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一人ひとり理想の働き方は違うから。「ママだからバックオフィス」という固定観念を捨てよう【ワーキングマザー会議 後編】

子育てをしながら働けるという環境を与えられ、自分はどんな形で会社に貢献することができるか?+αで何ができるのか? 母であり一社会人でもある女性たちが、ワーキングマザーとしての心構えについて意見を交わしたミーティングの模様、後編をお届けします。

一人ひとり理想の働き方は違うから。「ママだからバックオフィス」という固定観念を捨てよう【ワーキングマザー会議 後編】

「エクスボーテ」などのコスメを手がける化粧品メーカー「マードゥレクス」にも、多くの働くママが在籍しています。今回はママさん社員が集まって行われた同社のミーティングの様子を取材。働くママたちのリアルな声を聞きました。前編はこちらから

■「多様であることがあたりまえ」な環境をつくりたい

2013年2月に社内で決定した「ワーキングマザー5か条」
(1)常に会社の人、周りの人に感謝する心を持つ
(2)会社では、ママ意識を捨て、プロ意識に徹する
(3)常に、新しいことへ挑戦する姿勢を出す
(4)時間の効率化を図る(資料化:フローの徹底、見える化:共有の徹底)
(5)常に必要とされる人材になる(存在意義のある業務を行う)

子どもが保育園の年長に上がり、比較的余裕ができてきたという企画開発室の坂本さん。(2)の家庭と会社での切り替えについて、自身は“家庭モード”になるときと“仕事モード”になるときが交互に訪れるといいます。そのうえで「どちらも自分の立場というものがある。両方完璧にやろうと自分に変なプレッシャーをかけて『私は悪いママなんだ』と不安に思わないで、と先輩ママとして伝えられたら」と、後輩ママたちへエールを送りました。さらに会社全体に視野を広げ、働き方の多様性についても言及します。

「家庭を優先したい人もいれば、ママでも仕事を一生懸命やりたい人もいる。どちらもありだと思うんです。男性でも、たとえばご家族の介護で早く帰らなきゃいけないという人がいるかもしれない。そうなったときに、いろいろな立場の人がいるということを認められて、多様性を受け入れられるような環境を職場で作れたらいいなと思います」(坂本さん)

フルタイムの正社員から週4日勤務の契約社員へと、まさに会社の理解を得て働き方を変えたのが企画開発室の武田さん。小学校、特別支援学校、保育園、3人の子どもたちが別々の場所に通っているという状況のため、ご主人の協力があっても仕事と家庭の両立が難しくなっていました。

「昨年の4月に『働き方として何ができて何ができないか明確にしてもらえれば、相談にのることができる』と人事の方から言ってもらえ、上司の理解もあって、今でも働くことができています。同じ部署に坂本さん・吉岡さんというママさんもいて、皆さんに協力してもらっている。だからやっぱり、私は(1)の感謝の気持ちを一番大切にしています」

■効率化を目指す中で見つけた自分の存在意義

(3)の“新しいことへの挑戦”や、(5)の“必要とされる人材”についてもさまざまな意見が上がりました。「私じゃなきゃできないことがあるんじゃないか、ということを復帰した今だからこそ考えるようになった」と前向きに語ったのは、商品管理室の赤川さん。

家庭と仕事の切り替えは自分でも意外に思うほどきちんとできていて、それが自信につながっているとも。赤川さんと同部署で、現在は子どもが大きくなり多少余裕のある時間を過ごせているという野口さんも「今はこの与えられた時間でどれだけ会社に貢献できるか、その姿を見せられるか、というのが私の課題です」と意欲的です。

(2)の効率化を目指した結果、自分の存在意義を見つけられたと話すのは、同じく商品管理室の奈良岡さんです。現在、3回目の復帰を果たしたばかり。長男が学童を終了し、習い事を増やしたため、その送迎、次男の卒園準備、3人の子育てで手が足りないという感覚、さらに仕事内容の変更で現状ゴールが見えないような状況です。2回目の復帰のときに、仕事の簡略化や効率化を考えることはもちろん、一歩先を考えられるようになったといいます。

