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SNS時代、「人は見た目が9割」じゃなくなった

かつて「人は見た目が9割」と言われていました。でも、SNSが普及した今、SNSを見るとその人のキャラクターを知ることができます。「この人はこういう人なんだ」となんとなく雰囲気を掴めます。だからこそ、SNSの使い方、発信の仕方には気を使いたい――。愛沢えみりさんに「SNSとの向き合い方」を綴っていただきました。

SNS時代、「人は見た目が9割」じゃなくなった

■SNSの普及で弱くなったモデルの力

インスタグラムが出てきてから、モデルという職業のパワーが弱くなってきたような気がします。多くの雑誌が廃刊している中、私も専属モデルとして出させてもらっている『小悪魔ageha』という雑誌はまだ続いていますが、それでも過去に2度休刊しました。

1度目の休刊は、自身のアパレルブランドを立ち上げた頃で、もともとキャバ嬢1本の私でしたが、雑誌に登場したのを機に少しずつ有名になっていきました。

念願だったアパレルブランドも立ち上げて、徐々に売れていったら幸せだなと思っていた矢先のこと。突然の休刊は編集部にも知らされていなかったようで、私たちもニュースで知ることとなりました。

もちろん気分はどん底で、先のことなんて何も考えたくなかったけれど、ブランドを立ち上げたばかりだし、悩んでなんかはいられません。

「なんとかしないと」と考えた結果、これを機に雑誌に頼るのではなく、SNSとブログで自分の日常を発信し、他に依存するのはやめようと思いました。

それまでもSNSやブログは好きでやっていましたが、あくまでも趣味の延長。モデル活動、社長業の一環としてSNSを使うとなると、書き方は変わります。

それまではキャバ嬢として自分の書きたいことしか書いてないし、友達のことや働いているお店のことなど好きに書いていたのですが、仕事となるとよく考えてから書かないとなりません。モデル、アパレル会社の社長としての立場もあるからです。

■炎上する人としない人

キャバクラという仕事は、売上を上げる女の子の確保が大変で、どこも人材不足です。辞められないようにとにかく女の子に優しく、滅多なことでは怒りません。

とにかく優しくされ、スタッフからもお客様からもチヤホヤされるので、私自身がそうだったように、女の子の中には何が正しいことなのか判断できなくなる子も多く、ネガティブなこと、特にお店やお客様の気に入らないところをSNSに書く子もいます。

すると、友達のキャバ嬢やお客様から「大変だねー」とか「わかるー、最悪だよね」というコメントが付くのですが、これは普通の会社ではあり得ないこと。

コンビニやスーパーの店員がお客様のことをSNSに投稿して炎上する。そんなニュースが定期的に取り上げられる今でも、こういった投稿を普通にするキャバ嬢もいるのです。

炎上という現象は、普段は見ていない人の投稿が、まったく興味のない人に何かのタイミングで届いてしまったときに起こると私は思っています。

キャバ嬢を理解できない人はキャバ嬢のインスタに興味はないし、普通だったら炎上されるようなことを書いたところで、特に興味をもってもらえるわけではなく、「キャバ嬢ってやっぱしょうがないよね」くらいにしか思われません。

有名芸能人やタレントならすぐに炎上する内容もキャバ嬢では炎上しません。これは普段キャバ嬢の投稿がそこまで興味を持って見られていないから、といえますが、コンビニやホテルのスタッフは残念ながらそうではありません。

日頃、たくさんの方たちが利用する場所で身近な存在。だからこそ興味を持って見るし、普段使っている場所でそんなことがあるなんて許せない……。見る人がそんな気持ちを抱くから、何かあるとすぐに炎上するのだと思います。

私は雑誌の専属モデルとして、PRのお仕事をいただいたり、社長として本連載のように執筆依頼をいただく立場もあります。だから、昔と違って最近の私のフォロワーには、女性実業家などキャバ嬢以外の方々も多くいます。

もし、私が他のキャバ嬢と同じようにお客様の事を書いたら、きっと炎上するはずです。だから今は変な投稿はできません。

愛沢えみり

株式会社voyage代表取締役 1988年生まれ。アパレルブランド社長、タレント活動のほか歌舞伎町で現役キャバ嬢もしています。著書『キャバ嬢社長 歌舞伎町No1嬢王 愛沢えみりとしての生き方』『昼職未経験のキャバ嬢が月商2億...

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