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【今からできる相続対策#15】「おひとりさま」の相続対策は遺言が不可欠!

近年は「おひとりさま」の世帯が増えています。それに応じて、おひとりさまの相続も増加傾向にあります。実は、おひとりさまの相続こそ、きちんとした対策が必要。相続対策として、遺言が最も効果的で不可欠といえるでしょう。

【今からできる相続対策#15】「おひとりさま」の相続対策は遺言が不可欠!

■未婚で配偶者と子がいない、おひとりさまが亡くなった場合、財産は誰が相続するのでしょう?

もし、親がいる場合、財産は親が相続します。

両親とも健在ならば、父母が財産をそれぞれ1/2ずつ分割します。父母の片方のみ健在ならば、父または母がすべて相続します。

このケースでは、法定相続人が1~2人と少ない点が間題となります。多額の財産を残した場合、親に大きな相続税負担がかかってしまいます。また、ローンなどの負債や税金の滞納は、できるだけ減らしておくことが望ましいでしょう。

■「不本意な相続」を避けるには遺言書がマストです

両親がすでに亡くなっており、兄弟姉妹がいる場合、その兄弟姉妹が財産を相続します。もし、兄弟姉妹の中で、すでに亡くなった者がいて、かつその子ども(甥、姪)が存在すれば、その甥、姪にも相続権があります。

兄弟姉妹と仲が良く、甥や姪とも親交があれば、間題はありません。しかし、兄弟姉妹と不仲だったり、甥や姪と交流や面識がない場合は、自分の意に反した「不本意な相続」を強いられます。前もって遺言を書いておくことをおすすめします。

■遺言がないと親しい人や特定の団体には財産が渡らない

もし、配偶者、子ども、両親、兄弟姉妹がひとりもいない場合――つまり相続人がゼロのときは、財産は国庫に帰属し、国のものになります。

裁判所が、内縁の妻や生前介護してくれた人を「特別縁故者」として財産分与を認める事例もありますが、財産を他人や社会等に確実に活かしてほしいと考えているのなら、遺言を記しておく必要があります。


たとえば、親友などの親しい人や、介護などでお世話になった人などに、自分の財産を渡したい場合、遺言でその旨を記しておきましょう。

「この人に財産を受け取ってほしい」と強く願っていて、常々本人に直接話していたとしても、相続のときに遺言がなければ、その人に財産が渡ることはありません。そのような人は、相続後、裁判所に「特別縁故者」の申請をして、承認を受けるというプロセスを踏む必要があります。

また、社会福祉法人や学校法人、日本赤十字社、ユニセフ等に財産を寄付したい場合や、お寺や神社等で財産を有効に利用してほしいと望んでいる場合も、遺言で明確に記しておかなければなりません。

このように、法定相続人以外の方へ遺言で財産の分与をする事を「遺贈」と言います。遺贈により取得した財産は、相続税の課税対象になります。個人でない法人がもらった際、公益法人でない一般の法人の場合は、法人税がかかる場合があります。

結論として、おひとりさまの相続には、遺言が不可欠です。元気なうちに作成しておきましょう。

清澤晃

清澤司法書士事務所 代表司法書士 清澤晃 平成18年司法書士登録。 司法書士試験合格後、大手弁護士事務所・司法書士事務所にて勤務司法書士として相続業務や登記・不動産関係など様々な業務に携わる。司法書士法人では支店長を...

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