行きたい国に思いを馳せて【TheBookNook #3】 2/2
3.【オーストラリア】トレント・ダルトン『少年は世界をのみこむ』
世界の住みやすい都市としても印象強いオーストラリア。良いイメージの裏側で、実は問題となっている麻薬密売や暴力に関する社会問題。この作品はそんなオーストラリアで2019年に一番売れた小説だといわれています。
物語のおよそ半分は実話だという本作には衝撃的な描写もありますが、ちょっとした風景、僅かな心の動き、流れてくる音楽、テーブルの上に置かれた食べ物、そして主人公の空想の産物さえも細やかな表現で描かれており、まるで自分自身が“そこ”に生きているかのように感じられます。
色や情景が浮かんでくる文章と、爽快な伏線回収もさることながら、特にラスラの畳みかけるところと標題の章はグッと胸に迫るものがありました。
■行ってみたい国の物語で素敵な旅の思い出を
他にも紹介したい海外小説は沢山ありますが、今回はそのなかでも、特に印象に残っている三作品をご紹介させていただきました。まずは“今”、皆さんが行ってみたい国が舞台の小説から、手に取ってみませんか? きっと素敵な旅の思い出ができることと思います。
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【TheBookNook #1】
■【TheBookNook #2】
■「TheBookNook」について
今連載は、書評でもあり、“作者”とその周辺についてお話をする隔週の連載となります。書店とも図書館とも違う、ただの本好きの素人目線でお届けする今連載。「あまり本は買わない」「最近本はご無沙汰だなあ」という人にこそぜひ覗いていただきたいと私は考えています。
一冊の本から始まる「新しい物語」。
「TheBookNook」は“本と人との出会いの場”であり、そんな空間と時間を提供する連載でありたいと思っています。次回からはさらに多くの本を深く紹介していきますのでお楽しみに。
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