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映画『マックイーン:モードの反逆児』感想。無一文からトップデザイナーへ駆け上がったアレキサンダー・マックイーンの激動の人生!

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ファッション業界の反逆児と呼ばれながらも、デヴィット・ボウイやビョーク、レディー・ガガからキャサリン妃まで愛されたアレキサンダー・マックイーン! 【シネマの時間】第61回は、マックイーンの波乱に満ちた生涯を描いたドキュメンタリー映画『マックイーン:モードの反逆児』をピックアップ! 4月5日(金)より全国ロードショー。

映画『マックイーン:モードの反逆児』感想。無一文からトップデザイナーへ駆け上がったアレキサンダー・マックイーンの激動の人生!

こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。

春夏のファッションが気になる今日この頃。

【シネマの時間】第61回は、デヴィット・ボウイやレディー・ガガといったアーティストをはじめ、キャサリン妃にも愛されたファッションデザイナー アレキサンダー・マックイーン の生涯に迫ったドキュメンタリー映画『マックイーン:モードの反逆児』をご紹介します。

前衛的なデザインと独自の美学、そして確かな技術に裏打ちされた創造力から生み出される数々のコレクションで、世界を魅了したアレキサンダー・マックイーン!

ロンドンの労働者階級出身のマックイーンは、日々の食費にも困っていたような23歳のとき、失業保険を資金にファッションデザイナーとしてデビューしました。

その後、次々と開いたセンセーショナルなショーは、大絶賛とバッシングで賛否両論でしたが、彼の名はたちまち世に広まります。

そして1996年、弱冠27歳という若さで、名門メゾン「ジバンシィ(GIVENCHY)」のデザイナーに抜擢。

一方、自身のブランドのショーはますます過激になり、「モードの反逆児」とも呼ばれますが、デヴィッド・ボウイやレディー・ガガの衣装デザイン、ビョークのミュージックビデオの監督、プーマやティム・バートンとのコラボレーションなど次々に素晴らしい仕事を手がけ、活躍しました。

ブリティッシュ・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを4度にわたり受賞。

さらに34歳で大英帝国勲章を授与します。

しかし、天才デザイナーとして輝かしい栄光を手に入れながらも、成功の陰で悩み苦しんでいた彼は、富と名声の絶頂期にいた2010年、40歳という若さで自ら命を絶ってしまいます。

マックイーンは、なぜこれからという時に命を絶ってしまったのか?

ロンドンの労働者階級の街イーストエンドに生まれ育ち、学歴もなく日々の食費にも困っていた青年が、いかにして無一文からトップデザイナーへと駆け上がったのか?

本作は、恋するように服を作り、今なお愛されるアレキサンダー・マックイーンのドラマティックな人生を、友人や家族たちとの独占インタビュー、貴重なファッションアーカイブ、伝説となったショーの裏側、生前のプライベート映像とともに描きファッションフリークならずとも見逃せません。

監督には、『エッジ・オブ・スピード』などエンターテインメント作品の製作・監督で定評のあるイアン・ボノートと、『オネーギンの恋文』の脚本や『キンキーブーツ』の製作を務めたピーター・エテッドギーがタッグを組み、英国アカデミー賞英国作品賞とドキュメンタリー賞のダブルノミネートを果たした話題作!

ぜひ、映画館でお楽しみください。

■アレキサンダー・マックイーン経歴

アレクサンダー・マックイーン(Alexander McQUEEN)
イギリスのファッションデザイナー(1969年3月17日 ー 2010年2月11日)

舞台や映画を喚起させるドラマティックなコレクションでは、独特の世界観を特徴とするが、一流デザイナーの中でも基本的なテーリングの技術が非常に高いことで知られている。

16歳から英国王室ご用達のテーラーで高級紳士服の作り方を一から学び、さらに舞台衣装を手がける会社でも経験を積むことで、服作りの基本をしっかりと習得。

エッジの効いたセンスとエレガントなラインが絶妙に融合し、オンリーワンを求めるアーティストやミュージシャンから愛されていた。ブリティッシュ・デザイナー・オブ・ザ・イヤーを4度にわたり受賞。大英帝国勲章受賞他。

【年表】

1969年3月17 日、ロンドンで6人兄弟の末っ子として生まれる。

1985年16歳で学校を卒業し、ロンドン、サヴィル・ロウの老舗テーラー、アンダーソン&シェパードとギーブス&ホークスで3年間修行を積む。

その後、演劇のコスチュームを製作するエンジェルス&バーマンズに勤め、16世紀のカッティングワークを身につける。

1989年日本人デザイナー、コウジタツノで働き始め、本格的にデザイナービジネスの世界へ。

1990年単身、ミラノへ渡り、ロメオ・ジリのアシスタントになる。

その後、イギリスに帰国し、ロンドンを代表する美術大学、セント・マーチンズ美術大学のMA コース(修士課程)に入学〜1992年に修了。

1992年に自身の名を冠したブランド「アレキサンダー・マックイーン」を立ち上げ、1993年9月にロンドン・コレクションでデビュー。1994年春夏のシーズンのコレクションを発表する。その後、2001年に発表の場をパリに移すまで、ロンドンコレクションに参加を続ける。

1996年はじめてブリティッシュ・デザイナー・オブ・ザイヤーを受賞(1997年、2001年、2003年にも同賞に輝く)。ジバンシィのクリエイティブ・ディレクターに就任。


トム・フォードに誘われ、2000年にグッチ・グループの傘下に入り、LVMH グループ傘下のジバンシィを離れる。

自らのブランド「アレキサンダー・マックイーン」の新作発表の場をロンドンから、パリに移す。

2003年アメリカファッションデザイナーズ協会(CFDA)のインターナショナル デザイナー・オブ・ザ・イヤー受賞。

さらに、英国女王から大英帝国勲章(CBE)を授与される。

2010年2月11 日、40歳で逝去。

彼の亡き後ブランドとしての「アレキサンダー・マックイーン」は、2010年5月より、当時同ブランドのウイメンズ部門のヘッドデザイナーだったサラ・バートンがメンズ・ウイメンズ両方のクリエイティブ・ディレクターに就任して継続している。

■映画『マックイーン:モードの反逆児』あらすじーロンドンの労働者階級の青年は、いかにして無一文からトップデザイナーへと駆け上がったのか?

