夫とセックスレスで、セフレを求める既婚女性の悩み
夫とはもう何年もセックスレス。でも、甘える相手がほしいしセックスもしたい。そんな心を見透かされたように独身男性から誘われた既婚女性。求めているのは本当にセフレなのでしょうか? 夫以外の男性と体のつながりを望む根底にあるのは、「私を認めてほしい」という切実な願いでした。セフレがほしくて悩む既婚女性についてのお話です。
■夫に相手にされない寂しさ
「結婚して10年になる夫とは、娘の妊娠中からセックスレス。もう5年も抱き合っていません。
娘が産まれてからは育児や仕事の復帰で忙しく、セックスがなくても気にすることはなかったのですが、保育園に通いだして自分の時間が少し持てるようになったときから、ふと寂しさを感じるようになって。
夜、娘が寝た後でそれとなく夫をベッドに誘ってみても、『疲れてるんだ』と言われるとそれ以上は求めることができずに、悶々と過ごしていました。
みんなはどうしているんだろう、と会社で同僚に尋ねてみると、子どもがいてもセックスはしている夫婦が多くて、レスはうちだけなのか、と落ち込んだり……。
気晴らしに入ったヨガのサークルで、年上のバツイチ男性と仲良くなりました。
『仕事が忙しくて妻を構えず、セックスレスが続いた挙げ句に離婚を言われてしまった』と話してくれた男性に親近感を持ち、思いきって私も夫とスキンシップがないことを打ち明けると、いろいろとアドバイスをくれて、嬉しかったです。
でも、夫とふたりでデートする時間を持ったり、イメチェンして女らしく見えるようにがんばってみたりしたけど、夫の様子は変わらず。私に関心がない姿を見ると悲しくなり、努力することが虚しくなってきました。
年上の彼は、そんな私に『じゅうぶん魅力があるよ』『自分を卑下したらダメだよ』といつも励ましの言葉をかけてくれて、彼に甘えたい気持ちがだんだん湧いてくるのを感じていまいた。
肉体的にも若々しく、ふたりでお茶してもいつも女性として扱ってくれる彼との時間をいつしか心待ちにするようになり、『彼とセックスがしたい』とはっきり自覚してからは露出の高い服を着て会いにいったし、無意識に彼を誘っていたと思います。
彼のほうも、『ずっとご無沙汰だから』と言いながら私と過ごすときはセックスの話題を多く出してきて、ふたりきりの車の中で、空気が色濃くなっていくのはわかっていました。
ある日、『俺なら君みたいな可愛らしい女性、抱かずにいられないけどな』と車内で手を握られて、ドキドキしたけど「ありがとう」と返すのが精一杯でそのときは終わりました。
ですが、次に会ったとき、ホテルに行かない自信が今はありません。
私を見てくれない夫より、ひとりの女性として見てくれる彼に抱かれたい気持ちが強くて、でもセックスすると不倫になってしまいそうで、もう会わないほうがいいのかもと思ったり……。
不倫じゃなくて、セフレならいいかなと考えてしまう自分が怖いです。
これから、彼とはどう接すれば良いのでしょうか?」(36歳/サービス)
上述した彼女が最初に話してくれたことは「夫に相手されない」という悩みでした。
妊娠中からのレスをうやむやにしたまま長い時間が流れてしまい、改めて抱き合いたいと思っても夫の関心を自分に向けることができず、それが彼女の女性としての自信を奪っていきます。
何とかセックスレスを解消したくてあれこれと手を尽くしてみたものの、期待した結果が得られず、そんな中で出会った年上の独身男性に気持ちが流れてしまうのは、仕方がないのかもしれません。
彼女の中には、「夫が相手をしてくれないのが悪い」という言い訳があります。
ですが、だからといって既婚女性が独身の男性と肉体関係を持つのは、れっきとした不倫。社会的に認められるものではない上に、何の解決にもなりません。
彼女が満たされるためには、どうすれば良いのでしょうか。
■誰とセックスがしたいのか
彼女は、「不倫は嫌だけどセフレならいいかも」と言いました。
