夫婦という人生の同僚 前編
みなさま、はじめまして。
イラストレーター・アートディレクターの兎村彩野(ウサムラアヤノ)と申します。
今回よりDRESSで「夫婦で一緒に働くこと」というお話を書いていこうと思います。「え? 夫婦で一緒に働く? お店屋さん? レストラン?」と想像される方が多いかも知れませんが、私たちは少し違います。
私たち夫婦は、夫がグラフィックデザイナーで、私がイラストレーター。そして少し面白いのが夫婦共にアートディレクターです。2人で一緒に仕事をしているので「クリエイティブユニット」と名乗っています。
「クリエイティブユニット」が分かりにくいかな、と思うのでご説明いたします。
私たちの「クリエイティブ」とは、デザインに関わるモノやコトを創る仕事です。
<商品パッケージ>から<企業のロゴマーク><雑誌やカタログの挿絵>や<布のテキスタイル><プロダクトのデザイン>まで、ご相談いただいて私たちで創れそうなモノであれば、創ります。もう少し大きな範囲だと<ブランディング>と言って、企業やブランドの持つ情報を「デザイン」というツールで整理整頓をしたりもします。
夫がデザインしたモノに私が挿絵を付けたり、私の作るホームページのロゴを夫に作ってもらったり。夫が印刷の入稿準備をしている間に2人のポーフォリオ(作品集のこと)を更新したり、経理をしたりすることもあります。同業異種なので、1つの仕事を仕上げるのにパート分けして作業をしていきます。
このような感じで、夫婦でクリエイティブ業を生業としているので「ユニット」になります。
2人で働くというのは、感覚的にお笑いコンビやボーカルデュオに近いかも知れません。創るモノが「笑い」か「唄」か「デザイン」かの違いでしょうか。
これからの本文がイメージしやすくなるので、私の事を少しお話しさせてください。
私は現在35歳。夫がいるので既婚者です。子供はいません。ちなみに今の結婚は2回目です。なので離婚経験者の既婚者です。小柄で髪型はショートカット、丸い眼鏡をかけています。右利きです。本と漫画を読むのが好きです。モノトーンの服を好みます。
仕事の経歴が少し変わっています。高校在学中の17歳からプロのイラストレーターとしてキャリアがスタートしました。大学などには行っておらず、少し早い社会人デビューをしています。35歳ですが社会人歴は16年あります。就職活動の経験はなく、社会人になってからは形態は色々と変化していますが、のらりくらりフリーランスに近い働き方をしています。
以上、自己紹介でした。みなさまの頭の中や心の中に、私のイメージができあがっていたら幸いです。
それでは冒頭の「夫婦で働くこと」の話にもどります。
私たちは夫婦であり、同僚であり、恋人であり、親友です。上司も部下も先輩も後輩もいません。仕事においても、家事においても、何を決めるにも2人で相談して決めます。役割分担もあまりありません。2人の唯一のルールは<しめきり最優先>だけです。
家事は3年一緒に暮らしてきた中で、お互いの得意なモノを自然にするようになりました。夫は<洗濯・ゴミ出し・整理整頓・郵便物の整理>で、私は<料理・お風呂掃除・床掃除・経理>です。ただ、この境界線も曖昧で「今日はしめきりがあるから、これはお願い」とか「今週暇だからたまってる家事があったらするよ」のように、毎朝お互いの仕事の予定や進み具合を確認しあって決めています。
2人とも忙しいときは思い切って「今日は2人でサボりましょう。」という選択肢を選ぶこともあります。1〜2日家事をサボっても死ぬわけではないので、その辺もあまりきっちり決めていません。
後編では「一緒に働いて、一緒に生きていく」という生き方のアイディアをいくつか紹介します。
後編はこちらから
夫婦という人生の同僚 後編
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Illustrator / Art Director