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2人目が「育てやすい」3つの理由(上)

2人目が「育てやすい」3つの理由(上)

 

あくまでも私の場合、今のところ、ではありますが、2人目が大変「育てやすい」です。でも「私の場合」と言いながらも、2児の母としての先輩たち何人もから聞いた話でもあります。「2人目のほうがずっと気楽」「下の子はよく寝るのよ」と。まだ「2児の母」歴1か月ですが、これには3つの理由があるのではないかと思います。

1つ目の要因は、自分の母親としての経験値は上がっている一方で、ハードルは下がっているということ。

3歳の母ともなると、外からは「もうすっかりお母さん」に見えるかもしれません。でも、第1子を育てる上では、0歳児のときはもちろん「1歳児の母」「2歳児の母」「3歳児の母」になるのは常に初めてなのです。これに対し、第2子以降になると、初心者マークは外せる。ある程度起こることが予測できたり、対処方法のバリュエーションを持っていたりします。ようやく素人母親ではなくなってきます。

同時に、第1子のときに比べて、子育てにかける手間を省いたり、効率化を図ったりしはじめます。たとえば、私の場合、第1子はできるだけ母乳だけで育てようとして1時間かけて授乳して、やっと終わったと思ったらその1時間後に起こされるという2時間サイクルの繰り返しを数カ月していましたが、第2子ははじめから母乳+ミルクの混合。たっぷり飲んで、3時間は寝てくれるので、これだけで相当楽です。

このほか、自分に課するハードルをかなり下げています。1人目のときは外野が良かれと思って言ってくるようなアドバイスを逐一気にしていました。今は、それを自分なりに取捨選択したり、右から左に流したりする力も身に着けている。よく言えばおおらかに、悪く言えば適当になっている、ならざるをえないというのが、多くの人にとっての第2子以降の子育てではないでしょうか。

 

2つ目の要因は、夫育てをしなくていいということです。

第1子のときは母親だって育児初心者なのですが、まだ父親という実感に乏しい夫に育児をしてもらうよう焚き付けるのは、一部の母親たちにとって非常に骨の折れる作業。「夫は長男と思え」と言われるほどです。

私も第1子のときは、御多分に漏れず産後クライシスを経験しました。一時は「この人と結婚したのは、世間一般の妻の悩みと男性家事参加の難しさを理解するためだったんだ。私の夫がイクメンだったらきっと『「育休世代」のジレンマ』につながる論文は書けなかった」と自分に言い聞かせていたくらいです。

ところが今回は、夫は即戦力です。ミルクをあげるのもオムツをかえるのも、何も言わなくてもできる。第1子の保育園の送り迎えや精神的フォローが必要なので、物理的に1人で育児をするのでは間に合わず上の子の相手を全面的に夫がしてくれるなど、第2子が産まれてようやく家族、パートナーになれたと思うほど。

そして1つ目の要因で触れたとおり、私の中のハードルも下がっているので、「ちょっと泣いたくらいでは放っておく」「ミルクの分量が多少適当」というような、第1子のときには気になっていた夫の行動も気にならない。むしろ自分の許容範囲が夫の育児スキルレベルまで降りてきている面もあり、私の場合、第1子のときに抱えていた育児ストレスの大きなネガティブ要因であった「夫」が、今回は同じ目線で相談・共有できる相手というポジティブ要因となっている感覚があります。

(つづく)

中野 円佳

女性活用ジャーナリスト/研究者。『「育休世代」のジレンマ』(光文社新書)著者。東京大学教育学部卒業後、日本経済新聞社入社。金融機関を中心とする大企業の財務や経営、厚生労働政策などを担当。14年、育休中に立命館大学大学院先端総...

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