「今までは自分の中だけにとどめていたんですが、職場のみんなと共有するようになったんです。常に効率化を意識して働いているので、それをみんなと共有することが自分の存在意義なのかも、と思えるようになりましたね」(奈良岡さん)

また、人事・総務を担当する経営統括室の野村さん、中嶋さんは、人事ならではの視点で働くママについての考えを述べます。

「たとえば営業職。産後復帰して同じ業務に就くのは難しいのかもしれないけど、ママでも営業の仕事を続けたいという人もいると思うんです。産後別の部署に異動させることも意義はあると思いますが、産休前から培ってきた能力をムダにしてしまうのは本人にとっても会社にとってもマイナスなのでは。『ママだからバックオフィス』という固定概念にとらわれず、もっと会社としてもフレキシブルに考えられるようになれたらいいなと思います」(野村さん)

「野村さんもおっしゃっているように、子育てをしながら今までとまったく同じ環境・状況で働くことは難しいと思います。さらに中途採用を担当している中で、職種によっては時短での勤務が難しい部署もあります。その結果、採用できない場合もありますので、才能のある人材を逃してしまっているのでは、と感じることがあります。女性が多く活躍する企業として、働く環境や体制の改善は、今後もしていくべきだと思います」(中嶋さん)

■ママにも息抜きは必要。上手なシッター活用を

最後に、DRESS編集部からの質問として、「育児や家事の外部委託、シッター利用について」の意見を伺いました。働くママにとってシッターは有用なサービスのはずですが、実際利用した経験がある人は、参加者の中では末廣さんのみ。末廣さんは、里帰り出産から自宅へ戻ったころ、初めての子育てに悪戦苦闘し、ストレスがたまって子どもから離れたいと思ったことが一度あったそうです。

「なんで私こんなにがんばってるの? もう無理! と思っちゃって。主人とも相談して、子どもが生後2ヶ月のときに1日だけ預けて、産後初めて外で食事をしたんです。そのときすごくリフレッシュできて、こういう息抜きは絶対に必要だと思いました」(末廣さん)

末廣さんが利用したのは行政が行っているシッターサービスで、民間ではなく行政がそうした取り組みをしていることをそのとき初めて知ったそう。さらに「学童の後の短い時間だけ、送り迎えして宿題を見てくれるような『シッター兼家庭教師』がいないか探している」(坂本さん)、「登録や予約に手間がかかるのと、やっぱりできれば自分で面倒をみたい。何かあったときに自分を責めてしまいそう」(渡邉さん)など、それぞれの立場からさまざまな意見が飛び交いました。中でも、参加者の多くが頷いていたのが、日本のシッター利用の現状について語る野村さんの意見。

「まだまだ日本にはシッター文化への偏見があると思います。最近やっと働くママへの理解も広がって、保育園に子どもを預けることに罪悪感を感じなくても良くなってきたけど、『シッターに週5回預けてます』なんて言ったら、世間からは絶対に『この人、母親としてどうなの?』って思われる。そのあたりの意識が根強いのもあって、なかなか利用しづらいところもあるのでは」(野村さん)

アメリカではごく一般的なシッター文化。日本に定着させるためには、まず意識改革から始める必要がありそうです。根深い問題に気づかされる意見でした。

ミーティングの結果、「ワーキングマザー5か条」に掲げた内容は参加者全員の賛同を得て、今後も継承していくことが決定。最後は「会社に理解を得て働ける環境に感謝し、今後新しくワーキングマザーになっていく同僚たちと助け合う環境を作っていきたい。さらに、今後は高齢化社会となり、介護をする社員が性別を問わず出てくる可能性があるため、その際も理解を持ち助け合い、協力できるママさんたちでいたい」と締めくくりました。

Text=芳賀直美

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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