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「ステロイド塗り薬」の使い分けと塗り方。皮膚科医が解説します

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「ステロイド塗り薬」の使い分けや塗り方、使用量などを皮膚科医の赤池智子医師が解説します。メディアの情報を見聞きして、ステロイド塗り薬を「怖い」と感じている方も、知識を得ることで漠然とした不安は消え、何に気をつければ良いかがわかるはずです。よく寄せられる質問への答えもご紹介しています。

「ステロイド塗り薬」の使い分けと塗り方。皮膚科医が解説します

こんにちは。皮膚科医の赤池智子です。

前回までは、ステロイド薬の働きや副作用についてお話ししました。

今回は、皆さんが最も手にすること、目にすることが多いと思われる「ステロイド塗り薬」について。

クリームやローションなど、いろいろなタイプがあるけれど、使い分けはどうすればいいのか、どれくらいの量をどんな風に塗れば良いのか、さらに、よく聞かれる質問についてお話しします。

■塗り薬は主に3タイプある

大きく、軟膏(なんこう)、クリーム、ローションの3つのタイプが一般的です。

軟膏はワセリンがベースとなって、有効成分が混ざっています。使用感はやや重く、ベタつきが気になる方もあるかもしれません。

クリームやローションは、油と水が混ざり(乳化:にゅうかと言います)吸収されやすく、肌に塗ると、伸びやすく塗りやすいです。軟膏に比べるとすーっと馴染みやすい使用感があると思います。

基本的には使用感や、塗る面積に応じて塗りやすさなどで、使い分けていただいて大丈夫です。ただ、皮膚の炎症が強く、掻きむしってしまい、ただれが見られる場合などは、最も低刺激な軟膏基材が肌を守ってくれるでしょう。

クリーム、ローションは肌の状態によっては、刺激になることもあると知っておいてください。

■どれくらいの量を、どう塗ればいい?

「強い薬なので薄く塗ってください」とどこかで聞いたこともあるかもしれません。

こう聞いて、不安になってしまう方もいらっしゃると思いますが、もっともだと思います。「強い薬なので薄く塗って」という言い方は、厳密に言うと正しくはないです。

では、一体どれくらい塗るのがいいの? わからない方も多いと思うので、簡単な目安をお伝えします。

人差し指を出して、指先から最初の関節までにステロイドの塗り薬を取り出してください。

撮影:赤池智子

「1Finger-Tip Unit= 1FTU」と表されることもあります。人差し指先〜第一関節までに乗る量の軟膏を指し、だいたいこれが0.5グラムに相当し、両手のひら分 (体の表面積の2%)を塗ることができるというものです。

ローションの場合は、だいたい1円玉の大きさで1FTU、つまり両手のひら分塗ることができます。これが基本の量となるので、今後はこれを目安に塗ってみてくださいね。

■「ステロイドを塗ったら肌が黒くなる?」への答え

最後に、よく聞かれる質問「ステロイドを塗ったら肌が黒くなる?」に対する、皮膚科医からの答えを書いておきます。

塗り薬としてのステロイドは、かゆみなど炎症があるところに、その炎症を抑える働きを期待して処方されるものだということは、前回お話しましたね。

実は、そもそもの炎症そのものが治る過程で赤味を帯びた状態から、くすんだ茶色かかった色になり、炎症の程度によって、皮膚が少しむけたような状態になり、徐々に治っていきます。

特にもともとの炎症が強かった場合には、「炎症後色素沈着」といったややくすんだ色素が残ることがあります(※)。

※この状態になった場合は、日焼け止めを数時間おきに塗るなど、日焼け対策をすることが大切です。

つまり、ステロイドのせいではなく、もともとの炎症のために起き得ることだといえます。ステロイドを塗ったことによって炎症が落ち着き、その過程で赤々した色から茶色かかった色になるので、「ステロイドのせいだ」と思いやすく、このように言われることがあるのでしょう。

この他にも「ステロイド薬は体内に蓄積する」と耳にして、心配する方もいらっしゃいましたが、これも間違いです。

以上が、ステロイド塗り薬のお話となります。

今後、皆さんが必要なときに、正しい使い方をするときの参考にしていただけたらと思います。これでステロイドについてのコラムは最後となります。

今まで読んでいただき本当にありがとうございました。

画像/Shutterstock

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赤池 智子

医師、内科/皮膚科医。アメリカ University of Washington皮膚科勤務。 患者の視点に立った医療を行うことを何よりも大切にし、論文執筆、学会発表と共に日常診療を第一に行っている。 2006年準ミス...

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