婚活で「今さら自分を変えられない」は言ってはいけない
40代男性の“大人婚活”は難しい。40代になって婚活中の方には、そう感じている方もいるのでは。確かに簡単にはいきません。でも、気持ちの持ちよう、考え方次第で成果につなげることはできます。40代男性の活動例とメソッドをご紹介します。
前回は「40代から始める大人婚活はとても難しい」という記事を女性向けに書かせていただきました。
今回は、男性編になります。
40代男性の婚活も想像以上に厳しいため、会員さんの多くは「なぜもっと若い頃から活動を始めなかったんだろう」とため息をつきます。
しかし、嘆いても解決はしません。今が人生で最も若いのですから、ここから後悔のない未来を考えていきましょう。今回の記事が参考になるとうれしいです。
■女性の本音。40代未婚男性に持つイメージは?
最初に、女性が「40代以降で未婚の男性にどのようなイメージを持っているか」についてお伝えします。気分を害される方もいるかもしれませんが、女性の本音を聞く機会は少ないと思いますので、あえて書かせてください。
「40過ぎの独身男性は、少し変わっている人が多い気がします」
「オリジナリティーを持っているというより、独特な癖がある感じがします」
「女性の気持ちに疎いイメージです」
「外見が良くておしゃれだったら、昔遊び人だったから結婚が遅れたのかなと警戒します」
など厳しい感想が多いです。これらを払拭する魅力を持っていなければ、大人婚活は厳しくなります。
■40代男性の「結婚しなかった理由」
一方、結婚相談所に入会する40代男性は、独身だった理由をこう話します。
「仕事中心の毎日で、結婚を考える余裕がありませんでした」
「前向きな出会いがありませんでした」
「いつか良い縁に出会えると安易に考えて何もしませんでした」
「仕事で大きな成果を上げるまでは結婚は考えられませんでした」
「過去の恋愛を引きずって、前向きな気持ちにならなかったです」
「単純に、面倒くさかったです」
これらは、30代男性の入会希望理由とまったく変わりがありません。
40代女性が「もう後がない……」と真剣な思いで結婚相談所に来るのとは対照的です。
■40代男性との結婚を不安に感じる女性たち
さて、40代男性に「どんな女性と結婚したいですか?」とお聞きすると、お決まりの
「とにかく若い女性が良いです」という回答が返ってくることが多いです。願わくば、30代前半の美人でスタイルが良い女性。「同世代でも構いません」と答える男性は2割くらいでしょうか。
若い女性と結婚したい理由は
・子どもが欲しいから
・周りに自慢して、「良いなぁ~」と言われたい
・単純に好き!
ということのようです。
そんな前向きな気持ちで婚活を開始し、一回り以上年下の綺麗な女性たちに猛アタックしますが、なかなか会ってはもらえません。なぜでしょうか?
ここで、女性の気持ちを知っておく必要があります。
40代以降の男性と結婚するということは
「子どもが生まれても、成人するまで現役で働いていないかもしれない」
「結婚後すぐに、相手の親の介護をさせられるかもしれない」
という不安を持つ女性が多いのが事実です。
これが年下女性に会う前からお断りされる大きな理由です。
■40代男性の婚活事例
次に、40代男性会員さんがどのような活動をしているかをご紹介します。
Uさん 46歳 大学卒業 職業:会社員 営業職 年収:700万
結婚相談所に入会する3年前から、婚活アプリで自己流に婚活していたUさん。
藤井フミヤさんに背格好が似ている男性です。婚活アプリでかなりのダメージを受けたことを話してくれました。
「ワガママな女性が多く、頻繁にデートをドタキャンされました。いきなりLINEをブロックされたこともあります。無駄な時間を過ごしてしまいました。結婚相談所で結婚を真剣に望む女性と出会いたい」と、Uさんは真剣でした。
男兄弟の次男、従弟もすべて男ばかりという家系で育ったそうで、女性に対する憧れを持ち、女性そのものを少々美化して捉えていることが気になりました。
「女性だったら、こうするべきですよね」「女性って、こういう風にしてくれそうですよね」という妄想が、Uさんの婚活を難しくします。
自分のイメージと少しでも違うと「この女性はダメだ」「女性なのにこんなことをして」と感じて、妥協ができません。
趣味は小学生の頃から続けている野球。休日は地元の野球チームで汗を流すか、球場でプロ野球を観戦。彼女ができたら、自分の草野球の試合にお弁当を持って応援に来てほしいと言います。
入会当初は人気があり、順調にお見合いができたUさんでしたが、数回デートをすると女性から断られるようになります。女性の言い分はこうです。
「自分の話ばかりして面白くないです」「女性の心理に疎い気がします」「大人の男性だと思って期待していたのに、連れて行ってくれるお店がセンスないです」。
女性の意見をUさんに伝えても、「今から自分のスタイルを変えるのは軟弱だから……」と頑なで、自らゴールを遠ざける活動になっています。
Tさん 45歳 難関大学院卒業 職業:外資系金融 ディーラー 年収:2000万超
「どうして結婚相談所に来たのですか?」「なぜ独身なのですか?」と聞きたくなる好条件のTさん。
トライアスロンが趣味で引き締まったボディがまぶしい、ディーン・フジオカさん似の優しい男性です。お会いした瞬間に「2カ月で結婚が決まる!」と思いましたが、予想以上に困難な活動になります。
Tさんから、「仕事に支障が出るのでプロフィール写真は非公開で」と指定されます。婚活で最も重要だと言われている写真が出せないのは致命的と思われました。
ところが、活動初日に女性からのオファーが殺到します。中には20歳年下の女性、モデル、女子アナもいます。
「40代男性の婚活は難しいけれど、こんなに人気が出ることもあるのか」と驚いていたそのとき、Tさんから連絡が入ります。「お願いがあります。年収も非公開にしてもらえませんか?」
