スマホ依存を断ち切る方法。「スクリーンタイム機能」で自分の時間を整理しよう
iPhoneのiOS12に追加された機能「スクリーンタイム」を使えば、自分がどれだけの時間をスマホに費やしているのか、また、その分類までチェックすることができます。ここでは、さらに一歩踏み込んで、スマホ依存から抜け出すための方法をご紹介。
年がバレてしまうのですが、中学に上がる前からインターネットが大好きでした。
ゲームもできるしイラストも写真もたくさん見れるし、知らない人と趣味について語り合える空間がある。母親に「一日30分だけよ!」と言われながら、リビングのデスクトップPCで当時流行りのおもしろコンテンツやら、好きな漫画のファンアート探しにうつつを抜かしたものです。
そんな子ども時代をすごしたものですから、大学生になってスマホを手に入れたときは本当に嬉しかったです。
どこでもインターネットができる! スマホ最高! インターネット最高!
その結果、読書していても家でテレビを見ていても、痒いところを掻くように、スマホに手が伸びてしまうようになりました。
「恋人といても、顔よりもスマホ見てる時間の方が多いんじゃないか?」
「そういえば、最後に何かにどっぷり集中したのは、映画館に行ったときかもしれない……」
と時折り怖くなるのですが、
「でも電車でみんなスマホを見てるし。みんな毎日インスタに投稿してるし」
……毎日そうおもってやり過ごしている人、多分、私だけじゃないような気がします。
■私たちは、見逃すことや取り残されることが恐い
この夏、イスラエル人の人類学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『ホモ・デウス』の邦訳が刊行され、ベストセラーになりました。
オバマ大統領やビル・ゲイツ氏が絶賛したことで話題になったハラリ氏の新刊です。
テーマはズバリ「テクノロジーとサピエンスの未来」。
急激に進化するAI(人工知能)がニュースを賑わせる中での発売ですから、「AIは人類の救世主か? それとも……?」くらいスケールの大きい話かなと思いきや……。
私たちは町の反対側に住む友人と簡単に会える。だが、いっしょにいるときにさえ、この友人に注意をすべて向けることはない。(中略)絶えずスマートフォンやフェイスブックのアカウントをチェックしているからだ。現代の人間は、FOMO(見逃したり取り残されたりすることへの恐れ)に取り憑かれており、かつてないほど多くの選択肢があるというのに、何を選んでもそれに本当に注意を向ける能力を失ってしまった。
『ホモ・デウス』より引用
一緒にいるのに相手に集中しない。
私の日常風景が言及されていました。
失礼だなと頭の片隅で思いながら、カフェで、一緒に電車を待つ駅のホームで、買い物の合間で……相手の前でスマホを開きとりあえず通知欄をチェックしてしまう、情けない自分。
この話題は、さらにこう続きます。
これまでよりもはるかに効果的にデータをやり取りして処理できるものの、注意を払ったり夢を見たり疑ったりすることがほとんどできない人間を生み出す恐れがある。
『ホモ・デウス』より引用
ぞっとしました。
なぜ自分がこんなにもスマホに、特にSNSに(さらにTwitterに)熱中するのか、ちょっと冷静になって考えてみたのですが、
投稿する→「いいね」される→確認する→気分がよくなる→投稿する→「いいね」される→……
というサイクルがが高速で回るため、脳みそまるごと「SNSをやるのは一番カンタンに気持ちよくなれる!」と教育されてしまい、気づいたらスマホを見てしまう、という状況になってしまっているのでしょう。
■自分が毎日、どれだけスマホを使っているかわかる機能「スクリーンタイム」
とはいえ、読書や勉強など、集中する時間がないとできないとはたくさんあるわけで、この状況からなんとか抜け出したいというのが正直なところ。
しかし誰でもやめようと思ってやめられるなら、『ホモ・デウス』にこんなふう書かれることはないでしょう……。どうしたものか……。
そう思っていた矢先、救世主が現れました。iPhoneのiOS12から使える新機能、「スクリーンタイム」です。
「設定」のわかりやすい場所に登場したこの機能。
オンにすると、自分が毎日何時間スマホをつかっているか、さらにどのアプリを何時間使うか丸わかりになってしまします。
私の場合は完全にTwitter依存です。
友達との他愛ない話からニュース、化粧品の情報までなんでもTwitterで見てしまっていました。長く運用しているアカウントがあるので、ツイートすれば誰かが「いいね」してくれる状況。
そのレスポンスが嬉しくて見て、を繰り返しているうちに、なんと一日で2時間半もTwitterしている日もありました。1週間で見ると8時間、平日一日の労働時間相当です。
Twitterしていてもお給料はもらえませんし、情報はある程度手に入っても、そこから何か生まれるか? と訊かれると言葉に詰まります。
これだけで「うっ……」となって、使う頻度が減りそうですが、さらに強力な機能「App使用時間の制限」。
アプリのカテゴリごとに一日の使用時間の上限を決めることができるこの機能。「SNS」にチェックを入れるとInstagram・Facebook・Twitter・LINE、このあたりのアプリの仕様時間を一網打尽に制限できます。
制限をかけてからというもの、通知が出る度に開いていたらあっという間に時間を食ってしまうので、Twitterの通知がこないように設定変更。
以前よりスマホのチェック回数が減っており、「いつもスマホを見てしまう……」と落ち込むことはなくなってきました。生活がガラッと変わるほどの効果は実感できていませんが、以前よりまとまって集中できる環境は整っていることは確かです。そのおかげでこの記事を書くことができたのかもしれません。
依存気味の方はもちろん、そうでない方も自分の時間を整理するために、スクリーンタイム機能をオンにしてみてはいかがでしょうか。
平成の大部分の時間はインターネットに溶かしました