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素朴な苺アイスクリームは、やさしい春の味【あの日あの味 #4】

忘れられない味、と聞いて頭に浮かぶのはどんな味ですか? 「あの日あの味」は、フードコーディネーターの音仲紗良さんが、いつか食べた“あの味”をエピソードと共に紹介する連載コラムです。今回は、苺の甘酸っぱさとヨーグルトのさわやかな酸味がマッチした、素朴なアイスクリーム。カロリー控えめもうれしい。

素朴な苺アイスクリームは、やさしい春の味【あの日あの味 #4】

子どものころに食べた苺は、甘みより酸味が強めの「甘酸っぱい」印象が強く残っている。

「とちおとめ」「あまおう」「紅ほっぺ」のようなブランド品種ではなく、サイズが大小不揃いだったり、いびつな形だったり、まだヘタの周辺が白かったりする無名の苺パックが食卓に並ぶことが多かったからかもしれない。

だから、練乳をかけたり、苺を潰す専用のスプーンを使って、器のなかで潰して、たっぷりのグラニュー糖と牛乳をかけて苺ミルクにしたり……。
苺単体で食べることが少なかったな、と今になってしみじみと思う。

練乳苺も苺ミルクも、即席でできる日常のおやつの楽しみ方だったけれど、春休みに天草に住む祖母が少し手をかけて作ってくれた「苺アイスクリーム」がいまも忘れられない

材料は、苺のほか無糖ヨーグルト、生クリーム、砂糖ととってもシンプル。
だけど、だからこそ、苺の香りや甘酸っぱさを残しつつ安い苺に足りない味のみを補う、素朴なスイーツとして完成していたのだろう。

最後に食べたのは、小学生高学年くらいだろうか。
祖母に教えてもらって、一緒に作ったことも思い出し、再現してみることにした。

とはいえ、あの頃とはちがい、糖質が気になる“お年頃”なので、グラニュー糖をカロリー0の自然派甘味料「ラカント(※)」に変えて……

(※)ウリ科の植物「羅漢果(ラカンカ)」のエキスと天然甘味成分「エリスリトール」、ふたつの天然素材からつくられたカロリー0の自然派甘味料。

苺アイスクリーム

材料
苺:1パック
生クリーム:1パック(200ml)
無糖ヨーグルト:1/2パック(200g)
ラカント:80g

作り方
1.苺をボウルに入れフォークで粗目につぶし、ラカントを加えてさらに潰しながら全体になじむように混ぜる。
2.1に生クリーム、無糖ヨーグルトを加えてさらによく混ぜ、バットに流し冷凍庫で1時間ほど冷やす。

3.2をフォークなどで空気を含ませるようにかき混ぜて、ふたたび冷凍庫で冷やす。1時間後に再びフォークなどで混ぜて冷やす。

空気を含ませるように混ぜることで、口当たりが柔らかくなりよりおいしくなる

器に盛って、完成。

ヨーグルトの爽やかな酸味が、苺の甘酸っぱさに心地よく寄り添って、生クリームのコクとラカントの優しい甘さが調和している。
簡単なのにおいしく、体にもやさしいアイスクリームだ。

刻んだ苺やグラノーラとともにグラスによそったら、カンタンなのにお店級に豪華なパフェが完成する。


子供のころに食べた苺アイスクリームより苺の甘さを感じられたのは、品種改良が進み小さな街角のスーパーでもおいしい苺が流通するようになったからかもしれない。

トースターで焼いたパンに挟んで食べるのもおすすめだ。温かいパンに冷たい苺アイスクリームがじゅわっと染みていき、食べながら味わいが変化していくのもおもしろい。

春の味覚の代表格「苺」の思い出はなんですか?
甘酸っぱい苺のように、淡いエピソードがある方もいるかもしれませんね。

ぜひ、苺のアイスクリームを食べながら思い出に浸ってみてください。

音仲 紗良

フードコーディネーター、ライター。株式会社ぽかぽかてーぶる代表取締役

出版社でおもに食と美容の雑誌ページの企画編集を担当したのち、独立。多数メディアで執筆しながら、メニュー開発や店舗プロデュース、PR等幅広く活動中。2016年12月に立ち上げたナッツ専門店「nuts tokyo」は、オープンか...

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