母親のジョイスが、リー・アレキサンダー・マックイーンの原点を明かします。

学校へも行かず仕事もなかった16歳のとき、仕立て職人が人手不足だと聞いて、英国王室ご用達の老舗テーラーで働き始め、服作りの才能に目覚めました。

やがてマックイーンは単身イタリアに乗り込み、ロメオ・ジリのアシスタントを務めるのですが、ジリが生意気だったマックイーンのエピソードを披露します。

ロンドン帰国後、名門セント・マーチンズ美術大学に入学、卒業コレクションで「ヴォーグ」の編集者で20世紀ファッション史の重要人物だったイザベラ・ブロウの目にとまり「モダンでクラシカル、美とバイオレンス。今まで見た中で一番美しい」と言わしめました。

夫のデトマーいわく「彼をトップにすると決意」したのです。

マックイーンがどうやってデビューしたかを明かすのは、エージェントのアリス・スミスです。

当時のスタッフは、ノーギャラで働いていましたが、ヘアメイクのミラ・チャイ・ハイドは「彼の魅力ゆえよ」と微笑みます。

さらに、まだ太っていた若い頃のマックイーンの映像が流れ、「生地もすべて失業手当で買った」と無邪気に笑います。

マックイーンのデビュー・ショーの映像では、「退席する人もいた」とアリスが打ち明けますが、もっと騒ぎになったショーが「ハイランド・レイプ」です。

バッシングもされましたが、翌日の各紙がトップで扱い、マックイーンは時の人となります。

普段は朗らかな彼のどこにそんな闇があったのか?

甥のゲーリーが、一族のある秘密を打ち明けます。

ジバンシィのクリエイティブ・ディレクターに抜擢されたマックイーンは、礼儀正しいパリの工房に、ロンドンの反骨精神を持ち込みました。

デザイナー助手のセバスチャン・ポンスが、エキサイティングだった日々を振り帰ります。

初めてのショーは酷評され、当時の恋人だったマレー・アーサーは、その夜の荒れたマックイーンについて苦々しく語ります。

また、アーサーとデトマーの口から、マックイーンの裏切りが明かされます。

「イザベラに見出された」と言われることに嫌気がさした彼が、彼女をジバンシィとの契約から外したのです。

自分のブランドとジバンシィを行き来したこの頃が、マックイーンにとって最悪な時期でした。

年10回以上のコレクションのプレッシャーに潰されかけ、ドラッグに手を出してしまったのです。

クリエイションは壮絶なまでに磨き上げられましたが、人間関係は破綻します。

そんな中で生まれたショーが、ウィトキンのグロテスクな写真の再現でフィナーレを飾る「ヴォス」でした。

さらに高い名声を獲得したマックイーンは、ディレクターのトム・フォードから誘われてグッチと契約、ジバンシィを去ります。

ロンドンに戻り、家族との絆を確かめたマックイーンは、「うまくいかず不安な時期があった。でも抜け出せた。これが僕の人生だ。天職なんだ」と呟きます。

しかし、マックイーンには、さらなる過酷な宿命が待ち受けていたのでした…!

■映画『マックイーン:モードの反逆児』作品紹介

映画『マックイーン モードの反逆児』
2019年4月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
公式サイト:http://mcqueen-movie.jp

原題:McQueen
監督・脚本:ピーター・エテッドギー
監督・製作:イアン・ボノート
製作:ニック・タウシグ、ポール・ヴァン・カーター、アンディ・ライダー
音楽:マイケル・ナイマン
編集:シンツィア・バルデッサリ
アーカイブ・プロデューサー:アントニー・グリーン
撮影監督:ウィル・ビュー
製作:サロン / ミスフィッツ
共同製作:クリエイティビティ・キャピタル / エンバンクメント・フィルズ
製作年:2018年
製作国:イギリス
⽇本語字幕:稲⽥嵯裕⾥
上映時間:111分
映倫区分:G
配給:キノフィルムズ/⽊下グループ
© 2018 A SALON GALAHAD PRODUCTION. ALL RIGHTS RESERVED.

■映画『マックイーン:モードの反逆児』キャスト

リー・アレキサンダー・マックイーン(ブランド創業ファッションデザイナー)
イザベラ・ブロウ(エディター、支援者)
トム・フォード(グッチ・グループ ディレクター)
ジョイス(マックイーンの母)
ジャネット(マックイーンの姉)
ゲーリー(マックイーンの甥、テキスタイル・デザイナー)
ボビー・ヒルソン(セント・マーチンズ美術大学MAコース創始者)
フィリップ・トレーシー(帽子デザイナー)
ショーン・リーン(ジュエリーデザイナー)
サラ・バートン(現クリエイティブ・ディレクター)

【シネマの時間】
アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美
©︎YUMIMOROTO

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諸戸 佑美

本や広告のアートディレクション/デザイン/編集/取材執筆/イラストレーションなど多方面に活躍。

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