残念ながら、男性の年収は公開しなければならないのが婚活のルールです。それを伝えると「僕の年収だけをあてにして申し込んでくる女性とは結婚したくないんです」と気持ちを打ち明けてくれました。
「外資なので、いつまでもこの状態が続くとは限りません。金の切れ目が縁の切れ目になるのが怖い」。そんな不安があったのです。
申し込んでくる女性は口々に「家庭内のことは任せてください」「Tさんが帰宅したら、温かいお料理を作って待っています」と献身ぶりをアピールしてきました。
ところが、Tさんは「自分の仕事がうまくいかなくなることも想定して、自立して手に職を持った女性と結婚したい」という希望がありました。
羨まれるような経歴を持ち、一回り以上年下の女性からオファーがあるにもかかわらず、心が求めるような相手になかなか巡り合えないと嘆くTさんの婚活は続きます。
Sさん 41歳 大学卒業 職業:食品メーカー 営業 年収:500万
スラリとした高身長で、笑顔に誠実さがにじみ出る中井貴一さん似の男性です。
婚活を開始すると、他の男性がするように30代前半の女性にターゲットを絞ってオファーし続けます。50人の女性にアプローチをし、ようやく3名とお見合いできることになり、大人婚活の厳しさを知ります。
その中で、一番かわいい33歳の女性と交際が成立しました。Sさんは舞い上がります。交際当初は「毎日が楽しいです」「次はどんなデートにしたらいいでしょう?」と積極的に動きます。
ところがデート3回目が終わったころ、「女性と話が続かない」「自分だけが一生懸命な気がする」と不安を打ち明けることが多くなります。それでも、若い女性との「理想の結婚」がもう少しで叶う……そう思うと、後には引けません。
プロポーズも視野に入れた交際を続けながら、Sさんは暗い気持ちになっていきます。実は幼少期、原因不明の病にかかったことがありました。現在の生活には何ら支障はないけれど、結婚する相手にはそれだけは打ち明けておかなければならないと思っていました。
意を決して伝えると、女性からは「完璧な遺伝子を持つ人と結婚したい。ごめんなさい」。ひどく落ち込んだSさんは、婚活を諦めようとします。
「諦めたら永遠にゼロのまま。続けていれば必ず新しい展開が待っています」と背中を押すと、「もう一度頑張ってみます」と活動を再開します。Sさんの中で何かが変わっていました。「果たして年齢だけで選ぶ婚活が正しいのか? 自分と価値観が似ていて、一緒にいて落ち着ける女性を探す方が良いのでは」。
そんな気持ちで女性のプロフィールを見直すと、同じ年で優しく大らかそうに見える女性に目が留まります。とんとん拍子に交際が進み、いよいよ疾病の話を打ち明けるその日。「また今回も断られたら……」という不安を吹き飛ばす返事が女性から返ってきます。
「気にしませんよ。もし今後Sさんが病気でお仕事ができなくなっても、私が食べさせてあげます!」
Sさんは「僕の人生にこれ以上の女性はもう現れないでしょう。彼女を絶対に幸せにします」と息を弾ませ、出会って3カ月の同い年の女性と成婚退会しました。
女性の心に疎く、自分のスタイルをなかなか変えることができないUさん、すぐにでも結婚できそうなのに、どこか寂しさが漂うTさん、活動をやめようと思うほどの辛い経験を乗り越え、幸せをつかんだSさんの婚活をご紹介しました。
■成果につなげる大人婚活メソッド
そのほか、40代男性会員さんとたくさん接してきましたが、大人婚活を難しくしている大きな原因は
・自分のどこが問題なのかを把握していない
・指摘されても変えようとしない、変えたくない
にあると思います。40年以上に渡って身についた考え方や習慣を変えることは容易ではありませんが、もう少し柔軟に対応しても良いのではないでしょうか?
その上で、次のような提案をさせていただきます。
行動範囲を広げる
自宅と会社、そして食事は行きつけのお店で……と男性は決まったパターンで行動する方が多いようです。
これでは、新しい出会いもないし、話題も増えません。ぜひ、新規開拓をしてみましょう。
引き出しを増やすことが人間力アップにもつながると思います。
女性との関わりを増やす
先ほど登場したUさんのように、職場は男性ばかり、土日の趣味は野球となると、女性との接点がまったくありません。
これでは女性の気持ちを知る機会がないため、婚活が難航する一方です。
女性も参加するイベントやサークルに入り、接点を増やしていくことが大切です。
大人の包容力、リード力、経済力で勝負する
若い女性と結婚したい……というのなら、20代、30代男性にはない大人の魅力を前面に出しましょう。
「子どもが成人するときに退職しているのでは?」と不安な女性にも、支えていける精神力や安定した収入をアピールできれば大人婚活も有利になります。
自分に合ったお相手をもう一度考えてみる
これから何十年も一緒に生活をするお相手を、年齢やルックスだけで選んでも大丈夫でしょうか? 本当に幸せになれますか? Sさんの事例をもう一度読み返してください。
大切なことに気付いていただけると思います。
大人婚活の難しさと成果につながるメソッドを「女性編」「男性編」の2回に分けてお伝えしました。
前回の女性編を読んでいただいた方々から、「やっぱり40代以降の婚活は難しいんだ、絶望的」という感想と、「成果につながるならやってみます。希望が持てました」という両極端の感想をいただきました。
記事のどこに注目するかで未来が変わってきます。今回の記事も前向きに捉えていただき、おひとりでも多く幸せな結婚をされることを願っています。
Text/忽那里美
画像/Shutterstock
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