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「多のう胞性卵胞症候群」の原因や治療は? 自身も経験した女医が振り返る

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多のう胞性卵巣症候群の症状や原因、治療などを、自身も多のう胞性卵胞症候群 だと診断された女医の岡本彩さんが解説します。

「多のう胞性卵胞症候群」の原因や治療は? 自身も経験した女医が振り返る

■多のう胞性卵胞症候群とは

多のう胞性卵巣症候群とは、卵巣の中に卵胞(卵子が入ったふくろのこと)がたくさんできる状態です。英語の病名である「Polycystic ovary syndrome」の頭文字をとり、PCOまたはPCOSと省略されます(以後PCOまたはPCOSと表記します)。

PCOであっても軽度であれば妊娠は十分可能ですが、排卵が起こりにくくなるため不妊症の原因になることがあります。排卵に問題があるのはPCOの7割程度と言われます。

卵巣は左右2つあるため、片方だけがPCOのこともあります。私の場合も、片方の卵巣だけがPCOでした。

■多のう胞性卵胞症候群の症状

PCOの症状には多い順に、月経不順や無月経、不正性器出血、不妊、男性ホルモンが卵胞で作られることによる多毛やにきび、肥満などがあります。ただし、これらの症状がみられなくてもPCOである可能性があります。

現に私の場合、片方の卵巣がPCOでしたが、毛深くもなく肥満でもなく、月経も毎月あり妊娠もできました。外見からわかる症状や自覚症状がまったくなく、超音波検査で初めてPCOとわかったのです。

超音波検査を受けたとき、婦人科の先生に「多のう胞性卵巣症候群ですね」と言われて画像を見ると、婦人科の教科書で見たとおりに卵胞がたくさんあって、驚いたのを覚えています。

■多のう胞性卵胞症候群の原因

PCOの原因は複雑で、LH(黄体ホルモン)の異常分泌、インスリン抵抗性(血糖値を下げるホルモンであるインスリンのはたらきが不十分な状態)などが卵巣でのアンドロゲン(男性ホルモンのひとつ)の異常分泌につながり、卵胞の発育に問題が起こると考えられています。

ですので、本人の生活習慣が悪かったせいだとか、年をとったせいというわけではありません。ホルモン同士の作用などは複雑なので、もしご自身がPCOSと診断されたら、そのときに医師から説明を聞いてくださいね。

■多のう胞性卵胞症候群の治療

PCOSの治療は妊娠を希望しているか否かによって異なります。妊娠の希望がない場合の治療には、(1)カウフマン療法(エストロゲン、プロゲステロンというホルモンの注射または内服)、(2)低用量ピルの内服、(3)漢方薬、(4)メトホルミン(糖尿病の薬)の内服などがあります。

妊娠の希望がある場合の治療は、排卵誘発剤クロミフェンの内服です。排卵が起きなければ排卵誘発の注射をすることも、ほかの薬を併用することもあります。

また、腹腔鏡を使った手術も有効な治療です。治療は個々のケースによりさまざま(※私はPCOが片方の卵巣にあったものの、排卵があったため特に治療をせず妊娠しました)であるため、実際は主治医の先生と相談した上で進めていくことになります。

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岡本 彩

1982年広島市生まれ。2007年大阪大学医学部卒業。医師。外国人のパートナーとの間にもうけた2児のシングルマザーでもある。 予防医学と訪問診療にたずさわりながら、個人でセミナーやコンサルティング、執筆などもしています。

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