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人生が好転する、女性が持ちたいバランス感覚

人生が好転する人は、生きていくなかで、何をどれくらい大事にするか、バランス感覚を大切にしています。人生を好転させたい女性が持つべきバランス感覚について、着付け師・ウエデイングプランナーの杉山幸恵さんが提案します。

人生が好転する、女性が持ちたいバランス感覚

着付け師・ウエデイングプランナーとして、お祝い事に携わる仕事を続けて30年あまり――。『着付け師という仕事 改訂版』著者の杉山幸恵と申します。お客さまの笑顔に寄り添って、晴れの日を迎えるお手伝いをしてきました。この仕事をしていると、成人式や結婚式など、女性が輝いている一瞬に日々立ち会います。


人生の晴れの舞台に、最も美しい姿で臨んでいただきたい一心で、着付け師として多くの花嫁たちに着物を着付けてきました。そこで私が最も重視しているのが、それぞれの花嫁の個性を大切にしたつつましさと華やかさの対比をバランス良く表現していく着付けの「花嫁姿の黄金バランス」です。


これは簡単にいうと、生きていくにあたり、何をどれくらい大事にするか、というバランス感覚にも似ていて、女性が輝き、より美しい人生を送るということにも通じるバランスだと思っています。


つまり「人生の黄金バランス」とは、オンとオフの切り替えと捉え方で幸せオーラをまとい、整えられるものなのです。今回は、仕事とプライベートの視点から「人生の黄金バランス」を考え、それを整える4つの方法をご紹介します。


■1.壁にぶち当たったときは、失敗をチャンスに変える

私は現在、2社の会社を経営しています。1社は、着付け師をはじめとするスタッフ育成と派遣やプロデュース業をおこなう会社。そしてもう1社が、ウエデイング会場運営をおこなう会社です。


どちらのビジネスも、お客さまの「一生に一度の晴れ舞台」に関わります。お客さまにご満足いただくことはもちろんですが、笑顔に満ちたシーンをともにつくりあげるスタッフにも、いつも笑顔でいてもらいたい――そんな理想を掲げています。


しかし現実には、お客さまにとっての一生に一度の舞台では、失敗は絶対に許されません。そのプレッシャーに立ち向かうことができるスタッフの育成、そして終わりのない会社経営というものの中で、壁にぶち当たることもあります。


その壁をどのように乗り越えていけるか。いえ、乗り越えるのではなく、どう捉えるかが重要ではないでしょうか。“壁の捉え方次第”でマイナスになるかプラスになるかは決まってきます。


たとえば、私たちのようなサービス業の場合には、お客さまの要望に思うように応えられないという“壁”にぶち当たることがあります。その事実を素直に受け止めて、次回は認められるように前向きに努力しようと捉えられる人、または、プライドが高すぎるあまり、自分ができなかったことをお客さまに責任転嫁してしまう人……。前者のように、失敗をチャンスに変えることができるバランス感覚を持っている人こそが、キャリアを築いていける人であることは言うまでもありません。


■2.マネジメントをするなら「理想」と「こだわり」のバランスをとる

また、経営者や部下のマネジメントを任されている人は、スタッフとのコミュニケーションにおいても黄金バランスが必要です。そこでポイントとなるのが「理想」と「こだわり」のバランスです。


経営者である私にとっての「理想」とは、クレームのない接客をし、最終的には会社の発展へとつなげていくこと。そのためにマナー講習では身だしなみと言葉使いには特に重点を置いて指導をしています。


そして「こだわり」の部分では、美をつくりあげる者として、スタッフにも気持ちも身だしなみも常に綺麗であってほしいということです。そんな思いから、私の会社では男女問わずスタッフ全員が、プロのヘアメイクさんからの指導を受けてもらい、自分を美しく見せるテクニックを学んでもらっています。そこには、単に会社のため、仕事のためということだけでなく、自分磨きもしてもらいたいとの思いも込めています。


