評価より、信念のために行動しよう。それが女性の自由への近道。

評価より、信念のために行動しよう。それが女性の自由への近道。

経沢 香保子(つねざわ かほこ)さんの連載。「評価より、信念のために行動しよう」それが、2度めの起業で彼女がぶつかった問題から得た気づき。今回の記事では、一時的な評価ではなく「真の評価」を得ることの大切さについて語っていただきました。


■突如あらわれたやり場のない怒り

六本木交差点を歩いていると、携帯電話が鳴った。耳をあてると某銀行から。

「審査の結果をお伝えします。当行では、御社の口座開設はできません」。そう一方的に告げられ、頭が混乱した。街の喧噪のせいで聞き間違いかと思って「融資のお願いではなく、口座開設のお願いですが」と聞き返すと「そうです、できません」ときっぱり。2度めの起業は社会のインフラサービスを目指しているから、すべての銀行と取引しようかと進めていた矢先の出来事だった。 

1社めである程度の実績を残したとの自負心もあったから、驚きとやり場のない怒りとわずかな後悔で体中の力が抜けた。ゼロからのスタートを覚悟していたものの、私の信用までがリセットされたのか。滑り出しがこの調子では、前途多難なのではないか、と弱気が首をもたげてきた。 

もちろん、前の会社で付き合いのあった銀行と個人口座がある銀行は喜んで口座を開設してくれたから事業に問題はまったくなかった。でも、一行に断られたショックは思いのほか大きく、その銀行と取引のある知人に話をせずにはいられなかった。せめて理由を知りたかった。 

心情を察してくれた知人はすぐに一本の連絡をいれてくれた。

すると、その某銀行の別支店との面会の機会を得、支店によってルールが異なるため運悪く開設できない事情のお詫びとともに、早急に口座開設をしてくれた。その上、御社のようなベンチャーを支援したいと、以前からお会いしたかった人をご紹介頂いた。

電話一本をきっかけに、状況は180度変わったのだ。私のことをよく知っていて、信じてくれている知人の打診で、期待以上の展開に。 

■ 人は誰もが「信じてもらいたい」生き物

そのときに改めて気づいた。他者からの評価は無理に得なくてよいと。相手の事情もあり、同じ状況でも評価されるときもされないときもある。つまり、評価というのは一時的であり、認められようという努力を最優先すべきではない。ましてやそれに一喜一憂し、勝手に絶望したならば、未来の可能性の芽を自分で摘んでしまうことになりかねない。就職活動で一社落ちたって、たった一人の異性に振られたって、人生は終わらない。 

そういえば、こんなこともあった。以前の会社で某VCの出資担当に言われた。「あなたの会社のリスクは、結婚しているあなたの妊娠出産です。だから出資できません」。心底驚いた。私はそれまで、介護の必要な長女を産んでも、翌年次男を産んでも、創業以来売上げを下げた事はなかった。しかも、女性が輝く社会を実現しようとしてる張本人にとって、育児と仕事の両立経験は、社会にとっても会社にとってもプラスのはずだ。 相手は「女性が子供を産めば仕事どころではない」そういう常識だとしたら、それをすぐに変えるのは難しい、説明しても分からない人に理解いただく努力より、私は他の株主と組むことを選んだ。

このようなシーンは他にもあるだろう。

人は誰しも「信じてもらいたい」生き物だ。肯定は生存の証でもある。でも、その思いが大きくなりすぎると、信じてもらえないことにイライラしたり、自分を正当化するばかりで、前に進めなくなる。 そして、同時に、人は、信じたいものを信じ、信じたくないものは信じない生き物だ。だから、信じてくれない相手に、どんなに働きかけても徒労に終わるのかもしれない。

■評価を得ることは人生の目的ではない

もちろん、だからといって、単に、願っていれば、誰かが信じてくれるわけでもない。

だからこそ、口先の戦いより、未来に行動したほうが近道で生産的だ。行動は絶対あなたを裏切らない。動いて、前進していれば、必ず誰かが見ている。評価を得ること、信じてもらうことは人生の目的ではない。

自ら状況を切り開き、自分の想いを形にすることこそ人生だ。そうやって、いつかあなたの信じてたものが、誰もが目に見える形となり、結果で証明され、すべてがひっくり返る。

そして、そのとき、なによりも、その状況に、あなたが一番癒され、満たされ、真の評価を得るはずだから。

評価より、信念のために行動しよう。
それが女性の自由への近道。


経沢香保子

Text / Kahoko Tsunezawa
DRESS 2015 1月号 P.131 掲載

■経沢 香保子(つねざわ かほこ)

桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配可能な 安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営中。オンラインサロン「女性起業家サロン」も人気。

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コラム集「経沢香保子の本音の裏側」

この記事のライター

桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を...

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