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下半身のむくみを和らげる簡単な方法

欧米ではメジャーな治療法である「オステオパシー」。簡単に言うと整体法のひとつで、“手”による触診検査をしながら、治療をしていくというものです。今回、オステオパシーを活用した下半身のむくみにアプローチする方法をご紹介します。

下半身のむくみを和らげる簡単な方法

「下半身のむくみ」に効果が期待できるセルフストレッチをご紹介します。1日5分でOKな簡単な内容です。

その前に、むくみのメカニズムやむくみと関連するリンパのお話に、少しだけお付き合いください。

むくみの原因とは

病因的なものでは心臓のポンプ機能低下、腎臓の機能低下、何らかの炎症やホルモンの影響などがあげられますが、オステオパシーでは次のような原因が複合的に影響し合っていると考えます。


・横隔膜の力が弱く、胸郭の水分の吸引力が低下している
・リンパと静脈の合流地点の筋骨格系が歪んでいる
・末梢の筋肉が弱くなり、筋肉のポンプ作用が低下している

むくみを検査する方法

むくみの正体は水分で、肌を押してみてしばらく窪みが残れば、むくんでいるということです。向う脛を骨の平らな部分に向かって押してみてください。

むくみには胸郭が大きく関係しているため、胸郭も検査してみましょう。鎖骨の内側から指を3~4本分外側の、鎖骨の窪み(上側)を軽く押してみてください。痛みがあるという人は胸郭入口の周囲が硬くなっているためにむくんでいる可能性があります。

リンパとは

Tossh eng~commonswiki
原典:U.S. National Cancer Institute's Surveillance, Epidemiology and End Results(SEER)Program (http://training.seer.cancer.gov/index.html

人間の血液は動脈を通って全身に酸素と栄養を運び、静脈を通って二酸化炭素と老廃物などを回収しながら循環しています。ただし、動脈から出た血液のうち約1割は、毛細血管から組織へと出たあと、静脈に戻れない大きい物質や組織液などになります。

これらがリンパ液となって、リンパ管から吸収されます。したがって、リンパ液は動脈や静脈と同じ循環器系の一部と捉えることができます。

道路に例えて言うと、動脈や静脈は限られた人しか使えない専門の高速道路です。一方、リンパ液は網目状に巡らされた小さな道から始まり、大きな幹線道(国道)につながっている一般道といえます。

リンパ系には、循環以外にもうひとつ役割があります。免疫です。リンパ節という検問のような節で悪いヤツを捕まえて、食作用を持った細胞に連絡して食べてもらっているのです。

風邪をひいたり怪我をしたりすると腫れることから、リンパ節は皆さんご存知だと思いますが、他にも、脾臓や肝臓、胸腺、扁桃腺、虫垂、消化管および肺のリンパ組織などにリンパとしての役割が含まれています。実は、リンパは内臓とも密接な関係性を持っているんです。

リンパの通り道

全身に一般道が張り巡らされているとはいえ、リンパも大まかな通り道は決まっています。左右の下半身から来たリンパは腹部で集まり、胸管と呼ばれる太いリンパ管となって左上半身・左顔面から集まってきた部分と合わさって、左の鎖骨の下にある静脈に合流します。

右側は右上半身と右顔面から合わさったものが右の鎖骨の下にある静脈に合流します。むくみの水分は組織から回収されなかった水ですから、この流れを向上させることで解消できます。

1日5分でできる、ストレッチとエクササイズ

リンパが最終的に流れつくのは、鎖骨下静脈角と言われる首の付け根で、鎖骨の後ろの部分ですから、こちらからストレッチしていきます。その後、体の中心部を整えて、最後にエクササイズをします。

1.首のストレッチ

椅子に座って、腕を下に伸ばします。

そのまま左の首の筋肉が突っ張るまで右に首を傾けます。自分で気持ちが良いと思える角度に調整してかまいません。

次に、首は右に傾けたまま、体は左に傾けます。腕の力を抜いて、左腕の腕の重みだけで30秒~60秒ほど時間をかけて首をストレッチします。

それが済んだら反対側を行ってください。

このストレッチで、胸郭入口の周囲の組織や、横隔膜へつながっている神経を改善できます。

2.お腹のストレッチ

次は、座っていても仰向けに寝ていてもかまいません。身体の真ん中を臍からみぞおちまで順に押していき、硬かったり痛かったりする部分がないか確認します。もしあれば、その部分を指で上下に伸ばすようにストレッチしてみてください。

もし臍の上部に問題がなければ、今度は臍から下に向かって恥骨まで押してみてください。硬かったり痛かったりする場所があれば、ここも上下に伸ばします。

このストレッチで、横隔膜の緊張や内臓のうっ血が改善できます。

3.脚のエクササイズ

最後はエクササイズです。下半身のむくみをとるために、筋肉を動かして、筋肉のポンプ作用を高めます。

まずは、足を肩幅くらいに広げて立ちます。そのまま胸いっぱいに息を吸って横隔膜を下げながら、腕を上にあげ、胸郭を広げます、そして、その姿勢のまま爪先立ちをしてください(足が攣ったら、爪先立ちは止めてください)。

次に、息を吐きながら腕を下し、そのまま膝も曲げて、しゃがみます。これを繰り返します。

回数は、ご自分の体調や筋力に合わせて調整してください。

1日5分もあればできる簡単なものですので、ぜひ試してみてください。

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杉山喜洋のプロフィール

鍼灸マッサージ師。オステオパス(Diplome d’Osteopathe)フランス政府公認校の日本校を卒業。
内臓や頭蓋の治療を得意とし、老若男女問わずさまざまな症状の治療にあたる。
TIME誌で世界の治療家10人に選ばれたJ・P・バラル氏よりインストラクターとして直接公認され、講師としても活躍中。
神奈川県茅ヶ崎市にてオステオパシー風美を開業。

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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