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「成功した自覚は全くない」Re.muse・勝友美が教えてくれた、自己肯定感の手放し方

「成功した自覚は全くない」──ミラノ・パリコレにも出展したオーダースーツブランド「Re.muse」代表・勝友美さん。雨漏りする店舗、深夜の孤独、社員の離職。どん底を乗り越えた先で気づいたのは、「自己肯定感という言葉すら、忘れている状態がちょうどいい」ということでした。

「成功した自覚は全くない」Re.muse・勝友美が教えてくれた、自己肯定感の手放し方

「成功者と呼ばれることが、気づけば増えた」。

けれど、「Re.muse」代表・勝友美さん本人は、その言葉がしっくりこないといいます。

ミラノ・パリコレ出展、SNS総フォロワー約90万人。
華やかな数字の裏には、今の勝さんからは想像しづらい日々がありました。

勝友美さん(以下、勝):成功している自覚はほんとに全くないので、常に首をかしげるような気持ちになるんです。

そう笑う勝さんに、どん底をどう乗り越えてきたのか、自分をどう保ってきたのかを聞きました。

「お前の代わりはいくらでもいる」と言われて辞めた

お前の代わりはいくらでもいると言われた勝さん

起業する前、勝さんが勤めていたのは、とあるオーダースーツ屋でした。

セクハラや暴言、理不尽な扱いが横行する職場でも、責任感の強い勝さんはひとりで店を切り盛りする日々を続けていたのだそうです。
そんなある日、上司に言われたひとことで、限界を迎えます。

「お前の代わりはいくらでもいる」

気づいたら、「辞めます」と、口をついて出ていました。

それまでも人の期待だけで動いていたわけではなかったのですが、この日を境に、自分の心に従って動くことだけを考えるようになります。

不安や恐怖がなかったわけではありません。
それでも、あの職場には二度と戻る気にはなれませんでした。

開店直後の雨漏り、深夜の帰り道

夜の六本木

じつはこのときの唯一の元手となったのは、交通事故の保険金380万円でした。

工場の社長には「すぐ潰れるよ」などと言われながらも、“理念”を語り続ける地道な営業で少しずつ顧客を増やし、事業を軌道に乗せていきました。
そして、大阪での手応えを胸に、東京・六本木への出店を決めます。

ところが、開店直後に大雨による雨漏りに見舞われます。

ブルーシートをかぶせて対処しましたが、ランニングコストは大幅に膨れ上がり、お客さんは来てくれない、社員は辞めていく。

大阪店の売上も立てる必要があるなかで、体力も精神もパンク状態でした。

毎日深夜まで働き、疲れた体を引きずるように賑やかな六本木を抜けて家まで歩いて帰る日々が続きました。

――そのころ、一番しんどかったのはどんなときでしたか?

勝: もう無理なんじゃないか……と思うことはありました。

――それでも続けられたのはどうしてですか?

勝: 限界だ、と思いましたけど、そのときに聞こえた声が「辞めるくらいなら死ぬ」だったんです。

自己肯定感という言葉すら、忘れていられたら

仕事に没頭する勝友美

――自己肯定できている状態って、どんなものだと思いますか?

勝: 自己肯定感という言葉すら、忘れている状態、かな。

自己肯定感は「高めるもの」「意識するべきもの」と捉えられがちですが、勝さんの答えは逆でした。

――誰かに批判されたときは、どう受けとめますか?

勝: 若い頃は自信がなくなったり、反抗していた時期もありました。でも今は違って、批判されることで逆にこちらの意見を伝えられるきっかけになるときもあります。自分をあまりよく知らない人からの的外れな批判であれば、それは批判でもなんでもなく、ひとつの情報、「音」として聞いてしまえばいいと思うんです。

失敗しても、落ち込んでも、回復を待てばいい——自己肯定感を「上げよう」とすること自体が、そもそも間違いなのかもしれません。

「勝さ~ん!」という声に背中を押された

正面を向いて歩いていく勝友美

――そこまで勝さんを突き動かしていたものは、なんだったのでしょうか。

勝: お客さまが「勝さ~ん」って笑顔で会いに来てくれるんですよ。それがとにかく嬉しくて嬉しくて、励みになって。人に必要とされる喜びみたいなものを感じたんだと思います。自分がした仕事で誰かに喜んでもらえること——それが生きがいになりました。

採寸技術を習得するのは簡単ではなかったですが、“誰かのために”と思うとモチベーションも湧いてきて、そのうち極めるほど面白くなり、気がつくと没頭していました。

「お前の代わりはいくらでもいる」と言われた場所を飛び出してみたら、「勝さ~ん!」と呼んでもらえる場所ができた。それが「Re.muse」でした。

――起業して、一番変わったことはなんですか?

勝: やっとほんとうの自分になれた気がしました。自分の人生がやっと始まったなという気がしたんです。

すべてが変わりましたね。それまでに出会った人とはほとんど会わなくなり、それまでに出会ったことがないような人ばかりと出会うようになりました。

六本木の雨漏りトラブルも、深夜の孤独な帰り道も、乗り越えられたのは「勝さ~ん」と声をかけてくれるみなさんのおかげです。

下手な落書きから、始めればいい

ソファに座る笑顔の勝友美

――勝さんにとって、人生ってどんなものですか?

勝: まだまだ青二才ですから——今の時点での考えということにはなりますが、自分の人生のヒロインは、自分自身なんだということを忘れないようにしたいと思っています。

人生って、真っ白なスケッチブックみたいなものだと思っていて。そこに何を描くかは、自分が決めていいはずです。誰かに指示されて描くものではないんです。

わたしはたくさんの絵を描いてきました。落書きのようなものもあったし、人に笑われたことだって数えきれないです。けれど、どんなに下手な落書きでも描きはじめるとたくさんの人が見に来てくれたり応援してくれたりして。するとまた、描きたくなるんです(笑)。

人生の最後に自分が描いてきたスケッチブックを見返したとき、真っ白なままだとちょっと寂しいなと思うんです。だからわたしは、この記事を読んでくださる方が描く絵も、とても楽しみにしています!

これまでの人生で、自信をなくしたり、傷ついたりすることがあったかもしれません。けれど、それはスケッチブックを汚すものでも、ペンを手放す理由にもなりません。まだまだ描きたいものを描けます。

好きな絵を好きなように描いてほしいです。その一枚一枚が、自分の人生になっていくと思います。(一緒に下手な落書きして笑われましょっ!)

ただ、描ける時間には限りがあります

残りの時間で何を描くのか……最初の一歩さえ踏み出してしまえば、9割できたようなものです。

文:すす 写真提供:勝友美

勝友美さんのSNS・公式サイト

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勝友美さん最新情報のお知らせ!

「勝友美に会えるオーダースーツ受注会 in 仙台」開催のお知らせ

2026年4月18日(土)・4月19日(日)

このたび仙台にて、勝友美さんがオーダースーツ受注会を開催いたします。
限られた枠ではございますが、東北エリアの皆さまとお会いできる貴重な機会です。
ぜひご参加ください。

▼ご予約はこちらから▼
【予約ページ】

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ぜひ以下の記入欄から教えてください!

教えていただいた内容は、後日『DRESS』の記事にてご紹介予定です。

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DRESS編集部

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