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<特別号>年間200冊読む私流「読みたい本」の見つけ方【TheBookNook #14】

連載「TheBookNook」Vol.14は「特別号」。テーマは「本との出会い方」です。年間200冊以上の本を読む八木さんが、「読みたい!」と思える本とどうやって出会うのか、具体的な方法を教えてくれました。効率的な方法から、意外な出会い方まで……!! ぜひ参考にして自分に合ったやり方をみつけてください。

<特別号>年間200冊読む私流「読みたい本」の見つけ方【TheBookNook #14】

文 :八木 奈々
写真:後藤 祐樹

今年の6月末から“人と本との出会いの場”をテーマに始まった本連載。新しい本との出会いはあったでしょうか?

初回でもお話ししたとおり、私は物心ついたころから“本”が大好きで、今でも年間200冊以上の本を読んでおり、“新しいもの”にこだわらない読書スタイルで、「何度でも読み返したくなる作品」との出会いを追い求めて日々の読書を楽しんでいます。


↓ 八木奈々さん連載の初回記事はこちら ↓
「わたしの一部は本でできてる。『モモ』に教わる命のこと【TheBookNook #1】」

八木奈々さんが外を眺めている

今回は、そんな本の虫である私の「本との出会い方」を僭越ながら紹介させていただきたいと思います。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、多くの本に触れることで得することが世の中には沢山あるように想うのです。でも、一生をかけても世の中にある全ての本に出会うことはできません。本との出会いはそれだけ貴重なのです。

“本と出会いたい”皆さんのお役に立てますように。

まずはじめに:自分に合う本を見つけるためには?

いきなり現実的なお話になってしまいますが、自分に合う本は自分で読まないと分かりません。誰かが面白いと勧めてくれた一冊、映画化された名作、入賞経験のある作品、そのどれもが自分にとっても“面白い本”であるとは限りませんよね。私自身も期待して読んだ本に裏切られることがたくさんあります。

ただ、不思議なもので、一度目は面白く感じなかった本が数年後に読み返すと面白く感じることもあります。なので、悩みに悩んで手にとった本が仮に全然面白く感じなくても、そこで終わりにしないでほしいのです。

少しでもつまらないなと感じた本は無理して最後まで読まずに中断して、次の本へ、次の本へ……。そして、もしまたいつか思い出したら再び手に取ってみてください。読めば読むほど、知れば知るほど、面白い本に出会う確率はあがるのです。

1.“好きなもの”で検索

本を読む八木奈々さん

自分が興味を引かれることはきっかけとしてとても重要です。

例えば好きな人、好きな有名人や偉人が読んでいる本。「あの人と同じものに触れてみたい」「あの人に少しでも近づきたい」という動機で、軽率に本選びをしてみてください。無条件で読む本がきまりますし、“好き”から手に取った本はその中身がどうであれ“読みたい本”に繋がります。

また、自分の好きな映画の原作に触れてみるのもおすすめです。一度映像で観たぶん、物語も頭に入ってきやすいはずですし、さらにエッセイ本であれば面白い角度のものが多く、活字が苦手な方でも楽しむことができます。「世にも奇妙な物語」のようなお話が好きな方には星新一のショートショート集などもおすすめです。

まずは、自身の“好きなもの”を思い浮かべて検索してみてください。検索を続けているといつしか“関連機能”等で思わぬ自分好みの一冊に出会えるかもしれません。

2.図書館の返却棚

図書館の返却棚

▲画像はイメージです

私が本との出会いを求めて一番に足を向けるのは図書館です。皆さんは図書館の返却棚に目を向けたことはありますか? そこには最近誰かが返却した本たちが無造作に置かれています。自分では選ばないさまざまなジャンルがあり、新しい本と出会うのにはうってつけです。

実際、私も返却棚を通してたくさんの刺激的な出会いを経験してきました。普段なら手が伸びないようなタイトルやカバー、少しでも気になった本をゆっくり捲ってじっくりと触れることが許されるのも図書館の魅力です。

“好きじゃないだろうな……”と思った本も目に留まったらぜひ手に取ってみてください。不思議なことに、そうして手に取る本はそのときの自分の心の状態で引き寄せられていることが多いですし、本の中身を実際にみると気が合いそうな本かどうかも何となくわかります。

図書館ならではの出会いかた。返却棚のラインナップは頻繁に変わるので一度ハマると毎週足を運びたくなるはずです。

3.書店巡り/本屋大賞

ベストセラー等と謳われている、いわゆる“売れている本”は良くも悪くも話題性があります。その売れている本を手っ取り早くチェックするのには書店のランキングコーナーがおすすめです。また、書店の店員さんの好みによって並べられている本の色やポップも異なるため、私はよく何店舗か書店を巡ることもあります。

ランキングコーナーの他にも“売れている本”を見つける方法があります。それは書店の“平積み”や“面陳”です。新刊か売れ筋のどちらかで、特に新刊以外の本を選べば、評価されている本、売れている本の可能性が高いので、失敗確率も低くなります

本の奧付を見れば発行年月も分かるので、「読みたい本が見つからない」と悩んでいる方は、ぜひ“既刊で売れている本”を見に書店に足を運んでみてください。

4.サブスクリプション/雑誌

八木奈々さんが本に集中している

冒頭に「面白い本かどうかは自分で読んでみないと分からない」と書きましたが、本を買うにもお金がかかります。面白くなかったから……と次の本に切り替えるのは簡単ですが、せっかく買った本をすぐに手放すのは少し抵抗がありますよね。

ですから、“気軽に本を読み漁れる読書環境”があったほうが面白い本と出会える確率も高まります。本との出会いのきっかけとしておすすめなのは、サブスクリプション(月額)の読み放題サービス等です。

・「読みたい本が見つからない」
・「本を買う予算がない」
・「本を置くスペースがない」

……という人におすすめのサービスです。個人的には紙の本が好きなのですが、私自身もサブスクを利用しています。「お金かかってるじゃん……」という声が聞こえてきそうですが、私が利用している「Kindle Unlimited」は月額980円(税込)で200万冊以上が読めます(※)。

読書系雑誌を読むこともできますし、携帯ひとつで開けるので仕事の合間に次に買う本を選ぶこともできますから、私と同様に紙の本にこだわりがある人にもおすすめです。

さいごに

今回が“TheBookNook”今年ラストの連載となります。多方面の方から多くの嬉しいお声をいただき、連載を続けることができました。来年もより多くの皆さんにこの連載を楽しんでいただけるように本の魅力を伝え続けていけたらと思っています。

本を愛する人がもっともっと増えますように。今回も最後まで読んでくださり有難うございました。良いお年をお迎えください。

※「Kindle Unlimited」で保存できる本の冊数は20冊です

■「TheBookNook」について

この連載は、書評でもあり、“作者”とその周辺についてお話をする隔週の連載となります。書店とも図書館とも違う、ただの本好きの素人目線でお届けする今連載。「あまり本は買わない」「最近本はご無沙汰だなあ」という人にこそぜひ覗いていただきたいと私は考えています。

一冊の本から始まる「新しい物語」。

「TheBookNook」“本と人との出会いの場”であり、そんな空間と時間を提供する連載でありたいと思っています。次回からはさらに多くの本を深く紹介していきますのでお楽しみに。

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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