他人だったふたりが、夫婦という共同体を作って、日々の生活を共にして、物質的・精神的にいろいろなことを共有するうちに、ふたりでいることがお互いにとって一番の「居場所」になっていく。

外でどんなに嫌なことがあっても、つらい思いをしても、自分には自分をまるっと受け入れてくれる居場所がある。そこへ帰れば身も心もほっとできる。

ハッピーなことがあったとき、それを居場所で共有すれば喜びが何倍にも膨らむ。多くの人間にとって、そんな「居場所」の存在は情緒の深い安定に欠かせない。

その「居場所」をふたりで大切に育めば、なによりも強固な「かすがい」になるんじゃないだろうか。

きっと、夫婦の数だけ「かすがい」がある。我が家は我が家なりのかすがいを、日々ちょっとずつ、強く温かいものにしていきたいなと思う。

※この記事は2017年2月11日に公開されたものです

吉原 由梨

ライター、コラムニスト。1984年生まれ。東大法学部卒。外資系IT企業勤務、教授秘書職を経て、現在は執筆活動をしながら夫と二人暮らし。 好きなものは週末のワイン、夢中になれる本とドラマ、ふなっしー。マッサージともふもふのガ...

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