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中国SNSで「富をひけらかすチャレンジ」 #炫富挑战# が拡散中の理由

中国のSNS「Weibo」で10月に流行った投稿「#炫富摔#」(シュエンフーシュアイ)をご存知ですか? 炫富摔とは転んだ拍子に手持ちの豪華な日用品を周囲に撒き散らしてしまった様子を示すもの。なぜこの投稿が爆発的に流行したのか、Instagramの人気タグ「#fallingstarschallenge」から分析します。

中国SNSで「富をひけらかすチャレンジ」 #炫富挑战# が拡散中の理由

Facebook、Twitter、Instagram……皆さんはどのSNSが好きですか? 中国ではこれらサービスには通常通信規制がかかり利用できません。

そのためインターネットユーザーには、自国のSNSサービスが普及しています。SNSの主役となっているのは中国版Twitterと言われるWeibo(ウェイボー、微博=マイクロブログの意味)です。

Weiboのほかにも、最近ではショートムービーをアップし、そこに選んだ音楽を組み合わせることができるTikTok(中国語名はドウイン/斗音)も流行しています。

このほか、動画投稿サイトでは「美容系」や「お笑い系」など、分野ごとに強く支持を集めているサービスが存在し、それぞれ勢力を伸ばしています。

最近では「ちょっとおしゃれな日常生活」の様子をアップするSNSとEC機能を組み合わせた「RED」も注目を集めています。

Twitter同様、Weiboには最新のニュースを取りにくるユーザーが多くなっています。本日は、そんな中国のSNS「Weibo」で10月に流行った投稿「#炫富摔#」(シュエンフーシュアイ、富をひけらかしながら転ぶ、の意味)を取り上げます。

余談ですが、Weiboのハッシュタグは単語の先頭だけでなく、後方も「#」で区切ります。

■23億ビューを叩き出した「炫富摔」

「炫富摔」とは、転んだ拍子に手持ちの豪華な日用品(見る人によっては、それを日常使いすることは。夢のまた夢のようなブランド品たちです)を周辺に巻き散らかしてしまった様子を意味します。

この流行の発端は実はInstagramにあります。「#fallingstarschallenge」「#fallingstars2018」(すっころび選手権)のハッシュタグにはそれぞれ、2018年10月29日の時点で約4万件、約3.8万件の投稿が見られます。

中国メディアでは、「#fallingstarschallenge」はロシアで始まった現象と伝えられています。

冒頭に述べたように、中国ではInstagramへのアクセスは規制を受けます。こういった状況で中国人がInstagramを閲覧する方法はふたつあり、ひとつはVPN回線を利用すること、もうひとつは中国国外でインターネットを利用することです。

VPN回線を常時利用する中国人は多くはないため、今回は中国国外にいる中国人により「中国国外の出来事」が中国国内のインターネット空間に持ち込まれた可能性も高いでしょう。

こうして「#fallingstarschallenge」は「#炫富摔#」、そして”fallingstarschallenge”の直訳である「#炫富挑战#」として、同モチーフに面白さを感じた中国人SNSユーザーにより、中国版TwitterのWeiboに輸入されました。

この現象が報道され始めたのは10月上旬ですが、1週間で100万人以上の参加者があったとも言われ、改めて中国国民の数の大きさを感じさせられます。

10月下旬現在、Weiboのハッシュタグ「#炫富挑战#」は113.6万の投稿と23億ビュー、「#炫富摔#」は4125件の投稿と796.7万ビューを記録しています。

■富をひけらかすだけにとどまらない、中国式「ひけらかし」チャレンジ

中国の「#炫富挑战#」が面白いのは、個人だけでなく、地方政府や観光名所、学校や警察、政府機関や医療機関が、これに参加しているところです。

例えば以下の投稿は西安の高校による作品ですが、同高校での授業内容が伺えるような構成をとっていて、広報活動の一環として利用していることがわかります。

「#fallingstarschallenge」の流れを汲みながら、独自の路線が現れていることは中国に特徴的で、10月末にはBBCによる取材もなされたそう。Twitterでは中国ウォッチャーにより早々に指摘、情報が拡散されていました。

中国の「#炫富挑战#」では、「#fallingstarschallenge」の本家が始めたような、豪華な自家用車やプライベートジェットというシチュエーションや、周りに広がる品物の金銭的価値にはこだわりません。

マラソン大会ではこれまでの努力が伺えるような品物を広げ、また上海の消防署では消防活動に必要な道具を、消防設備技師が転んでいるポーズをとる周辺に配置しました。

SNS映えという観点は失うことなく、同時に豪華さを用いることなく、主人公の「歴史」や「日常」そして「社会的責任」を印象的に展示する……。

何かと「監視社会」のレッテルを貼られがちな中国ですが、今回例に出てきたようなパブリックな組織による自由なSNS使いには目を見張るものがあります。

公開される写真は当然、広報的観点から設定されるルールをクリアしているのでしょうが、「何かを言われることを恐れて何も発言しない」ことが不文律になっているような日本のSNSにおける風潮を想起するに、両国の姿勢を対照的に感じます。

こういった動向を知るにつけ、逆説的に日本のほうが監視社会のようにも感じられてきて、おかしみすら感じてしまうといったら、言い過ぎと言われてしまうのでしょうか。

外媒关注中国特色

http://news.163.com/18/1028/00/DV5R2H5D0001875O.html

外媒关注中国特色“炫富摔“:不晒奢侈品晒生活点滴,奢侈品 中国 挑战者 热潮

画像/Shutterstock

山浦 雅香

85年生まれ茨城育ち。事実婚の夫、小学生の息子と東京で生活中。就職2年目の27歳で出産退職、子育て専業2年、再就職、フリーランスを経て、インバウンドメディアの編集部に。大学時代の1年間の北京留学経験を活かして、翻訳・執筆も。

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