彼と復縁したいなら真っ先に見直すのは「距離感」
コートを羽織る季節、人恋しくもなります。「そういえば別れた彼、どうしてるかな……」と過去を振り返ることも。『彼からの告白で復縁率80% あきらめきれない恋をもう一度手に入れる方法』著者である復縁・恋愛コンサルタントの宮城かなさんが、復縁のチャンスについて5回に分けて連載。2回目はパートナーとの距離感について。
こんにちは、復縁・恋愛コンサルタントの宮城かなと申します。
私はこれまで2万5000人以上の方の恋愛相談にのってきました。その結果、気づいたことがあります。
「恋愛がうまくいかないのは、人との距離のとり方のバランスが偏っているからかもしれない」ということ。
■人との距離のとり方のバランス、偏っていませんか?
相談者の多くは感情のコントロールができず、心の中は常に嵐のよう。恋愛が人生のすべてで、考えることは寝ても覚めても彼のことばかり。
彼の気持ちが常に自分に100%向いていないと不安になり、少しでも冷たくされると彼を責め、執拗に愛情を確認してしまいます。
このようなパターンに陥ってしまう女性の多くが、幼少期の家庭環境や育ち方に大なり小なり何らかのネガティブな側面を抱えていることが多いようです。
恋愛トラブルの中でも、復縁を望む方にこそ、特にこのような傾向が多く見られます。実は、私もそうでした。
では、どうすれば不安なく彼にずっと愛される幸せな恋愛ができるのか?
15年以上のカウンセラー経験から、それを見出すことができました。そして確立した復縁メソッドを相談にいらっしゃるみなさんに提供した結果、70%の方が復縁に成功しています。
■人間関係の築き方のクセを見直しましょう
復縁を叶えるには、「彼との精神的な距離のとり方」に成功の糸口があることがほとんどです。
恋愛をこじらせてしまう人の多くは、先述のように幼少期に寂しい思いや辛い思いなど、ネガティブな面を抱えて育ってきていることがあり、自分に自信がなかったり、過度の愛情を求めてしまったりしがち。そのため恋愛関係に限らず、適切な人間関係を築くのが苦手な人も多いようです。
精神的な距離が近すぎて依存したり束縛したり、遠すぎて本音を話せなかったり甘えられなかったり。いずれも、彼に別れを決意させるには十分な理由になってしまいます。
彼との関係を改善したかったら、まずはあなたの人間関係の築き方のクセを見直してみましょう。
家族、友人、同僚など、周囲の人たちの中でうまくいっていない相手はいませんか? その相手との付き合い方や距離感などを見直すことで、彼との関係改善のヒントを見つけることができるかもしれません。
ポイントは、主従関係・上下関係でなく、対等な関係が築けているかどうか。相手を見下したり、自慢話ばかりしたりと、相手の上に立ちたがってしまう人。
反対に、媚びたり機嫌をとったりと、相手の下へ下へと自分を落とすようなことをしてしまう人。いずれも、相手と対等な関係を築けてはいませんね。
相手との関係でそういう態度をとっているようであれば、うまくいかないことは明確です。
一度、人間関係において、自分がどのような接し方をしているか振り返ってみてください。
恋愛は特別な関係性だと感じがちですが、あくまで人間関係のひとつです。彼以外の身近な人たちとうまく人間関係を築けるようになれば、自然と恋愛関係でも相手との距離感をうまく保てるようになります。
■相手の課題には干渉しない
相手との距離感がうまくとれない人に多い共通点が、恋愛や彼に依存しているケースです。
依存心が強い人は、相手を自分の思いどおりにコントロールしたり、過剰に干渉したりします。つまり、相手との心の距離が近すぎるのです。
上場企業に勤める彼が、無名のベンチャー企業への転職を考えているとします。そのようなとき、過剰なネガティブ反応をしてしまうのがわかりやすい例です。
「いいお給料がもらえているのに、わざわざ転職しなくてもいいんじゃない?」
「どうして辞めちゃうの? 安定を捨てちゃうの?」
思わずこのようなことを言ってしまいそうになりますが、そもそも仕事を辞めるも辞めないも彼の問題。彼がどこで働くかは、彼が自分で決めることです。
あなたが自由に決められるのは、その彼と付き合いを続けるかどうか。転職した彼と付き合いたくないのなら別れればいいですし、彼が好きならばそのまま付き合い続ければいいのです。
そのような「彼側の課題」と「あなたの課題」を一緒くたにしてしまうと、彼の一進一退に対し、求められてもいないのに口を出したり指示をしたりしてしまいます。
「彼が転職をするって言っているけど、どうしよう」と自分の課題として背追い込むことは、いわば相手のフィールドに土足で踏み込んでいるような状態。踏み込まれた相手はいい気持ちはしませんよね。
他人の課題と自分の課題を切り分けて考えることを、アドラー心理学で「課題の分離」といいます。
