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インスタで人気の「固めプリン」は、昔懐かしい喫茶店の味

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忘れられない味、と聞いて頭に浮かぶのはどんな味ですか? 「あの日あの味」は、フードコーディネーターの音仲紗良さんが、いつか食べた“あの味”のレシピをエピソードと共に紹介する連載コラムです。今回は、幼稚園児の頃に祖母と通った喫茶店で食べた、レトロな固めのプリン。

インスタで人気の「固めプリン」は、昔懐かしい喫茶店の味

■幼稚園の帰り、楽しみだった喫茶店への寄り道

両親が共働きだったわが家は、幼稚園のお迎えは母ではなく、当時近所に住んでいた祖母が来てくれることが多かった。

私はいわゆる「おばあちゃん子」で、とても可愛がってもらっていた。
(これまで 天草に住む祖母のエピソードが多かったが、天草の祖母は父方で、近くには母方の祖母が住んでいた。以後、「地元の祖母」と呼ぶことにする。)


地元の祖母は、幼稚園から徒歩20分弱のところにある団地に住んでいた。
幼稚園からの帰り道は、いつもきまって寄り道をした。
それが楽しみで、当時は両親があまり家にいないことが寂しいとは、そこまで思っていなかった気がする。

寄り道先は、電化製品や生活雑貨、おもちゃ、子ども服がそろう大型スーパーや、幼稚園の近くにあった昔ながらの喫茶店。

とくに、喫茶店への寄り道が楽しみだった。
コーヒーの味を知らない当時も、コーヒーの香りや微かにタバコのにおいが染みた独特の空気やセピア色のインテリアは、幼稚園児ながらも妙に居心地がよくて、何時間でも時間を潰せたものだ。

ぼつぼつと、ボタンがたくさんついている卓上の麻雀ゲームや、年季のはいった茶色の皮のソファ、古くよれた雑誌や漫画、ピンク色の公衆電話……。
いまでも鮮明に思い出せるから不思議。


そこで食べるおやつも、思い出にしっかり刻まれている。
お子様ランチ、クリームソーダ、チョコレートパフェ、プリンアラモード……と、喫茶店ならではのメニューにうきうきと胸が弾んだ。

今思えば、「どんだけ食べるんだ」というくらい食べていた気がする。
幼稚園で給食を食べているのに。

■古くて新しい、固めのプリン

そんなことをふと思い出したのは、この頃インスタグラムで「固めプリン」が話題だから。

ちょっと前までは生クリームたっぷりの、とろける食感と濃厚な味のプリンが人気だったが、最近は昭和の香りがただよう「固めプリン」が、むしろ平成生まれの若者には新しいらしい

私がいまでも、生クリームたっぷりのなめらかプリンよりも「固めプリン」が好きなのは、喫茶店での原体験があるからかもしれない。
せっかくなので「固めプリン」を再現してみることにした。


難しそうに感じるプリンだが、コツをおさえればとても簡単。
カラメルソースは市販でも売っているので、それを使えばさらに手軽に作れる。

喫茶店の固めプリン

材料(プリンカップ2~3個分)
卵:2個
卵黄:1個分
牛乳:180㏄
砂糖:大さじ4
バニラエッセンス:少々
カラメルソース:適量


作り方
1. 牛乳、砂糖を小鍋に入れて、砂糖を溶かすように混ぜながら、人肌程度まで温める。沸騰しないよう注意。

2. ボウルに卵、卵黄を入れて泡だて器で白身を切るように混ぜる。

3. 混ぜながら1を加える。2~3回茶こしで濾し、バニラエッセンスを加える。

4. プリンカップにバターを薄く塗り、カラメルソース(作り方は後述)を入れて、3をゆっくりと流し入れる。気泡はプリンにすが立つ原因になるので、竹串や楊枝で刺して潰す。

5. 4にアルミホイルでしっかりと蓋をする。鍋に置き、水をプリンカップの半量まで入れたら、プリンカップを取り出す。(※)キッチンペーパーを1枚鍋底にしき、蓋をして沸騰させる。
(※)湯を沸かす前にプリンカップを入れて取り出すのは、プリンカップの半量の水を量るため。沸騰してからプリンを蒸すことで、火の入りすぎを防げる。キッチンペーパーを鍋底にしくことで、火のあたりを柔らかくする。

6. 弱火にしてプリンカップを入れ蓋をする。6分加熱したら、火を止めて7分そのまま放置して予熱で火を入れる。

7. アルミホイルを外し、緩ければさらに1分弱火で加熱する。火が入っていれば冷蔵庫で冷やして器に盛る。


カラメルソースの作り方
1. 砂糖50g、水大さじ1を小鍋に入れて混ぜてから中火にかけ、ゆすりながら火にかける。同時に、ポットで湯を沸かしておく。

2. ふつふつと濃い目の茶色になったら、沸かした湯(大さじ2)を加える。はねるので、やけどしないよう注意。

カラメルソースの色目安

スプーンですくうとむちっと固め。
口に含むと、卵の香りを感じられつつ、ほろ苦いカラメルソースがプリンの穏やかな甘さを引き立てる。

喫茶店で食べたプリンアラモードは、たっぷりのクリームや真っ赤なシロップ漬けのサクランボとともに盛られて、もう少し豪華だったけれど。

私が小学生にあがると、幼稚園の頃のようなお迎えも寄り道もなくなり、あの喫茶店にも行くことはなくなった。
そして、小学2年生のころには祖母は他界してしまい、私にとって幻の味となったあの味。

最近は、「お子様ランチ」を大人向けに仕立てた「大人様ランチ」も人気のようだから、今度はそれを作ってみようかな。


インスタグラムでいま話題のスイーツが、あなたの思い出の一品だった、なんてこともあるかもしれませんね。
昔懐かしの「固めプリン」、ぜひ作ってみてください。

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音仲 紗良

フードコーディネーター、ライター。株式会社ぽかぽかてーぶる代表取締役

出版社でおもに食と美容の雑誌ページの企画編集を担当したのち、独立。多数メディアで執筆しながら、メニュー開発や店舗プロデュース、PR等幅広く活動中。2016年12月に立ち上げたナッツ専門店「nuts tokyo」は、オープンか...

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