このように考える女性はほかにもいるのかもしれませんが、不倫もセフレも、既婚者が持ってはいけない他人との関係では同じことを忘れています。
「セフレ=恋愛感情がないカラダだけのつながりだからOK」ではなく、配偶者以外の異性と肉体関係を持てば、それはすべて不倫です。
既婚者が、自分の都合よく他人から責められずに独身の人間と関係を持てるなんてことは、ありません。
彼女の場合も、不倫の言葉が持つネガティブなイメージにひるんでセフレという言い方をしますが、結局、夫以外の男性の体を求めること自体がタブーであることを思い出さないといけません。
そもそも、彼女は誰とセックスがしたいのでしょうか。性欲が向く相手は、夫であったはずです。夫に抱かれたいから女として見られるように努力を重ねたわけで、それが裏切られたから、たまたま言い寄ってきた年上の独身男性に気が向いてしまっただけのこと。
彼に抱かれたいと思うのは、いわば「夫の代わり」。
夫に顧みてもらえないフラストレーションをほかの男性で解消しようとしても、彼女の望みが叶うことはありません。
彼女の望みとは、「夫にひとりの女性として認められること」です。
性欲を強く意識すると、肝心の相手がぼやけることがあります。セックスの快感だけに目を向けると「与えてくれるならこの人でもいい」と思ってしまい、それが大きな過ちにつながります。
■関係を持った後に襲ってくる後悔
相手からも「OKサイン」がある以上、関係を持つことは簡単かもしれません。
ですが、考えないといけないのはその後のこと。
一度寝てしまえば、後戻りはできません。「夫以外の男性とセックスをした」事実は一生消えないし、バレてしまえば責めを負います。夫から離婚を言い渡される可能性だって十分にあるのです。
安易に肉体関係を結ぶ裏には、すべてを失うリスクを否定できません。
それに、本来「向けるはずだった夫」ではない男性に性欲をぶつけても、セックスが気持ちの良いものとは限りませんよね。
愛情を伝え合うのがセックスです。性欲が先行する心と体で抱き合ってみても、本当に満足が得られるでしょうか。
寝た後で後悔しても、時間は戻りません。「やっぱり夫に抱いてほしい」と思っても、過ちを犯してからでは素直に体を開くことは難しくなると思いましょう。
■レスは夫婦で解消するべき問題
不倫する男女の多くが、どこかで「相手をしてくれない配偶者が悪い」という言い訳を持っています。
もちろん、本当に配偶者を大切にしない人間なら非はあるでしょう。夫婦はお互いに助け合うべきと民法では定められており、セックスレスは良好な夫婦関係を破たんさせる原因となることも。
もし一方的に拒否されるなら、そのときは不倫に走る前にまず結婚生活そのものを考え直す必要があります。
相手に問題があることを理由に不倫をしてしまうと、こちらも筋を通さないことになり、結局はそれぞれに責任が生じます。「夫が夜の相手をしてくれないから不倫した」と言っても、そこに正当性は認められません。
「抱き合いたいと思ってもその気になってもらえない」なら、まずは夫婦のつながりを見直すべき。
セックスを避けるのは、相手に心を開いていない証拠です。愛情を感じていても、それを相手に伝えようとしないのは、どこかで信頼していないから。
セックスレスの原因をたどると、お互いに配偶者を尊重していないことが多々あります。求めるばかりでなく、自分は夫を大切にしているか、夫からのサインを見逃していないか、もう一度振り返ってみましょう。
セックスレスの問題は、夫婦で解決することです。ほかの異性で性欲を解消しようとしても、待っているのは暗い結末であることを、忘れてはいけません。
※こちらは2018年6月15日に公開した記事内のリンク切れなどを修正したうえで再掲載したものです。。
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