これは人との適切な距離のとり方を考えるうえで、とても大切な概念です。つい相手にいろいろ言いたくなってしまうという人は、覚えておくときっと役に立つはずです。
依存心の強弱に関わらず、一般的に女性が恋愛をすると、人生のすべてが恋愛一色になる傾向があります。
恋愛に一生懸命であることが悪いわけではありません。でも、人生の柱が恋愛のみになると、そこでしか自分を保つことができなくなります。
うまくいかなくなったとき、人生が終わったようなショックを受けることになってしまうのは、健全な状態ではありません。
ですから、恋愛以外の人生の柱をもう2〜3本増やすことをご提案します。仕事や趣味、何でも構いません。
恋愛がうまくいっていないときにも、他に2〜3本の柱で自分を楽しませることができるようになりましょう。
自分で自分を楽しませることができる余裕や精神的自立があってこそ、ふたりになったときにもっとお互いを尊重するよい関係を築くことができます。
そうすれば恋愛や彼に依存しなくても済むようになります。彼は「待ち上手」なあなたを、きっとこれまで以上に魅力的に感じてくれるはずです。
■親しい関係をつくるのが苦手な人のためのワーク
精神的な距離が近すぎて依存したり、相手のフィールドに踏み入りすぎてしまうのとは対照的に、嫌われたくないあまりに本音を言えず、相手と親しい関係をつくるのが苦手という人もいるでしょう。そのような人に挑戦してみてほしいことがあります。
コミュニケーションに関する自己分析によく使われる、「ジョハリの窓」をご存じでしょうか?
「自分も他人も知っている」のは「開放の窓」。
「自分は気づいていないが他人は知っている」のは「盲点の窓」。
「自分は知っているが他人は気づいていない」のは「秘密の窓」。
「自分も他人も知らない」のは「未知の窓」。
コミュニケーションの観点でいえば、理想的なのは「開放の窓」が一番大きい状態。自分にも人にも嘘がなく、裏表がない状態なので最も生きやすいはずです。
その一方、人との距離が遠い人は「秘密の窓」が大きい状態。他人への自己開示が多くありません。
この「秘密の窓」を小さくしていくには、少しずつでも他人に自分の本心を見せられるようになることです。そのために、ちょっとしたワークをしてみましょう。
■生きづらさの解消が彼との関係改善につながる
『彼からの告白で復縁率80% あきらめきれない恋をもう一度手に入れる方法』(かんき出版)より引用
『彼からの告白で復縁率80% あきらめきれない恋をもう一度手に入れる方法』(かんき出版)より引用
最初は勇気がいることでしょう。「こんなことを話して軽蔑されないかな」「嫌われないかな」と思うかもしれません。
大丈夫。意外とみんな優しいし、受け止めてくれるものです。思い切って打ち明けた後に見える世界を確かめてみてください。
他人への信頼度が増すとともに、「私の秘密って、人から見ると意外とたいしたことないのかも?」と思えるようになるはずです。
また、「自分は気づいていないが、他人は知っている」という、「盲点の窓」を小さくすることも、他人とのコミュニケーションを円滑にするために効果的です。
ここを小さくするには、「あなたの長所」を周りの人に3つずつ教えてもらいましょう。少し気恥ずかしいかもしれませんが、自分の知らない自分を教えてもらうのは、とても新鮮な気持ちがするはずです。
これらは客観的に自分を知り、かつ自分を外に開示していくことで、人とのコミュニケーションを円滑にすることを目的にしています。
自分を客観的に見る視点が身につくと同時に、他人への信頼感も増すことは間違いありません。
依存心をうまくコントロールし、人とよい距離感を保てるようになると、これまで人間関係で感じていた〝生きづらさ〞が解消されていきます。
自分らしくのびのびと生きることができるようになり、それが彼との関係改善にも直結するのです。少しずつでいいので、自分の心の在り方を変えていきましょう。
宮城かなさんのバックナンバー
宮城 かな プロフィール
復縁・恋愛コンサルタント。男性心理研究所所長。
東京都生まれ。学生時代から恋愛感情、恋愛心理学について多くを独学で学び、その経験を活かして独自のメソッドを開発。2003年より2万5000人以上の復縁・恋愛問題を解決してきた。都内近郊を拠点に、日本初の復縁・恋愛コンサルタントとしての活動を展開、15年以上のカウンセラー経験を持つ。豊富な知識と洞察力から繰り出される的確なアドバイスは業界内外を問わず注目され、多くの相談者から信頼を得ている。著書に『彼からの告白で復縁率80% あきらめきれない恋をもう一度手に入れる方法』(かんき出版)。
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