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はあちゅうさんの事実婚発表を受けて感じたこと

ブロガー・作家のはあちゅうさんが、交際4年になるAV男優のしみけんさんと事実婚の手続きをしたと自身のSNSで報告しました。大手メディアやニュースサイトがこぞって報道し、さまざまな意見がネット上で飛び交っています。今回のニュースで注目された「事実婚」、私は現代を生きる女性にとって、素敵な選択肢のひとつだと考えます。

はあちゅうさんの事実婚発表を受けて感じたこと

祇園祭の宵宵山で盛り上がる京都の夜。蒸し暑さで耐えられない時間を過ごしていたとき、『DRESS』の池田園子編集長からメッセンジャーが届き、初めてこのニュースを知りました。

はあちゅうさんといえば、電通、トレンダーズなどでの活躍を経てフリーランスになり、執筆や講演、有料サロンの運営など、多岐に渡って活動する、現代を代表するブロガー・作家のひとりです。

2017年冬には「#metoo」運動に背中を押されて、電通時代の体験を証言したことも、印象に残っている人は多いのではないでしょうか。そして今回のAV男優との事実婚発表は、今なお熱気さめやらぬ話題のニュースになっています。

その事実婚発表に対するネット上での意見はさまざまです。

相手男性のAV男優という職業に対するイメージや、他の女性を抱く仕事に就いている男性と結ばれることへの疑問など、ネガティブな反応もたくさんありました。

一方で、「はあちゅうらしい」「毅然とした態度がさすが」といったポジティブな反応も。私はもちろん、後者の感想でした。

■観客も野次馬も気にせずに、自分の人生を生きる人

直接お会いしたことも、お話ししたこともありませんが、はあちゅうさんは私が提唱する「自分らしく生きる」を見事に体現した人です。

上に書いた彼女の経歴は、他人の見る目や常識を気にしていたら成し遂げなかったもの。目立つことをすれば批判の声が上がるのは、どんな社会でも同じ。

ましてや彼女のように、Webで自らを表に出して発信する人でしたら仕方がありません。一方で、辛かった時期を経て、今は前向きに生きているという彼女のメッセージが、多くの人に勇気を与えているのも事実。アンチが多ければファンも多い、それこそが彼女らしい生き方なのでしょう。

私自身、2度の離婚を経て、現在は17歳年下の相手と交際して4年目になります。その経験の最中では、家族、親戚、周囲の人たちから、いろいろと批判を受けることもあれば、好奇の目で見られることも、あちこちで噂をされることもありました。

けれども、親の指図や目上の人の指示、パートナーの束縛、周囲への遠慮、世間の目への気遣いによって、幸せを感じたことは一度もありませんでした。

他人の目を気にせず、自分の価値観で判断し行動することは難しいけれど、私にとって自分の殻を破り、幸福になるための最も重要な方法でした。

はあちゅうさんは、Web上で多くの観客の注目を集めるプレーヤーだなあと常に思います。応援すること、観ること、人についていくことにも楽しみはありますが、自分が主体的に動くことで、日々の満足度は高まり、成長につながります。

たとえ水面下では必死でもがいていても、気持ちが沈むことがあっても、フィールドに立てばプレーヤーとして動くことをやめない人は強い。そして、周囲の声に惑わされず、自分に誠実で、幸せなのです。

■法律婚よりゆるやかで、同棲よりたしかな「事実婚」

今回、はあちゅうさんは婚姻届の提出ではなく、事実婚という形で手続きを取りました。

事実婚は、正式に入籍をしなくても互いに婚姻の意志があることで成立しますが、住民票の世帯変更届を出すことで続柄は「妻(未届)」「夫(見届)」と表記されます。そして、法律での婚姻との大きな違いは別姓でいられることです。

彼女が事実婚の選択を取った真の理由はわかりませんが、2度の離婚を経て独身となった私としても、次にするなら事実婚かな、と考えています。

結婚をして、姓を変えて、新たな家族の一員として暮らしていく。多くの人が選ぼうとする道を当然のように進んでいく人もいます。けれども、多くの人が選ぶ道が、正しい道とは限りません。

人の個性や生き方が十人十色であるように、自分の選ぶパートナーとの生き方も「法律婚」が当然だと思う必要はありません。結婚よりもゆるく、同棲よりもたしかな形でつながることのできるのが、事実婚だといえます。

はあちゅうさんのニュースで光が当たった事実婚は、自立した女性、人生を自分で生きようとする女性にフィットした、現実的な選択肢のひとつになるのではないでしょうか。

近藤 令子

インターネット企業「はてな」創業メンバー、京都大学こころの未来研究センター広報を経て2018年春からアメリカの仲間と共にアプリケーション&プラットフォーム企業「Voice4U(ボイスフォーユー)」を設立。京都在住。10歳の息...

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