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「結婚できないんじゃないんです、しないんです」と言える人生を生きよう

「普通のOL」って何? 寿退社しか将来の道がないなんて、ホントにそう? わたしには才能がない、だから結婚するしかないと、息苦しい気持ちで生きているあなたに贈るコラムです。

「結婚できないんじゃないんです、しないんです」と言える人生を生きよう

■「普通のOL」ってどんな女性を指すの?

「まだ結婚していないというだけで、どうしてこんなに居心地の悪い思いをしなくてはいけないの?」
先日、年下の友人とひさしぶりにお茶をしたとき、彼女はこう嘆いたのでした。35歳、独身、OL。身長は160cmとすこし。品のよいワンピースが好みで、いまどき珍しいくらい「お嬢さま」っぽい彼女。

「『まだ結婚しないの?』『より好みしている場合じゃないでしょ』って、会社でもあたりまえのように言われるんです。みんなにあまり言っていないだけで、婚活だって精一杯がんばっているんですよ。結局、わたしが普通のOLだからこんなふうに言われるんだわ。専門職をもっていたら、結婚していなくたって、堂々としていられるはずなのに……」
結婚しようとするまいと、個人の自由に決まっているというのに。心ないマリアージュハラスメント=マリハラって、まだまだあるのですね。「そういうものかしら」と彼女に言葉を返しながら、わたしの中で、何かひっかかるものがありました。「普通のOL」とは一体、どのような女性を指すのでしょう。特に「普通の」という部分が気になります。

 通常の解釈からすると、総合職ではなく一般職採用の女性、ということになるでしょうか。総合職の補佐的な業務を担当する女性。定型的な業務が多くて、総合職より給与もちょっと控えめ、といった感じ? 「普通のOL」を自認するその友人は、文具メーカーに勤務しています。伝票整理が主な仕事、という毎日を送っているとのこと。たしかに、いわゆる一般職のイメージ通りの仕事ではあるかもしれません。けれども、「普通の」と定型の形容詞を使い慣れてしまうことで、彼女自身が自分の可能性を狭め、「普通のOL」という枠に自分を閉じこめてしまっているのではないかと心配です。

■才能なんて関係ない 得意なことは未来を広げる可能性になる

「大学を卒業してからもう12年以上同じ会社で、単調な仕事をしているのよ。わたしだってさっさと結婚して寿退社したいわ。でも、景子さんみたいに、自力で生きていけるような才能がわたしにはないんだもの」
 うーん。「才能」という言葉もとても危険。「○○さんは才能がある」「けれどわたしにはない」。そんなふうに決めつけてしまうことで、自分の中にたくさんある可能性の芽を摘み取ってしまっているんですよね、きっと。生きてきた時間の分だけ身に着いた特性はたくさんあるのです。誰にでも。もちろんあなたにも。

 食べることが好きなあなたなら、美味しいお店の見つけ方がうまいはずですし、旅行好きのあなたなら、素敵な旅のプランニングが得意でしょう? あるいはたくさんの荷物を手早くスーツケースに詰め込むノウハウを知っているかもしれません。自分では何でもないことのように思っているそんな一つひとつの特性は、かけがえないあなたの魅力です。と同時に、起業の可能性を秘めた、大事なコンテンツでもあるのです。

「このくらいのこと、誰だって知ってるもの」という言葉もよく耳にしますが、そこで諦めてしまうのも惜しいことです。「このくらいのこと」に思える知識にもう一歩だけ踏み込んで魅力をつけ加えれば、コンテンツとしての価値はちゃんと発生するのですから。
 たとえばあなたが、青山周辺のグルメ情報に詳しいとします。それを「青山グルメ情報」と呼んでしまえば、無数に挙がる検索候補のひとつに埋もれてしまうかもしれませんね。けれども和・洋・イタリアン他、ジャンルを網羅したお店リスト、そのエリアのブティックと併せて、コンパクトに紹介するサイトを作ってみたらどうでしょう。コンパクトに、という点がポイント。多すぎる情報は、そこから取捨選択するためにひと手間を要します。その手間がかからない、本当にそのまま使えるミニマムな情報のパッケージは、ありそうで意外とない、貴重なコンテンツなのです。

 もしあれば、このブランドのショップとこのセレクトショップを覗いて、それからここでお食事して、そのあとこのBARに寄ってもいいねなんて、限られた時間で青山を効率良く楽しむプランニングをするのに、とても便利そうです。見やすく美しいサイトなら、1冊の本にまとめて、出版……といったことも夢ではないかもしれません。会社に勤めながら副業として本を出版してもよいですし、そこまでくると退職して独立、といったことも実現できる可能性が出てきます。

■結婚してあげない!ってほほ笑んで生きよう

 もちろん、誰もが独立して起業すれば良い、と言うつもりはありません。けれど、「その気になれば飛び立てる翼がわたしにもある」と知った瞬間から、あなたは「普通のOL」などではなくなります。「才能がない」「寿退社に賭けるしかない」なんて、自分の価値を矮小化していた思い込みの殻を脱ぎ捨て、これまでよりいきいきと輝く、魅力的な女性へと変貌を遂げることができるのです。
 そのとき、きっとあなたは胸を張って言えるはず。「私、結婚できないんじゃないんです、しないんです」って、にこやかにほほ笑んで。こんなにチャーミングな私が惚れ込むほどの男性に出会わない限り、結婚なんてしてあげませんからって。

 あなたにそんな日が一日も早く訪れますよう祈って、このコラムを贈ります。

湯木 景子

各女性誌ライター、広告プランナーとしての豊富な経験をもとに、女性が人生をより楽しく生き、魅力を磨くためのコンテンツをお届けしています。

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