内面も見た目も美しくなった姿を見れば、自然と笑顔が出てくるものです。ほどよい関係性を保ちながら、スタッフとのコミュニケーションを取る。それが上司と部下という関係のなかでの黄金バランスではないでしょうか。

■3.時間の使い方を考え、見直す

最近では、紅茶を入れるときくらいにしか使わなくなった「砂時計」。以前友人からこんな印象的な言葉を聞きました。


「砂時計って砂の落ちる速さは同じなのに最後は、シュッと早く落ちているように感じるよね」
「まるで人生みたいだね」
「子供の頃は早く大人になりたくて20歳まで遠く感じて、でも30歳前後になるとアッという間に年をとっていって、その後は気づくと○○歳(笑)」


私はなるほど、と思いました。世の中、同じ時間で過ぎているはずなのに、自分の捉え方次第で、早く感じたり、遅く感じたりするということです。


この限られた時間の中で、女性は仕事・結婚・出産など、何度も「選択」の場面に遭遇します。同じ一生の時間を過ごすのだから、充実した人生を送りたいものです。私はいつもあともう少し時間があればいいのにと思いながら過ごしていますが、限りある時間の中でも精一杯、時間を有効に活用するよう意識しています。


経営している会社は、事務所の場所が別なので、2社の行き来で毎日が目まぐるしく過ぎていきます。全員に平等に与えられているはずの1日=24時間。「時は金なり」といわれるように、仕事をする上では時間はお金に換算できるほど大切です。


どこに一番時間を使い、何にお金を使うか。誰かに時間をもらうのであれば、相手の立場に立ち、感謝の気持ちを持つ。また、誰かにしていただいた事を別の誰かにして差し上げる、といった時間とお金の使い方のバランスによって好循環が生まれると考えています。


■4.何でもポジティブに考える習慣を身につける

時間を効率的に使うためには、気持ちの切り替えがとても重要です。切り替えをうまくできればストレスも軽減されるのではないでしょうか。


仕事もオフの日もいつも前向きに考え、よくないものを溜めないこと、振り返らないこと――。誰でも失敗や後悔はあります。でもそのときにどう自分で乗り越えるか。


くれぐれも「あのとき〜しなければよかった」などのネガティブ発言はしないこと。どんどんマイナスオーラが出てしまいます。


でも「あのとき〜だったから今度は〜しよう! 」とポジティブに考えれば、自然とパワーもみなぎってきて、成功したときのことを想像すると、自然と楽しい気持ちになるものです。そうやって自分で自分の気持ちのモチベーションを高めることもライフスタイルの黄金バランスです。


私の場合は、心が疲れているときは、仕事のことは何も考えず、何もしないで大好きな愛犬たちと綺麗な空気の「気の流れ」の良いところへ行き深呼吸! 美味しいご飯を食べてお腹も気持ちも体内へパワーチャージをします。オンとオフの間の「無」になる日をあえてつくって、何もしないことで「心と体のバランス」を保つようにしています。


ただありがたいことに、婚礼の仕事に携わっている私は、あえて休みをつくらなくても神社挙式のときに知らぬ間にチャージされているかもしれません。


Text/杉山幸恵
着付け師・ウエディングプランナー。着付け師歴30年。これまでに1万件以上の着付けを手がける。奈良県出身。野村證券株式会社でOLを経験後、着付け教室で着付けを修得し、講師・着付け師のキャリアを積む。独立後、さらに着付け技術を研究し「現場で即戦力となる着付け師を育てる」ことを目的としたカリキュラムのスクールを開講。2007年に株式会社アントワープブライダルを設立。現在は「晴れの日の上質」をコンセプトに、年間600件以上の一般着付け・婚礼着付け、ウエディングプロデュースを手がける。また、着付け師・ヘアメイクスタッフの派遣、着付け師育成スクールを行う傍ら、他業種などへ「顧客コミュニケーション」セミナーを実施。2013年、90年以上の歴史ある邸宅で、大人ウエディングを叶える会場「ラッセンブリ広尾」をオープン。

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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